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世界遺産 ギア灯台 年に一度の内部見学

マカオナビ

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マカオ特派員

更新日
2024年6月14日
公開日
2024年6月14日
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1865年に造られたマカオ ギア灯台。2005年にユネスコの登録遺産となり、マカオを代表する30ヵ所ある世界文化遺産のひとつとなった。そのギア灯台には年に一度、灯台の内部が開放される日がある。今年は6/8、9日がその日となり、内部の見学をしてきました。この開放日は毎年決まっているわけではなく、おおよそ5月から7月の間に2日間だけ開放される。その年の開放日はマカオ旅遊局のホームページでの確認となるが、現在マカオ旅遊局は日本向けへの情報のアップデートを急いでいるとのこと。

要塞の中に建てられた灯台

ギア灯台は、ギアヒル(中国名:東望洋山)の先端に建造されている。
1865年竣工。
日本では慶応元・元治2年。
幕末の大混乱期で、四カ国の連合艦隊が薩摩を攻撃し、近代日本へと続く生みの苦しみを味わっている真っただ中。
そこからさらに遡ること243年前の1622年。
ギア灯台が建造されたこの地に要塞が作られた。
ギア要塞と名づけられた海岸の真上にそびえ立つ小高い山の上の要塞は、その以前から続くオランダからの攻撃に対する防御のため、ここに防衛の砦を築いた。
同じ年の日本。
長崎でキリシタン刑死事件が発生。
長崎と大村の両牢獄に囚禁されていた宣教師21名と,その宿主等のキリシタン34名が火炙りの刑・斬首刑に処されるという痛ましい歴史の史実が記録されている。 そのなかにはイエズス会の会計係、スピノラ等の有力者がいたため、大きな痛手となった。この史実は作家・遠藤周作が小説「沈黙」として書き綴り、その後1971年と2016年、「沈黙 – silence -」というタイトルで2度にわたり映画化されている。
マカオの〜と言うより、ポルトガルの大航海時代の終焉と終着点を示すかのような場所とタイミングで、ギア灯台は建造されたといっても過言ではない。

沈黙 – サイレンス – 予告 KADOKAWA公式チャンネルより

ギア灯台へのアクセス

ギア灯台へのアクセスは3つのルートがある。
いちばん分かりやすいのは水坑尾(グランドリスボアホテル裏手)からギアホテル(東望洋酒店)を目指し、その脇道から松山公園の看板から入っていくルート。
グランプリコースの一部を歩き、T7のコーナー(コーナー名:マタニティベント)の場所。ここには常設でおなじみの黄色/黒のガードレールが設置されている。
もうひとつはバス停【二龍喉公園(バス停No.M61/1,M61/2)、バスルートNo.2,2A,6A,12,17,18,18A,18B,19,22,23,25,25B,32,56,H2】で下車。
そのまま二龍喉公園へ進むか、その脇にあるロープウェイで登る(6月現在はメンテナンスで運休中/片道2MOP、往復3MOP)。

ギア教会は通年で見学可能

ギア灯台とギア教会

ギア灯台の隣、ギア教会。1637年に二代目の教会として建造されたこの教会は、通年で内部の見学が可能。
撮影は禁止だが特筆すべきはこの教会内部の壁画。1996年、修復中に発見されそのまま保存へと切り替えた。
こちらへもぜひ訪ねて行ってほしい。

この世界遺産の要塞から灯台〜教会。
高台にあるため、マカオ市街を一望出できるがそうしたありたりの観光ではなく、ぜひその史実に刻まれた歴史の息吹に触れてほしいと思う場所である。

灯台の内部はこちらの動画に収録されております。

写真・動画 media21agent ltd.

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