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「果物の王様」とも呼ばれるドリアン(Durian)。しかしその独特な匂いから苦手な人も多いが、一度ハマると病みつきになるほど賛否が分かれる果物として知られています。
※筆者はマレーシア在住9年目ですが、ドリアンが好きになったのは5年目を過ぎてからでした。
近年、ドリアンは1年中出回ってはいますがピークは6〜8月。
この時期は新鮮で旬のドリアンを味わうことができ、クアラルンプール市内や近郊でも常設店に加え、臨時の屋台が出店しています。
クアラルンプール近郊でドリアンの産地といえばゲンティン・ハイランド(Genting Highlands)から尾根続きでもあるラウム(Raub)やベントン(Bentong)周辺がよく知られています。
そのゲンティン・ハイランド(Genting Highlands)にあるリゾートワールドゲンティン(Resort World Genting)では地場ものだけではなくマレーシア全土から集まったドリアン・フェスティバル(Durian Festival)2024が開催されています。
ドリアンは屋内では食べることを禁止しているホテルや施設が多く、このフェスティバルも屋外で開かれていました。ドリアンのポップアップショップは全7店舗。
食べられるドリアンは入荷や収穫状況によって異なりますが、約12種類ほど。
ムサン・キング(Musang King/猫山王)、ブラック・ソン(Black Thorn)、エックスオー(XO)、レッド・プローン(Red Prawn)などドリアンの定番どころが揃っていました。
ゲンティン・ハイランド(Genting Highlands)のこの日の気温は20度。
ドリアンは通常はエアコンのない屋外で食べることが多く、また食べると体が温まるのか暑くなります。
そのため暑さで思ったよりも食べられないこともあります。
マレーシアとは思えない涼しいなかで食べるドリアンに期待が高まります。
7店舗にはそれぞれ特徴がありますが、提供しているドリアンは若干異なります。
また同じ品種でも味が違うのがドリアンの特徴でもあります。
こちらはお寿司の提供方法としてマレーシアでも人気のあるオマカセ(Omakase)というスタイル。
RM188(約6324円)で食べ放題でした。
お寿司のようにパックされたなかには4種類のドリアンがすぐに剥かれた状態で入っています。
種類によって色や味、食感が異なるのもドリアンの醍醐味です。
このオマカセパックも品種によって色が異なっているのがわかりますね。
お店の人に聞いたところ(写真左から)バターキング(Butter King)、エックスオー(XO)、ブラック・ソン(Black Thorn)、ムサン・キング(Musang King/猫山王)とのことでした。
ムサン・キング(Musang King/猫山王)はバランスがとれた王者の味で、エックスオー(XO)はよくプランデーのようと形容されますが熟成したような香り。ブラック・ソン(Black Thorn)といえば高価なことで知られる品種です。こちらは上品なクリーム感とややあっさりとした食感が楽しめました。
バターキング(Butter King)という品種はこの日初めて知りました。食べてみるとその名のとおりクリーミーでバターの名を冠してあるのも納得。ほかの品種と比べると食感が際立っているせいか匂い控え目のような印象でした。
ドリアンの価格は品質や種類にもよりますが、クアラルンプール周辺では1kgあたりRM30〜100(約1009〜3364円)ほどとなっています。ただし表皮が厚く種も大きいため可食部分は全体の30%ほどしかありません。
すでにドリアンが大好きで特にこだわりがなく旬の高級品種を思いっきり食べたいという場合にはオマカセはおすすめです。
近隣のドリアン産地ラウム(Raub)産のムサン・キング(Musang King/猫山王)やブラック・ソン(Black Thorn)のほか、テッカ(Tracka/竹脚)という珍しい種類のドリアンがありました。
ドリアンのうま味ともいえるほんのりとした苦味よりもテッカ(Tracka/竹脚)は甘さが際立つのが特徴。
意外と出ていない品種なので見つけたら必食です。ビターな味わいもいいですが、このトロッとした食感と甘さはほかにはない味です。
この日はムサン・キング(Musang King/猫山王)のオリジナルともいわれる非常に珍しいラジャ・クニット(Raja Kunyit)という品種もあったので食べてみました。RM88(約2976円)/kgです。
濃い黄色の実から、ウコンの王ともいわれることもあるそうです。
ドリアンはさまざまな種類があるので初めての場合、どの品種を食べたらよいか迷うかもしれません。そこで個人的にオススメなのはムサン・キング(Musang King/猫山王)です。こちらはどこのドリアン店にもあると言っても過言ではないかもしれません。
高級品種といわれていてクセのない標準的なおいしさがあります。
新鮮なドリアンは本当に濃厚なコクの中に苦味、甘味があります。匂いでひいてしまいがちな果物ですが、マレーシアを訪れたらぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
※ドリアンの種類、価格は時価です。また日によって一部入荷する品種が異なります。詳細はお店で確認をお願いいたします。
(撮影by逗子マリナ)
※各店舗に撮影許可をいただいています。
※写真の無断転載禁止