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こんにちは。アントワープ特派員のマユミです。ポルトガル中部の歴史的で、中世の雰囲気を色濃く残す神秘的な村、ピオダォンを紹介します。
ピオダォンは、Beira地区の内陸部、景観保護区アソール山脈の谷間にひっそりたたずんでいます。マッチ箱を並べたような家並みが、山の傾斜に寄り添うように立つ風景は、他に類を見ません。
その独特な景観の秘密は、この地方で産出されるSchistという片岩にあります。家や、道、水路など、あらゆるものが片岩によって形成されています。不規則な形の片岩を厳しい傾斜に合わせて成形することは容易ではないはずですが、急斜面を保護し、景観を守ることににも繋がる人々の知恵として残っています。
この片岩が織りなす景観に、アクセントになっているのが、青い窓やドアです。当時、この村のお店には青色の絵の具だけしかなかったことに由縁します。人里離れたこの村で物資の入手が難しかったことがうかがえます。
ピオダォンは中世の特徴が強いにも関わらず、記録が残っているのは国勢調査のあった1527年以降で、当時の住民は2人だけだったそうです。
また、人里離れたこの村は逃亡者が身をひそめるのに最適な場所だったとも言われ、例えば、イネス・デ・カストロの殺害者の一人、ディオゴ・ロペス・パチェコがここに定住していたそうです。ロペスとパチェコという名前は今もピオダォンに残っています。
このような名前の組織があります。
ピオダォンは、ポルトガル中部Beira地区の内陸部12の歴史的な村に指定されています。
これを知ると他も制覇したくなります。石の家で有名なMONSANTOもそのひとつです。
村のふもとにはピオダォン川が流れています。
澄んだ水質には定評があり、夏にはビーチがにぎわいます。
また、ビーチの外側まで歩いてみると、そこから村を見上げる景色も素敵です。
他に、ハイキングが好きな方や、小道好きの方にもおすすめ。この風光明媚さは、他では体験できません。
村の中で数少ない、大きくて白い建物が教区教会です。村のシンボルで中心にあります。
17世紀に建設され、19世紀に初頭に地元住民により改築されました。
ポルトガルの他の地区でもあまり見ない、珍しい形状をしています。
開館時間が定かでないのですが、開いていたら、ぜひ見学させてもらいましょう。
やはり独特な雰囲気を持っています。
ピオダォンはとても小さな村で、見どころがたくさんあるわけではありませんが、1泊するのもおすすめです。古き良きポルトガルの雰囲気、ゴージャスではないけれど、丁寧で上質なしつらいのお好きな方へおすすめの宿、Casa da Padariaを紹介します。
女性オーナーのセンスが良く、室内は伝統的なポルトガルの雰囲気が味わえます。ベットセットやカーテンなどの上質なコットンや刺繍にうっとり。
また、シンプルながら、ポルトガルらしい朝ごはんがついています。”Padaria”はパン屋の意味のポルトガル語です。オーナー手作りの、おいしいパンやケーキ、ジャム類、そして山のチーズやハムも味わえます。テーブルクロスやナプキンも素敵で、ダイニングルームには、アンティークの器や家具が色々とあって魅力的でした。
ピオダォン村の内部は車の通行はできないので、荷物は小さめにして出かけましょう。車の場合は、近距離ですが村の駐車場に車を停めてから移動することになります。