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イギリス貴族や富裕層の住居として作られた“カントリーハウス”を改装し、宿泊施設として運営するHand Picked Hotelsは、「もっともおすすめのホテルブランド」として、これまでに2度金賞に選ばれている人気ホテルグループです(関連記事)。
今回利用した「オードリーズ・ウッド・ホテル(Audleys Wood Hotel)」はそのうちのひとつ、イングランド南岸にあるハンプシャー州の“カントリーハウスホテル”です。
その名のとおり、木々が生い茂るなかにヒッソリとたたずむ同ホテルの建物は、1880年代に私邸として作られ、富裕で著名な客人たちが絶えず訪れたといわれています。
ロビーには重厚な応接セットと2階へつながるカーペット敷きの階段があり、静まり返った午後のひとときは、まるで過去にタイムスリップしたかのよう。
茶系でシックにまとめられた客室もやはり落ち着いた雰囲気で、バスタブも広く、ゆったりとくつろぐには最高の場所です。
森と7エーカーの私有地が広がるオードリーズは夏の結婚式にもピッタリで、その日はガーデンを横切る華やかな衣装に身を包んだ招待客や、長い裾を持って歩くウエディングドレス姿の花嫁、はたまた超特急で走り抜けていくウエイターなどがおり、見ていて飽きませんでした。
ホテル周辺にはなにもないことを見越して、今回の滞在は朝と夕食もついたプランを予約していました。家に帰ることなく、食べ終わったらそのまま部屋に戻れることも、食事つきプランの醍醐味です。
案内されたコンサヴァトリ・レストランは、とても高いアーチ型の天井をもつ、エレガントな出立ち。5品目のフルコースは、古代人参の前菜や地元産真鴨の脚肉、やけにオシャレで繊細な夏の定番デザート、イートン・メスなどが出されました。
つけ合わせのサワーブレッドについてきたバターが、ホイップクリームのようにフワフワで、かつなにかシーフードの味を感じて珍しく、とてもおいしかったです。
食後のコーヒー・紅茶は、希望すればロビー席で出してくれるのがうれしいサービスでした。同レストランのシャープ・シェフは、できる限り地元産の食材を選び、シンプルで洗練された料理を目指しているそうです。
朝食は前夜と同じ会場でしたが、朝日が明るく差し込んだ様子はまた別の雰囲気を持ち、すてきでした。せっかくなので、ガーデンが見える窓際の席へ。夕食時同様、好きな席に座らせてくれるのがうれしい。
いかにもサクサクで香り高そうなクロワッサンやチーズ、果物、フレッシュジュースなどが並んだビュッフェ台はどれも魅力的でしたが、卵料理などあったかいメニューがないことに内心戸惑いました。
とりあえずいくつか盛り付けたお皿を持って席に戻ると、コーヒーか紅茶がサーブされ、メイン料理の注文を聞かれました。メニューを開くと好物のエッグ・ベネディクトがあり迷いましたが、結局朝の定番、アボカド・トーストを頼みました。
でもそうすると、卵がなくなってしまうから失敗した!? と後悔していたのですが、心配無用でした。ワカモレのように潰したアボカドがトーストに乗っかったこの料理は、卵が乗っていないものもあります。運よく乗っていたとしても、ゆで卵のスライスだったりしますが、このとき出てきたものはエッグ・ベネディクト同様、ポーチド・エッグが、それも2個も乗っていました!
大満足の朝食を済ませ、部屋に戻ってもチェックアウトはかなり遅いため、心ゆくまでダラダラ、のんびり過ごしました。束の間の貴族気分を味わえるオードリーズ・ウッド・ホテル、1泊いかがですか?