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成長し続けるマカオ ここは国?地域?

マカオナビ

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マカオ特派員

更新日
2023年9月3日
公開日
2023年9月3日
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マカオの正式名称は中華人民共和国マカオ特別行政区です。「国と地域」という分類の中では「国」の一部ですが、実際には中国の通貨である人民元とは別の独自通貨を発行している為、自治区というよりは別の国のような「地域」に近い自治がなされています。中国中央政府はこれを「高度な自治行政を行なっている特別区」と表明していますが基本法や税制を含め、全てが独自であり極めて特殊な地域であるといえます。

マカオの公用語

公用語は中国語(繁体字)とポルトガル語。話す言葉は広東語ですが、最近、新移民と称する中国大陸からの移民も増えてきており、中国普通語もよく聞こえてくるようになりました。
公用語が英語の香港と比べると、通りの名前や看板などの表記の読み方が難しく、地名などが覚えづらい傾向にあるのは事実です。

ホテルのレストランなどに入るとスタッフのネームプレートのところに話せる言語を示す国旗や言葉の種類が書いてある事があります。ポルトガル語が公用語でありながら、現在では少数派になってきており、実際には英語が幅広く用いられています。従って中国語が分からない場合は英語で対応する方が通じます。
同時にマカオの場合、中国語は繁体字ですから、日本語の旧漢字に近くレストランのメニューなども見れば大体分かります。

マカオ政府HP/マカオ基本法

マカオの香港や中国大陸との位置関係

マカオは中国大陸の南部、広東省の最南端に位置し、香港と海を挟んだ対岸に位置します。
珠江三角洲(珠江デルタ地帯)と呼び、香港・マカオ・中国本土の深圳を含むエリアの総称としてこのように呼ばれていますが、近年では中国中央政府の意向からエリアを拡大し、香港・マカオに加え中国広東省の九つの都市(広州・深圳・珠海・仏山・東莞・中山・江門・恵州・肇慶)を総じて「大湾区」と呼称するようになりました。
香港からマカオや珠海へと架けられた海上大橋(港珠澳大橋/以下、HZMBと表記)はその象徴として造られ、このエリア一体がかつてのように船ではなくクルマで往来できることを実現した事により、新しい経済圏が誕生した事をアピールしました。

そう考えると「地球の歩き方」の本ではずいぶん前から「香港・マカオ・深圳」と言うタイトルでこの地域をひとつにして本を発行しています。この大湾区を先取りしていますね。

資料引用:マカオ政府地理局(澳門特別行政區政府地圖繪製暨地籍局)

マカオのエリアと地域の特徴

マカオは中国広東省珠海市と国境を接しており、北側からマカオ半島(ポルトガル語表記:Macau、英語表記:Macao、中国語表記:澳門)、橋を渡ってタイパ(Taipa、中国語表記:氹仔)、そして本来は離島でしたが現在は埋め立てで地続きになっているコロアン島(Coloane、中国語表記:路環)の三つ。それに加えタイパとコロアンの間の埋め立地に造られた町が、いまや世界でトップクラスとなったカジノを含むIRの施設が並ぶ地域があり、この一体がコタイ地区(Cotai、中国語表記:路氹填海区)と呼ばれています。

地域ごとの主な特徴を分けるとマカオ半島(9.3平方km)は行政の中心地域であり、尚且つ歴史的建造物が密集しており、世界遺産もこのエリアに集中しています。
タイパ(7.9平方km)は観光名所で近年大人気の古い街並みのタイパオールドビレッジと高層住宅が並ぶエリア。
コタイ(6.1平方km)はIRが中心となっている、この十数年のうちに発達したエリアで娯楽の一大ゾーンです。
そしてコロアン(7.6平方km)は自然溢れるビーチや小さな集落が集まったリゾートエリアであり、マカオはおおまかにこの四つのエリアで構成されています。

そこへ新たに、香港からマカオへと架かったHZMBのマカオ側の海を埋め立てて作られたイミグレーションやバスターミナルのあるエリアが0.7平方km。そのHZMBエリアとマカオ半島の間を埋め立てて造成した新城A区1.4平方kmが新規に加わり、マカオの総面積は33.3平方kmへと拡大しました。

*地図はマカオ政府地理局(澳門特別行政區政府地圖繪製暨地籍局)作成の地図を元に日本語表記へと編集し直して作成しました。
マカオ政府地理局(澳門特別行政區政府地圖繪製暨地籍局)

土地面積を拡張し、進化を続けるマカオ

写真の左側から工事中の緑のネットで覆われているビルのところが新城A区。その後ろに低く見える白いビル群が香港からのHZMBのイミグレーションのあるエリア。
右の黄色と黒の建物がグランプリのコントロールタワービルで、そのままマカオフェリーターミナルへと繋がっています。
このようにマカオは中国中央政府の方針とバランスを取りながら、産業面だけではなくインフラも含めて確実に拡張をし続けて進化しています。
一国両制度には賛否両論があるのは事実ですが、マカオはそれを着実に消化しながら、経済面を含め観光インフラを発展させております。

なおマカオ政府の表記では、ポルトガル時代の教会の位置からどこそこの距離に何がある、或いは教会の教区で地域を表してはいますが、実際の場所との表記がマッチしない部分がかなりあり、現実的にはそれらの表記は実際または日常生活には使っていません。その為、本記事では現在の中華人民共和国マカオ特別行政区としての公的資料から引用しております。
但し出生届や死亡届、あるいは選挙の時などにはこの教区を示したり選挙区を分けたりします。この様に歴史があり尚且つ統治する国が変わった為、全てが一本化されていない部分はまだまだあります。マカオの法律にもその問題があり、ポルトガル時代の法律をベースにしている為、その解釈でしばしば裁判が中断になると言うこともよく有ります。

そういう意味からもマカオは現行の国の体制になってからまだ24年に満たない若い国(地域)です。二つの大きな潮流を混ぜ合わせながら、これからのマカオを構築している途中にあると言えます。

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