キーワードで検索
ハーグ中央駅から中心部へ向かって歩き、見慣れたブランドのアパレル店やメガネ店などが広がる繁華街で、レゴなどオランダでなくとも入手できるものを買ったりしながら付近をウロついていると、突然それまでとは雰囲気が一変した商店街が現れました。
19世紀に欧米の各都市で流行したショッピング・アーケードのひとつ、ハーグの「パサージュ(De Passage)」は、もともとパリから特別に仕入れた高級品を並べる商店街でした。
高い天井とガラス屋根から降り注ぐ太陽光でキラキラ輝いた一帯は、オランダで現存する最古のアーケード様式の商店街です。当時の優雅な雰囲気がいまも残っている気がします。
特に旧パサージュのあとに作られた新パサージュには、キッチン用具店の「DOK」やオシャレなパッケージの紅茶やコーヒー、チョコレートなどのお菓子が売られた「Simon Lévelt」といった、見知らぬ地場ブランドが多く、周囲の繁華街とは一線を画し高級感があります。
本屋さんもオシャレでそこでもまた、イギリスより高い値段の『ハリー・ポッター』の本を子供におねだりされ、わざわざ買う羽目に……。そのあとは、すぐ近くにあったアートギャラリーに入ってみました。
ギャラリーだなんて敷居が高くて尻込みしてしまいそうですが「(Carré d'artistes)」に並べられている絵はどれもビニール包装されており、値段が手頃なのでホッとしました。
顔写真つきのパネルで画家ごとに整理されているので見やすく、お気に入りの作品を見つけたので小ぶりのものを購入しました。2001年創業の同ギャラリーは「気軽に入れて、かつアーティストの生計を援助する」ということを目的に創設され、ここハーグだけでなく、パリやアムステルダムなどヨーロッパを中心に40ヵ所で展開しています。
アーティストの国籍はさまざまで、オランダの風景画ももちろんありましたが、今回購入したのはフランス人のもの。旅先とは関係ない地域の絵を買うことは普段しませんが、それでも買ってしまうほど気に入ってしまいました。
「フランスの光景なはずだけど、どう思うかは見る人によるからいいの。私ならギリシャを思い浮かべるわ」とは、担当してくれたスタッフの言葉。額をつけても手頃なのは、まさにこのギャラリーのコンセプトどおりですね。日本への発送サービスもあります。
立派な中華街があることに驚いたハーグですが、日本食屋もありなかなか多国籍な料理店が揃っています。
ヨーロッパ旅行中、1度は恋しくなるアジア料理。実はハーグに着いて早々、1軒目に見つけた台湾料理店「(T & C)」でさっそくランチをとっていました。
日本人の考えることは同じなようで? 隣の席には日本人客がいました。定番のタピオカミルクティー(€4.5)と、揚げ手羽先ラーメン(€14.5)というのが珍しかったので頼むと、なんと麺と揚げ鶏が別皿で出てきたので驚きました。
そうきたか……“ラーメン餃子”のように、鶏はオカズとして食べるんですね。でも、そうするとラーメン自体には具がなにもない……想定外で少し驚きましたが、おいしかったです。
モダンな内装で、アジア料理店らしくない家族経営のT & C。Cはカフェの意味なのでドリンクが充実しており、週末のみデザート類の提供もあります。最近新たにオープンしたロッテルダム店もオシャレな雰囲気です。
ハーグといえばフェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』を見に、マウリッツハイス美術館を訪れるのが定番ですが、せっかくパサージュの近くにあったというのに、行きそびれてしまいました。
残念ですが、それでもレトロな路面電車やユニークなオブジェ、壁に描かれたカラフルなグラフィティなど、ハーグの町ではアートに触れる機会が多かったです。