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イギリスの夏は短く、8月下旬にはもう秋の気配が漂うのですが、例年9月は一転、「インディアン・サマー」という“夏”が再びやって来るのです!
特に今年は冷夏で「夏がとうとう来なかった……」というほど寒かったので、イギリス各地はいま頃になってようやく、太陽を楽しむ人でにぎわっています。
こんなときは、食事も外で食べたくなるというもの。テラス席で冷えたワインを片手に歓談している人たちに誘われ、ロンドンのピッツェリア、「フランコ・マンカ(Franco Manca)」に入ってみました。
訪れたのは、リバプール・ストリート駅近くのビショップスゲート店。アーティストによるモザイク画や、ロンドン・カレッジの学生によるアート作品が飾られた店内はカジュアルだけれどおしゃれで、カップルに友人同士、家族連れと、幅広い年齢層で席が埋まっています。
フランコ・マンカは2008年の創業で、飲食店としてはすでにけっこうな歴史がありますが、1号店となったブリクストンの店はなんと、1986年から続いていた老舗店「フランコ」を引き継いだもの!
フランコさんの友人だったナポリ出身のジョゼッペさんが、イタリア語で「フランコが消えちゃった」と名づけたこの店は、2023年9月現在、スコットランドを含めたイギリス全土、70ヵ所にまで広がりました。
団体客以外は予約を受け付けないというフランコ・マンカ。開店当初は行列が絶えず、入るだけでひと苦労だったようですが、夜7時という書き入れ時でも平日だったせいか、すんなり希望のテラス席まで案内してもらえました。
こんなにぎやかな界隈のロンドンで、お高いんだろうなぁ、とメニューを見たら、予想以上に良心価格で驚きました。フワフワのブラッタ・チーズやトリュフベースのペストソースに惹かれて「Wild mushrooms, burrata, truffle pesto base, mozzarella & fresh basil(£11.25)」などのピザをそれぞれ頼みましたが、驚いたのはそのサラダ。
ロースト野菜やアーティチョークのグリル、ヤギチーズにくるみ、それにスタンダードなハウス・ドレッシングがかかったもので、それぞれ異なる食感がおいしく、ひとりで食べても最後まで飽きずに食べ切れそうです。メイン代わりになるだけあって、ボリュームも抜群。
もちろん、肝心のピザがおいしかったのは言うまでもありません! フランコ・マンカのウリは、モチモチのサワードウです。 イギリス国産の有機栽培小麦を使い、各店舗で毎日、18世紀からのサワー種を24時間発酵させて作られるというこの生地。
焼き上がりの不揃いな形がいかにも1点ものらしく、ふんわり軽いのでペロリと平らげられそうですが、キッズメニューではないので、子供にひとり1枚は大き過ぎました。
特に海外では、いまだにひと皿の分量がよくわからないことも多いので、同店のように持ち帰りに対応してくれるととても助かります。
今月は毎年恒例の、ピザレシピを一般公募する大会「サワードウ・セプテンバー(9月)」が開催されます。参加方法は、公式ウェブサイトから最高7種類のトッピングを、選んだ理由とともに記入するだけ!
6人の決勝進出者に選ばれると、来月10月3日にロンドンで行われる決勝戦に招待され、見事優勝した暁には、考案したピザが全店の特別メニューとして採用されるそうです。詳細は以下のウェブサイト、トップページからご確認ください。応募して、ロンドンに行ってみる?