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カンクンと言えば、カリブ海の美しいビーチ、ホテルゾーンに立ち並ぶ豪華な高級ホテル、そして歴史ある遺跡が有名ですが、さらにここ数年で観光客が訪れる新たなスポットとして一躍脚光を浴びているのが
エコフレンドリーな教会「María Desatadora De Nudos」(結び目をほどくマリア)があります。
今回は、この魅力あふれる教会についてご紹介します。
私の趣味として「コロニアル調の街の教会を訪れること」を挙げていますが、この教会が私を惹きつけた理由に
1-自然との調和
2-「María Desatadora De Nudos」という聖母へ捧げられている
3-ミュージアムのような体験ができる
という特徴が、今まで見てきた教会とはまた違う新たな視点で私を含め人々を魅了しています。
教会の一つの例として、こちらはグアナファト州のレオン市街にある教会ですが、
今まで訪れた教会はどれも天井が高く立派な建物で、「大聖堂を1つ建設するためには『森が1つなくなる』と言われるほどの足場が必要」と読んだこともあるので、相当な時間と労力もかけて創り上げられた教会ということが想像できます。
「María Desatadora De Nudos」はコロニアル調の街に存在しているわけでなく、また一般的な教会の建物とも異なり、自然の中で見事に共存したエコフレンドリー(eco-friendly)=環境や人、動物に優しい教会なのです。
教会は木々に囲まれ、歩道は砂利、建物には石や木材などの自然素材が使われ、そのデザインは自然を極力破壊しないように配慮されています。
教会内部もシンプルでありながらも温かみが感じられるので、祈りを捧げるために訪れる人々だけでなく、静かに読書をしたり、心を落ち着けたりするためにも、多くの人々がこの教会を訪れます。
日頃の喧騒から離れ、自然の中で静かなひと時を過ごしたいときはまさに最適なスポット。
この教会は「María Desatanudos(結び目をほどくマリア)」という聖母に捧げられていて、この聖母にまつわる教会はドイツ、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、イタリア、アイルランド、コロンビア、スイス、フィリピン、アメリカ、フランス、ポーランド、そしてメキシコの世界で13か国にしかないそうです。
メキシコではカンクンのみに存在するため、メキシコ国内からはもちろん、外国の方々もこの特別な教会を訪れています。
絵をよく見ると、聖母マリアの右側にいる天使が、たくさんの結び目があるリボンを差し、リボンが聖母の手を通ると結び目が解け、左側の天使が解けたリボンを受け取っている様子が描かれています。
このように、日常生活で絡まってしまう人間関係や複雑な問題を結び目に例えて、聖母マリアが一つ一つ結び目を解いてくれることで、問題を解決してくれるという意味が込められています。
名前は比喩的に使われ、「わだかまりをほどくマリア」や「問題を解決するマリア」というニュアンスで、信仰においては、困難や問題を解決し、心のわだかまりを取り除いてくれる存在として敬われています。
単なる宗教的な礼拝の場を超え、まるでミュージアムのように様々なカトリックにまつわるオブジェやアートが芸術作品のようで、歩きながらその美しさや意義に触れることができる楽しさもあり、さらにところどころで天使たち、聖母、キリストとの出会いもあり、優しい表情で迎えてくれるので、癒される感覚にもなります。
この教会には、もう一つの目的があります。それは、リボンに願い事を書き、教会内の特定の場所に結ぶという習慣です。そして、願いが叶った際には、別の色のリボンを結んでお礼を伝えることができます。
このリボンに願いを書き込むことは、多くの訪問者にとって特別な体験となり、心を込めて祈りを捧げる場となっています。
結ばれたリボンは視覚的にも楽しませてくれ、飾りとして美しい景観を生み出すので写真スポットとしても人気です。
この教会は私の家の近所にあり、よく足を運んでいます。 人気の少ない日曜の朝早くに、教会の敷地内を一周。そしてコーヒーをいただくのが私のお気に入りの過ごし方です。
どなたにもぜひ訪れていただきたいスポットですが、カンクンの強い日差しにはご注意を。お出かけの際は、日焼け対策・水分補給をしっかりと行って、快適なひとときをお楽しみください。