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マルセイユ石鹸の製造は、14世紀末にマルセイユ周辺で始められました。
以来700年近く続くマルセイユを代表する産業です。
第一次世界大戦までは生産量は増加し続けました。
さまざまな歴史を経て、増減しつつも、第二次世界大戦の頃にはフランス全土の生産量の半分を担っていたそうです。
マルセイユ石鹸の原型となったのはシリアのアレッポ石鹸とされていて、角形の緑色の石鹸が当初からのものになります。
「王家の石鹸」とも呼ばれ、ルイ14世治下のフランス王家にも愛用されました。
時の宰相コルベールによって「Savon de Marseille」の呼称とともに、成分や作り方が明確に定められたのです。
本物のマルセイユ石鹸は、着色料、香料、合成補助剤を使用せずに植物性脂肪から作られています。72%のオイルが含まれているため、アレルギーのリスクが最小限に抑えられ、幼児を含むすべての肌タイプに使用できます。
2016年に完成した小さな博物館で、文化的な香りのするクールジュリアン地区の一角にあります。
世界中から評価を受ける、高品質はマルセイユ石鹸のメーカー「La Savonnerie de la Licorne」が運営しています。
展示室には、今では貴重な石鹸の製造道具や関連品、当時の製造過程を模した展示を見ることができます。
石鹸がどのように作られてきたか、使われてきたかを学べます。
レトロな展示物を眺めていると、当時の生活の様子がよみがえるようです。
写真掲載の許可はマルセイユ石鹸博物館から事前に得ています。
マルセイユ石鹸博物館の入場料は2種あります。
2.5€コース→博物館の見学と100gの石鹸のプレゼント
5.5€コース→博物館の見学と製造ワークショップ、オリジナルの石鹸を作り持ち帰れます。
どちらも手頃なお値段ですが、私は5.5€コースを選び、ワークショップを体験しました。
マルセイユ石鹸やその製造工程の説明、実際の機械を使っての切出しなどが見られます。
その後、工房に用意されているさまざまなスタンプから好みのものを選んで、押して、オリジナル石鹸の完成です。
博物館の隣にはLa Savonnerie de la Licorne社の各種石鹸と関連グッツがたくさん揃ったショップがあります。
2階には、港町マルセイユを思わせるグッツも豊富です。