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【青森県】現代アートっておもしろい!アートのまちに息づく「十和田市現代美術館」

水月

水月

山梨特派員

更新日
2024年9月1日
公開日
2024年9月1日
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こんにちは~山梨特派員の水月です。
青森県十和田市にある「十和田市現代美術館」を紹介します。
トップの写真は、美術館の屋上から撮ったもので、青森県出身のアーティスト奈良美智の『夜露死苦ガール2012』です。右側には、イギリスのポール・モリソン作『オクリア』も見えていますね。

「十和田市現代美術館」は、世界中を舞台に活躍する現代アーティストの作品を展示する美術館。
その展示方法も自由で斬新です。
ひとつひとつのアート作品を中心に、それぞれの部屋を”アートのための家”と考え、スペースを作り上げているんです。そんな大小の白い建物がガラスの廊下でつながっているのも楽しく、歩いているとワクワクします。

さあ、作品を観ていきましょう。

ロン・ミュエク『スタンディング・ウーマン』2007年

最初の部屋では、身長4m近くもある巨大な女性像、ロン・ミュエクの『スタンディング・ウーマン』が待っていました。
じっと見つめていると、そのリアルさに圧倒され、次第に自分の中の大小の感度がズレていくような奇妙な感覚を味わいました。年老いた顔は、最初は無表情のようにも見えましたが、見る角度によって様々な表情が見えてきます。見つめているうちに段々親しみが湧いてきて、今にも語りかけてくるような感じさえしました。

塩田千春『水の記憶』2021年

塩田千春の『水の記憶』の部屋です。木船を中心に広がっていく真紅の糸に、ハッとさせられました。
十和田湖にあったという木船には、命を運ぶものとして”生と死”が、赤い糸には、人間に通う血潮や人と人との繋がりがイメージされています。糸は何層にも編まれていて、見つめていると一本一本をはっきりと捉えられなくなっていきました。

トマス・サラセーノ『オン・クラウズ(エアーポートーシティ)』2008年

トマス・サラセーノの『オン・クラウズ (エアーポートーシティ)』は、空中に、いくつものバルーンが浮いているかのようです。
国境など境界線のない雲の上で、人々が暮らす世界を作り出そうと制作されました。階段を上り、バルーンの中心に入ってみることもできます。

アナ・ラウラ・アラエズ『光の橋』2008年

アナ・ラウラ・アラエズの『光の橋』は、トンネルのような橋の内部へ入って鑑賞することができます。
ゆっくり歩くと、ブルーの光に包まれ、胸の奥をくすぐるような音色が聞こえてきます。ゆったりと心落ちつく彫刻鑑賞体験でした。

(写真提供:十和田市現代美術館)チェ・ジョンファ『フラワー・ホース』2008年撮影:小山田邦哉

屋外にも、いくつもの作品が、その場所に根づいたかのように生き生きと展示されています。
美術館がある官庁街通りには、戦前、旧陸軍軍馬補充部があり、現在でも”駒街道”と呼ばれています。
チェ・ジョンファの『フラワー・ホース』は、そんな十和田市と馬との繋がりや希望に満ちた未来を象徴しているといいます。カラフルな花で彩られた馬は、美術館外壁の白や木々の緑に映え、今にも走り出しそうに見えますね。

(写真提供:十和田市現代美術館)椿昇『アッタ』2008年撮影:小山田邦哉

椿昇の『アッタ』のモデルは、熱帯雨林に生息するハキリアリ。木の葉を切ってキノコを栽培し、それを食べる農耕アリだそうです。
大きくて、ロボットのような真っ赤なアリには、自然界の営みに目を向けよう。さらには現代社会のあり方を考えていこう。そんなメッセージが込められているといいます。

そのほか、数多くの現代アート作品が展示されています。
屋上まで続く階段までもがアート作品になっていて、楽しく歩くことができました。

さて、十和田市は”アートのまち”。
十和田市現代美術館は、中心市街地にある官庁街通り全体を美術館に見立て、アート作品、アートプログラムを発信していくまちづくりのためのプロジェクト「Arts Towada」の拠点となっています。
美術館周辺や官庁街通りには”まちなか展示”として、無料で鑑賞できるアート作品が展示されているんですよ。

(写真提供:十和田市現代美術館)草間彌生『愛はとこしえ十和田でうたう』2010年撮影:小山田邦哉©YAYOIKUSAMA画像転載不可

美術館の向かい側、アート広場には、草間彌生 の水玉ワールド『愛はとこしえ十和田でうたう』が広がっています。
キノコや犬たちに囲まれて、両手を大きく広げている少女は、『十和田のハナコちゃん』。高らかに歌う、希望に満ちた歌声が聞こえてくるかのようです。明るくエネルギッシュで、元気をもらえますね。
『十和田で発見された私の黄色カボチャ』は、内部へ入れる体験型作品になっていて、暗闇の中で明滅する七色の光が優しく包み込んでくれます。

美術館内外をじっくり歩いて作品を観て、現代アートっておもしろい! 楽しい! そして、奥が深いなあと思いました。

青森には「十和田市現代美術館」を含む5つの美術館・アートセンターが点在しています。
「青森県立美術館」「弘前れんが倉庫美術館」「八戸市美術館」「青森公立大学国際芸術センター青森」では、AOMORI GOKAN アートフェス2024 「つらなりのはらっぱ」開催中です。
芸術の秋。ちょっと涼しくなった青森で、美術館巡りをしてはいかがでしょう。
まずは「十和田市現代美術館」で、現代アートの世界を堪能していただきたいです。

■十和田市現代美術館
・開館時間: 9:00~17:00(最終入館 16:30)
・休館日: 月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日) 年末年始
・観覧料: 一般 1800円(企画展転換期 1000円)高校生以下無料
・住所: 〒034-0082 青森県十和田市西二番町10-9
・TEL: 0176-20-1127 FAX:0176-20-1138
・URL: 十和田市現代美術館

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