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知覧茶の栽培地である鹿児島県南九州市の知覧は、その美しい自然や風景が魅力の町です。知覧を訪れたなら、ぜひフォトジェニックな景色が楽しめる「茶ばっけん丘」を訪れてみてください。高台から眺めるどこまでも広がる緑の茶畑は、まさに絶景と呼ぶにふさわしい美しさです。この記事では、茶ばっけん丘の楽しみ方や知覧茶の歴史、茶ばっけん丘への行き方について解説します。南薩の穏やかな空気が流れる田舎の風景にきっと癒されることでしょう!
鹿児島県の薩南半島の南部に位置する知覧は、薩摩の小京都として親しまれています。
江戸時代の武家屋敷や庭園が残り、古きよき時代の趣を感じさせる静かな美しい町です。第二次世界大戦中には、知覧飛行場から多くの若者が神風特別攻撃隊として出撃していきました。かつて飛行場などがあった場所には知覧特攻平和会館が建てられ、戦争の資料などが展示されています。
知覧といえば、知覧茶の生産地として全国的に有名です。
「知覧茶」は、鹿児島県南九州市で生産される知覧茶、頴娃茶、川辺茶などを総称したもので、南九州市は茶の生産量が日本一となっています。知覧では、緑茶のほかに、砂糖を加えなくてもやさしい甘みが楽しめる紅茶や、無農薬の抹茶も多く製造されています。
お茶の栽培が盛んな知覧では、茶畑、青い南九州の空、遠くにそびえる開聞岳が絵葉書のような風景を作り出します。
知覧茶の茶畑と開聞岳が一緒に撮影できる茶ばっけん丘(高塚丘)は、鹿児島県知覧町西元にある絶景スポットです。見渡す限り緑の茶畑が美しく広がる光景は、多くの観光客や写真愛好家を魅了してやみません。茶ばっけん丘からは、春には新緑が茂り、夏には緑のカーペットが広がり、秋には木々に紅葉が彩る様子を楽しめます。
撮影は一年中いつに行っても大丈夫ですが、うっすらと霧が出た日はチャンスです!
お茶の栽培どころにはよく見られますが、知覧には時折霧が立ち込めることがあります。朝日が昇るような早い時間ですが、朝焼けと茶畑に霧の発生が重なった日は幻想的で涙が出るほどです。
とはいっても、四季それぞれの美しさがあります。訪れた際には、季節ごとに変化する景色や茶畑の風情を存分に堪能してみてください。
鹿児島県の南薩地域は、知覧茶として知られる緑茶の生産地として日本一の生産量を誇ります。
知覧茶は、品質の高さはもちろんのこと、深い緑色の水色、豊かな香りと甘みやコクで多くの人々に愛されています。知覧茶の主流の製茶方法は、一般的な煎茶よりも長い蒸し工程の60~180秒蒸す「深蒸し製法」です。そのため、上記のような知覧茶特有の風味が出るのです。皆さんにもぜひ飲んでいただきたいです。
知覧茶の発祥地は、知覧の後岳(うしろだけ)にある手蓑集落といわれています。
知覧の地元住民が、知覧茶の中で最もおいしいお茶と口々に話すのが、この後岳というエリアで栽培されたお茶です。後岳というゾーンは、知覧の山間地域で、昼と夜の気温に大きな温度差があります。そのため、この地域は特に霧が多く発生します。寒暖差のある後岳の茶畑から生まれた知覧茶は、甘みと濃厚なうま味が楽しめる最高品質のお茶です。
地図でいうと知覧の北東部にある後岳は、近くには知覧カントリークラブなどがある場所です。自家用車、レンタカーであれば訪れやすいですが、ない場合、公共交通機関のバスでも行くことができます。鹿児島交通の知覧-金生町線のバス停「後岳」が、後岳エリアの最寄りの停留所となります。
後岳では、大正時代以降にできた共同機械製茶工場のおかげで多くのお茶をつくれるようになりました。300枚ほどの総面積が22ヘクタールからなる後岳の棚畑では、お茶以外にもそばや米を栽培しています。
知覧茶への関心がますます高まるなか、知覧茶の奥深い世界をご堪能いただければ幸いです。知覧茶は、鹿児島を訪れなくても、今日ではさまざまなネットショップで日本全国から手軽に購入できます。
知覧の茶ばっけん丘へのアクセスは簡単です。知覧の豊玉姫神社までは、鹿児島市の鹿児島中央駅から車でおおよそ1時間の距離にあります。茶ばっけん丘へは、豊玉姫神社からさらに南に15分、8キロメートルほど車を進めます。鹿児島県は、電車・バスなどの公共交通機関のサービス本数が都心に比べてとても少ないため、車でのアクセスが便利です。
カーナビやGoogle Mapのナビなどに「茶ばっけん丘(高塚丘)」と入れると、目的地までの行き方が表示されます。ずっと走っていると、標識に茶ばっけん丘と書かれたものが出てくるため、それに従い畑の中の細い道を入っていきます。最後の茶ばっけん丘のふもとに着いてからは、くねくねとした道を頂上までのぼっていきます。これは何百メートルかのほんの少しの距離ですが、この道には側溝があるため、車のタイヤが落ちないように気を付けてよく見てゆっくりと運転をしていってください。
茶ばっけん丘の頂上には、駐車場も完備されています。今日現在(2024年9月24日)、7台分の車が停めることができるように整備されています。東屋もあり、景色を見ながらお弁当やお菓子を食べるのもおすすめです。バイクに乗ってツーリングを楽しむ方々も日本全国から訪れています。
注意点というほどでもありませんが、丘の上のため、日によっては少し風が強いかもしれません。筆者が訪れた日も、台風が鹿児島県の奄美大島付近を通過している時で、本土の方にも強風が吹いていました。風に飛ばされそうになったというほど残念ながらスリムなボディではありませんが、肩にかけたバッグが飛びそうになりました。帽子やスカーフなどが飛ばされることがあるようです。あらかじめ取り外しておくか、しっかり身に着けておくようにしてください。
今回は、知覧茶の茶畑の美しい風景を撮影できる展望スポット、茶ばっけん丘をご紹介しました。
茶ばっけんの丘から眺める茶畑と開聞岳の景色は圧巻であり、訪れる価値があります。
歴史の町「薩摩の小京都」、知覧の見どころには、旧街道沿いの知覧麓の武家屋敷群とその庭園、知覧特攻平和会館、ホタル館富屋食堂、豊玉姫神社などがあります。ランチを食べるなら、武家屋敷の周辺にお店が多くあります。知覧茶のお茶屋さんの知覧茶ソフトクリームや、抹茶/緑茶を使ったスイーツもとてもおいしいです。
また知覧では、毎年茶摘みの時期には、それぞれの茶園でお茶の管理をしてくれるスタッフを募集しています。茶畑の草刈りやバロン掛け、肥料やりなどのお手入れ、製茶工場での清掃作業や袋詰めなどのさまざまなタイプの作業があります。もし知覧が気にいったなら、長期間滞在してみることも可能です。
茶畑の素晴らしい景色を楽しめる知覧の茶ばっけん丘へ足を運んでみてはいかがでしょうか。