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環境省選定(昭和60年)の「名水百選」に認定された清水湧水(きよみずゆうすい)がある福岡県うきは市に、古民家を改装したオシャレなそば屋「きふね」があります。
平成27年度のうきは市による調査時点で、井戸水を利用する家庭は7割以上と、地下水をそのまま飲めてしまうほどきれいな同市の水。
「簡易水道」や「専用水道」といった施設が公営住宅など一部でありますが、上水道は2023年現在でも未整備です。そのため、なんと上水道代はかかりません!
きふねでは「水がうきは市で働く決め手」のひとつとなったという、料理長の熊本さんによる手打ちの10割そばを中心とした食事を提供しています。
以前は福岡の別の場所で20年ほど営んでいたという店主の鍋島さん。うきは市に移って“泊まれるそば屋”として新たに開店した「きふね」は築150年の古民家を再生したものです。
ただ、中に入るともともとあった太い梁を生かしながらも内装はコンクリ打ちっぱなしのようなグレーを基調としており、とてもモダン。
料理もランチは前菜がついたセットメニューで、予想どおりのオシャレ具合です。天ぷらつきなど5種類あり、かまど炊きご飯のおにぎりがついた子供用もあるのが助かります。
頼んだもっともシンプルな「蕎麦ランチ(税込1550円)」には、持ち帰り購入もできるフルーツビネガーが食前酢としてついており、前菜にはもうひとつの看板料理、鴨のあぶり肉やサラダ、カブの冷製ポタージュが出されます。
メインのそばは、なんでも茹ですぎるイギリス料理を普段食べなければならない身にとってはなおさらありがたい、抜群の茹で具合とコシで、10割そば粉ならではの滋味深い味わいです。
温かいかけそば、冷たい盛りそばともに、ツユはカツオ節をたっぷり削った出汁に秘伝の「かえし」とみりんを混ぜた、こだわりの逸品です。
店には6名まで宿泊可能な部屋がついており、利用は1日1組限定、母屋丸ごとの貸し切りとなります。屋外にはブランコや滑り台の遊具、グランピング施設もあるのでアウトドアでも楽しめます。
「帰りに寄ってみてください」と言われた、きふねの隣にある敷地内のパン屋「そらいろ」も店頭に薪が積まれていたりと、趣のある古民家が利用されています。
7種類ほどあったパンのなかには、聞いたとおりそば粉とそば茶を練り込んだ「きふねの蕎麦パン(400円)」が! 塩バターパン、もちもちのクランベリーとくるみのベーグルなど、どれも粉の味を感じてとてもおいしかったです。
食後はきふねから徒歩で5分ほどの「道の駅うきは(関連記事)」まで足を伸ばして、同地の特産品などを買うのもおすすめです。