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実りの秋、北海道で楽しむ大収穫祭、十勝・浦幌町「うらほろふるさとのみのり祭り」

市之宮 直子

市之宮 直子

北海道特派員

更新日
2023年10月12日
公開日
2023年10月12日
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北海道では、毎年9月から11月初旬くらいにかけては、毎週末、どこかで必ず"秋まつり"(収穫祭)が開催されます。"食の宝庫、北海道"の実りの秋のイベント、"収穫祭”なかで、今回は十勝エリアの"浦幌町"で毎年開催される「うらほろふるさとのみのり祭り」をご紹介します。

海と森に囲まれた町、十勝エリアの浦幌町

町の鳥"アオサギ"をモチーフにした浦幌町のマスコットキャラクター「うらは(右)とほろま(左)」/MascotcharacterofUrahoroTown"Horoma”and"Uraha"

浦幌町は、釧路エリアに隣接する十勝エリアの一番東にある町で、森林が多く緑豊かなほか、太平洋にも面しており、山の幸、海の幸ともに恵まれた自然が多い豊かな環境が魅力です。

以前、釧路エリアに住んでいたときは、車を運転していて浦幌町に入ると気候がガラリと変わり、大抵は気温がぐっと高くなるので、浦幌町を訪れると十勝エリアに入ったことを実感したものです。

各方面から浦幌町へ車でアクセスすると、周囲は畑や森林の合間を走るのでと気づきにくいのですが、太平洋にも面しており、サーファーにはよく知られたポイントもあります。

そして「ふるさとのみのり祭り」会場の「うらほろ森林公園」は、オートキャンプ場や珍しい野鳥も見られるふれあい自然の森、パークゴルフ場などがある広大な公園で、「ふるさとのみのり祭り」は公園内の林間広場が会場です。

それでは、そんな海と山がある浦幌町のわくわくする大収穫祭「うらほろふるさとのみのり祭り」をご紹介します。

2023年「第48回うらほろふるさとのみのり祭り」開催

会場のうらほろ森林公園/UrahoroShinrinPark

「うらほろふるさとのみのり祭り」の会場は、JR浦幌駅から徒歩13分ほどでアクセスできる"うらほろ森林公園"。
会場には浦幌町役場発の臨時バス(無料)が運行しています。
会場周辺には臨時も併せて駐車場がいくつもありますが、お昼前にはほぼ満車になるほど盛況ぶり。

会場の林間広場に着くと、思っていたよりも広い敷地に想像以上の多くのフードスタンドが並び、中央に見える櫓(やぐら)が小さく見えるほど広いスペースにすでに多くの人が集まっていました。

駐車場から数分歩いて会場内に到着したのは11時過ぎ。
ちょうど「みのりまき」と呼ばれる餅まきの最中で、子どもから大人まで、櫓から撒かれ、飛んでくる餅をつかみ取る歓声が聴こえてきました。

町民の方々をはじめ毎年楽しみに参加している人は、キャンプ用チェアやテーブル、レジャーシートを持ち込んで、会場内の思い思いの場所に陣取り、フードスタンドで購入したフードやドリンクを味わいながら、野外ステージで開催しているステージショーを楽しんでいます。

“実りの秋”ならではの特産品をゲット

GreensoybeansfromUrahoroTownatthefarmer'smarketoftheHarvestFestivalinUrahoroTown

秋まつりの醍醐味は、やはり"大収穫祭"ならではの特産品ショッピング。
特に札幌などから訪れると、野菜の鮮度に驚くことはもちろん、"枝付き枝豆"などの普段の生活圏内ではなかなか見られないスタイルの農産品を購入できるのも楽しみです。

例えば、収穫したばかりの枝付き枝豆を購入できたときは、少し手間はかかりますが、枝から切り離した枝豆を茹でたりフライパンで蒸し焼きにしたり、いつもとは鮮度が違うおいしさを楽しめるので、貴重なチャンスです。

Potato"IrishCobbler"thatisoneofthelocalproducts

農業や酪農が盛んな浦幌町では、北海道の特産品ともいえるジャガイモの栽培も盛んです。
ジャガイモだけで何種類もの品種を栽培しています。

写真は昔ながらの"男爵"ですが、レッドムーンや北あかりなどを"袋に詰め放題"スタイルで販売していました。
早速ジャガイモ詰め放題にトライ。
「これくらいかな」と袋一杯にじゃがいもを詰めると、生産者の方が「もうちょっと入るよ」とおまけを追加してくれました。
北海道でしばしば遭遇するお得感満載の収穫祭のひとコマです。

