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スコットランドはイギリスの北側に位置する自然が美しい国です。その緯度は北緯54度~61度です。北極圏が66度ですから、地球のかなり北側にある寒い国だということがわかります。ちなみにスコットランドと気候が似ているといわれる北海道は北緯45度です。やはり北海道と比べても、さらにに寒い国だといえますね。
そんな北極圏に近いスコットランドにも日本と同じように「四季」はありますが、季節としてはざっくり大きくふたつに分けられると思います。
3月後半~10月後半が夏季
10月後半から3月後半が冬季
スコットランド(イギリス)では日照時間が長くなってくる3月後半に時間を1時間後ろにずらし(つまり今まで朝7時だったのが朝6時になる。)、さらに日照時間を長くとります。この時期は「夏時間」と呼ばれ、気候がいいこの時期に農業などの外での作業時間を長くとるために行われています。
今度は日照時間が短くなってくる10月後半に時間を1時間進む方向にずらし(つまり今まで朝7時だったのが朝8時になる。)、ここで帳尻を合わせて、ここからが冬時間ということになります。
この「夏時間」「冬時間」の導入によってイギリスの夏は明るい時間が長くなり、人々は夏の時間を思い切り楽しみます。
スコットランドはイギリスよりももっと北極圏に近いので、日照時間はさらに長くなります。6月の夏至の辺りは、夜11時頃にようやく日が暮れ、朝4時頃には夜が明け始めます。(逆に冬時間の間は明るい時間が極端に短い。)
スコットランドの夏は活動できる時間が長く、気候もカラッと涼しく過ごしやすいため、この時期に世界中から観光客が訪れます。加えて農業の収穫時期に他国から労働者がやってくることもあり、この夏の時期は人も経済も活気づく季節になります。
スコットランドの夏は日照時間がとにかく長く、気温は20度前後で湿度も低くカラッとしています。天気は変わりやすく、太陽が雲に隠れると気温が一気に下がるので、夏場でも防水のジャケットは欠かせません。
この時期の楽しみ方としては、やはりアウトドアスポーツがいちばんです。ゴルフやテニスはもちろんのこと、山、森、海、川などの自然が豊富なので多くの人々がウオーキング(山、森、海岸、町など)やサイクリング、ウオータースポーツ(カヤック、パドルボート、サーフィンやセーリング)を楽しむためにスコットランドを訪れます。
おもしいものとしては、ムンローバギング(Munro Bagging)があります。
ムンローというのはおよそ1000m級の山のことをいいます。スコットランドには高い山はない(いちばん高い山はベン・ネビスで1344m)のですが、1000m級の山は282あるそうです。これらムンローを短時間にどれだけ制覇できるか、という記録を競います。ちなみに最高記録は2023年6月にアメリカ人のジェイミー・アーロンがチャリティーとして達成した31日10時間27分だそうです。
それ以外にも洞窟探検や崖のぼりなど、本格的なチャレンジをする人も多いのですが、一方で家族連れでキャンプをしたり、老夫婦や友人たちと海岸沿いのウオーキングなど、それぞれの方法でスコットランドの夏を楽しんでいます。
ちなみに私は夏の日が長い期間、17時に仕事が終わった後にゴルフを9ホール楽しむのが日課になっています。
仕事のストレスを緑いっぱいのゴルフコースを歩いて発散し、帰りにパブでビール、という贅沢な時間を過ごしています。
スコットランドの魅力はなんといっても大きな自然です。人々を拒絶するような厳しい冬と違って、夏はその自然を体験し、思い切り楽しむことができます。
何もかもが閉じられ、止まってしまう冬が来る前に、全力全身で短くて美しい夏を謳歌する。限られたものだからこそスコットランドの夏はさらに特別で、美しいのかもしれません。
皆さんも機会があればスコットランドの美しい夏を楽しみに、訪れてみませんか?