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オーストラリア人の心の故郷メイ・ギブスの「ナットコート(Nutcote)」

Eri オーストラリア

Eri オーストラリア

オーストラリア特派員

更新日
2023年9月8日
公開日
2023年9月8日
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オーストラリアには、数世代にわたって親しまれている物語がいくつかありますが、20世紀にメイ・ギブス (May Gibbs) によって出版された「スナグルポットとカドルパイ」もそのひとつです。

ユーカリの実やバンクシアなど、オーストラリア固有植物のキャラクターは、現代でもなお人々を魅了し続けています。

そんなメイ・ギブスが住んでいた家「ナットコート (Nutcote)」が、シドニー郊外のニュートラルベイで一般開放されていていて、とてもかわいくて素敵なんです。

ということで、今回はメイ・ギブスのナットコートとその魅力について紹介します!

日本語のガイドツアーもありますので、もし行く予定にしている人は利用してみてください。

※ この記事の画像は許可を取って掲載しています。

メイ・ギブスのナットコート

かつてはガレージだったナットコートの入りぐち

ナットコートがあるのは、ハーバー沿いの静かな住宅街の中です。
手前がギフトショップになっていて、中には彼女が暮らした家と庭園、カフェ、キッズコーナーなどがあります。

日曜日には予約すればハイティーも出来ますし、時々イベントも開催されているのでウェブサイトをチェックしてみてくださいね。

住所
5WallaringaAvenue,KurrabaPoint,NeutralBayNSW2089
入場料(2023年現在)
大人$14、コンセッション$12.50、子供$6、ファミリー(大人2人、子供最大3人)$42
開館日
水曜〜日曜/月曜と火曜、祝日は休館
開館時間
午前11時〜午後3時(入場は2時30分まで)
ウェブサイト
https://www.maygibbs.com.au/

メイ・ギブスとナットコートについて

メイ・ギブス (May Gibbs 1877-1969) は、オーストラリアを代表する児童文学作家兼イラストレーターのひとりです。

彼女の代表作「スナグルポットとカドルパイ (Snugglepot and Cuddlepie)」は、現在『リトルラグド・ブロッサム (Little Ragged Blossom)』と『リトル・オベリア (Little Obelia)』と一緒に3部作として発売されていて、発売から今まで売れ続けている人気作です。

オーストラリアで初めて女性で新聞に漫画を掲載し、『ビブ & バブ (Bib and Bub)』は、オーストラリアで最も長く続いた漫画として彼女が92歳で亡くなる2年前まで連載されていました。(1924年〜1967年)

彼女は4歳の時に両親に連れられて南オーストラリア州や西オーストラリア州に移住し、イギリスで美術を学んだ後にシドニーに定住。そして、これから紹介するのがその時にニュートラルベイに建てた家、ナットコートです。

ナットコートまでの行き方

ニュートラルベイまではバスでも行けますが、ナットコートはハーバー沿いにあるのでフェリーがおすすめです!

サーキュラキーのフェリー乗り場4番からニュートラルベイ行きが出ていますので、シドニーの最も有名なランドスケープであるオペラハウスとハーバーブリッジをフェリーの上から眺めていると、気分も盛り上がりますよ。

ギフトショップ

入り口を入るとすぐに目に入るギフトショップには、メイ・ギブスのキャラクターグッズが所狭しと並んでいます。

思わず「かわいい!」と言ってしまうような商品がたくさんあるので、お土産やプレゼントにも最適ではないでしょうか。ベビー用品も多いので、出産のお祝いにも喜ばれそうです。

©︎️MayGibbs 2002年には日本語版も出版されています(現在は絶版)

ちなみに、日本人にしてみれば「一体どこがオーストラリアっぽいんだろう?」と思うかもしれませんが、緑色の帽子を被ったガムナッツベイビーはユーカリの実の子供、オーストラリアの固有植物バンクシアがモチーフになったバンクシアマン、ミセス・クカバラ (ワライカワセミ) 、その他にも色々とこの国おなじみの動植物がキャラクターになっているんです。

ユーカリやパンクシアなど

カフェ

ギフトショップを過ぎると、レトロでかわいらしいカフェもあります。ボランティアの人が焼いているおいしい手作りスコーンもあるので、ぜひ食べてみてください。

※ 都合によりカフェがオープンしていない場合もありますので、確実に利用したい場合は問い合わせてください。ここまでは入場料を払わなくても利用できます。

とても素敵なティータイム

庭園

カフェの向こう側には、メイ・ギブスが住んでいた頃を復元したイギリス風庭園が広がっています。オーストラリア原産や外来種の植物が植えられた庭園、春は特に花が咲いて美しいとのことでした。

BibandBub

キャラクターの像も置かれているので、探してみてください。

家の反対側には、シドニーハーバーが見渡せる場所もあります。現在はビルで遮られていますが、ハーバーブリッジも見れるのが分かるでしょうか?当時はここからハーバーブリッジの建設から完成 (1932年) まで見れたそうです。

よく見ると、「LittleObelia」のキャラクターが
オーストラリアの子供が恐れるバンクシアマン

ナットコートの中へ

そしてこちらがメイ・ギブスが1925年から92歳で亡くなるまでの44年住んだ家、ナットコートです。

メイ・ギブスの死後に取り壊されるかもしれなかった家ですが、彼女の親族や友人たちがナットコートを守るキャンペーンを実施し、現在はノースシドニーカウンシルの所有となりメイ・ギブス・トラストによって運営されています。

ナットコートはメイ・ギブスの「機能的でシンプル、かつ魅力的」といつ要望に応えて、著名人にしては小さめの家です。ですが、リビングを中心にぐるっとベットルームやダイニングはオーシャンビューになっていて、現在の私たちも「なんて住みやすそうで素敵な家なんだろう」と思ってしまいます。

メイ・ギブスのベットルームにつながっているバルコニー
主に旦那さんが料理していたというキッチンは小さい

キッズルーム

下の階にはキッズルームもあり、本やゲーム、ドレスアップ出来る服なども用意されているので、小さなお子さんがいるお母さんもぜひ!

日本語のガイドツアーの利用

ナットコートでは、日本のガイドツアーもあります。
メイ・ギブスの人生や物語が生まれた背景だけではなく、当時のオーストラリアの様子や状況など、知識豊富なガイドさんが日本人にも分かりやすく説明してくれるので、とてもおすすめです!
所要時間は30分程度で、終わった後はメイ・ギブスとキャラクターに何倍も親しみを感じるかもしれませんよ。

このナットコートは1994年から一般公開されていますが、意外とあまり知られていません。ですが、行けばきっとオーストラリアのブッシュファンタジーに魅せられ、オーストラリアの違った一面を見つけられるのではないかと思います。

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