また、栽培する野菜のプチ情報(よりおいしく食べるレシピや栽培秘話など)を聞けるのも農家の方が参加している収穫祭ならではの楽しみです。

太平洋に面している浦幌町なので、海の幸も販売していました。
近海でとれる魚やタラコや花咲ガニ、マニアック(?)なところでは、"山漬け糠にしん"までありました。
旅の途中では、生鮮魚介の購入は難しいかもしれませんが、どのような魚介が並んでいるのか見るのも楽しいので、ぜひチェックしてみてください。
なかには宿泊先で楽しみたいお好みの海産珍味も見つかるかもしれません。

この日限りのオリジナルフードも!浦幌町グルメを楽しむ

HamburgerwithJingisukan

農産物・海産物の販売ブースをひと通り見てショッピングをし、いよいよ楽しみにしていたフードスタンド巡りへ。
写真は「うらジンバーガー」(500円)。

浦幌のジンギスカンとレタス・もやしなどが入ったジンギスカンのバーガーで、バンズとジンギスカン、意外にも(?)初めて体験した組み合わせでしたが、とてもおいしく、ペロリといただきました。

こちらのバーガーは、浦幌町の中学生が参加する「中学生版浦幌部」(参考:うらほろスタイル)のみなさんが考案したバーガーだそう。
会場でも中学生版浦幌部のみなさんが一生懸命バーガーを作ってくれました。

ToastedsandwitchwithTokachiWagyuhamburgsteak

こちらは「十勝牛100%ハンバーグホットサンド」(500円)。
手軽に食べられて、十勝牛100%ハンバーグが入っているというプチ贅沢。
酪農が盛んな浦幌町ならではのホットサンドです。
もちろん、旨味たっぷり、満足感があるおいしさ。

"Pastaepatate"fromUrahoroTown

そしてこちらは「じゃがいものパスタ(パスタ・エ・パタータ)」(500円)。
イタリア・ナポリの郷土料理だそうで、浦幌町の特産品のひとつでもあるジャガイモをたっぷり使った浦幌町ならではのメニューです。
老若男女を問わず「おいしい!」という言葉がこぼれる味。

「十勝牛100&ハンバーグホットサンド」「じゃがいものパスタ」とも、浦幌町の若手農家の方々が立ち上げた食品加工会社「株式会社FF工房」が出店しているフードだそう。

作物をよく知る若手生産者の方々によるメニューは、どちらも十勝の食材の味が生きていていました。

Craftbeer”HamanasHarmony"brewedbyRIKKA

「お祭りといえば、ビール」という気分についなってしまうのですが、生まれたてのクラフトビールにも遭遇しました。
「ハマナスハーモニー」(1,000円/通常価格は1,200円)。
"浦幌町の花"はハマナスは実際に浦幌町内で咲いているハマナスの花びらを使ったクラフトビールだそう。

「ハマナスハーモニー」を醸造しているのは、原料の大麦の栽培も手掛けるRIKKA合同会社。
現地原料100%のオーガニック・クラフトビールをめざしているブルワリーで、近く浦幌町内にブルワリーをオープンする予定だそうです。

「ハマナスハーモニー」は、バラ科のハマナスらしい、甘い香りを感じつつ、スッキリした味わいのビールです。
爽やかな秋晴れにぴったりのクラフトビールでした。

収穫祭をはじめ地元伝統のお祭りでは、この日限りのメニューを含め、思いがけないローカルグルメを楽しめるところも魅力です。

見ているだけで楽しい「秋あじのつかみ取り」

HandgrabbingsalmonattheHarvestFestivalinUrahoroTown

午前中、会場の一角に長蛇の列ができていました。
なんの行列かと思っていると、会場内にアナウンスが響きました。
どうやら14時15分から始める「秋あじのつかみ取り」の参加者受付の列のようです。
北海道では、秋サケを"秋あじ"と呼びます。

中学生以上であれば、だれでも参加できるそうで、店員は男女各60名。
午前中には、シンボルモニュメントの噴水がある水場に秋サケが放たれ、元気よく泳いでいました。

つかみ取りが開始になる14時頃には、水場の周りにギャラリーが幾重にも並んでいました。
男女それぞれ10名ずつが水場に入り、決められた時間内に秋サケをつかんで水場から上がることができれば、そのサケを無料で持ち帰ることができます。

Handgrabbingsalmon

はだしになり、軍手をはめて準備を整えた参加者は、水場に入ってスタンバイ。
合図とともに一斉に秋アジを追い始めました。
見ているだけで迫力が伝わってくるので、ギャラリーの応援も自然と力が入ります。

12組もの"つかみ取り"の様子を見ていると、わずかにコツが見えてきた気がします。
どうやら最初の数秒で決着をつけられるかのように見えます。
年齢にはまったく関係なく、コツをつかんでいる人は、あっという間に秋アジをモノにしていました。

ちなみに、参加者のみなさんは、水場に入るための短パン・Tシャツ姿で準備をしてきた人、思いがけず(?)参加を決めたのか、ワイドロングパンツでもたくし上げずにそのまま裾を濡らしながら勇敢に秋アジを追いかける人など、さまざま。

気温も高かったので、水しぶきを上げてサケを追う参加者は、とても気持ちよさそうでした。
午前中の受付で定員内に入れば、誰でも無料で参加できる「秋あじのつかみ取り」は、北海道らしい、とはいえ、どの秋まつりでもみられるわけではない貴重な行事を目撃できました。

フィナーレは五穀豊穣を祝う恒例行事「みのりまき」

RicecakethrowingattheendoftheHarvestFetivalinUrahoroTown

「うらほろふるさとのみのり祭り」は、五穀豊穣を祝う収穫祭で、"みのりまき"と呼ばれる餅まきをおこない、11時10分からと15時からの2回も実施。

使用するもち米は、なんと360kgだそう!
2回分合わせて3万個の紅白の餅をまきます。

周囲は"みのりまき"を毎年楽しみに参加されるという方ばかりで、ここぞと思う場所に陣取り、"みのりまき"のスタートを今か今かと待っています。
飛んできた餅を入れる袋を用意して待つ人も。

Redandwhitericecakes

"みのりまき"が始まると、小さな袋に入った餅がどんどん櫓から飛んできます。
1回の"みのりまき"で1万5千個が飛んでくるので、とにかく雨あられのように降ってきます。
櫓から離れすぎなければ、かなりの確率でゲットできそうです。

ちょうど頭上に降ってきたにもかかわらず、顔に当たってどこかへ飛んで行ってしまった餅も少なくありませんでしたが、最終的にはなんとかお餅を持ち帰ることができました。
とてもおいしいお餅でした。

Theluckyricecake

「うらほろふるさとのみのり祭り」では、ドリンクやフードを購入してスタンプを集めると、浦幌町の特産品などが当たる抽選ができる"スタンプラリー"を実施しています。
そして、"みのりまき"でも"当たり券"入りがあるそうで、午前中のみのりまきでゲットしたという町民の方に当たりのお餅を見せてもらいました。

"みのりまき"は、見ているだけでも盛り上がりが伝わってきますが、実際にやってみると想像以上に楽しく、"あたり券"を手にしてさらに盛り上がり、フィナーレにぴったりの祭りの〆でした。

浦幌町・2023年9月下旬の紅葉/AutumnleavesinUrahoroTownattheendofSeptember2023

農産物や海産物、地元ならではのフードやドリンクなど収穫祭の活気に加え、郷土芸能や歌謡ステージ、秋あじつかみ取りや"みのりまき"と、盛りだくさんの内容の「うらほろふるさとのみのり祭り」。
これまで道東エリアを中心に巡ったことがある収穫祭の中では、より印象深く盛況な収穫祭に感じました。

次回の「うらほろふるさとのみのり祭り」は、2024年9月の第4日曜日に開催予定で、2023年の浦幌町で収穫祭は終了しましたが、この時期、週末の北海道をドライブ旅行などで巡る際は、ぜひ各地で開催される収穫祭もチェックしてみてください。
思いがけない作物やローカルグルメ、そして体験に出会えると思います。

「うらほろふるさとのみのり祭り」のデータ

名称
うらほろふるさとのみのり祭り
会場
うらほろ森林公園
例年の開催日
毎年9月第4日曜
開催時間
10:00~15:20(2023年開催実績)
会場へのアクセス
車でJR「帯広駅」より約55分JR「浦幌駅」より徒歩13分
URL(浦幌町)
https://www.urahoro.jp/
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