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【マカオ】異なる時間軸が交錯する不思議な年末年始

マカオナビ

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マカオ特派員

更新日
2025年1月10日
公開日
2025年1月10日

マカオの暮れから新年にかけての時間の流れは「不思議な時間が交差している空間」。それは過去から連なる時間と、それとは異なる時間軸が現代に於いて干渉する事なく、そのまま互いに交差しながら息づいている。そう言う不思議な時間の流れがあるのです。具体的にわかり易く説明する為に、仮に暮れを12月20日から。そして新年を1月5日あたりに一旦置いて説明します。

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クリスマスと返還記念日

まず12月20日。

この日は日本で言うところの御用納の様な雰囲気となります。これは約400年もの長い時間、このマカオの行政を担ってきたポルトガルのキリスト教のカレンダーに則ったものです。

つまり12月20日から基本的には“クリスマス休暇”になるのだと捉えてください。1日〜2日のズレはありますが、もちろんマカオ市内の学校も同様に冬休み期間に入ります。

そして24日のクリスマスイブから25日のクリスマスになるのですが、この日は明確にクリスマスイブとクリスマスと言う名の公休日です。中国大陸ではクリスマスを祝う事を禁じておりますが、ことマカオに於いては国(地域)の正式な休日となっています。

©︎マカオ政府新聞局 2024年12月20日 マカオ返還記念式典より

ここでひとつ、別の流れが交差します。

今から遡る事26年前の1999年12月20日。マカオはポルトガルから中国に返還されました。と、言ってもここにも賛否両論があり、マカオがポルトガルの行政下に置かれたのが1557年からですから、当然ながら現在の中華人民共和国は存在しておりません。そこがどうしても議論の対象となる部分なのですが、ここでは一旦割愛します。

この12月20日は返還記念日として、マカオの公休の日になり、現在の中華人民共和国マカオ特別行政区としての公の記念日です。

そう考えると、クリスマス休暇は何を根拠にしているのか?と言う問題になります。

前に述べた通り、これは正式にクリスマスとして24-25日が公休日になっているわけで、つまりこれは明らかに現在の中国の文化や歴史から来ているものでは無いことだけは一目瞭然です。

つまり12月24-25日のクリスマスを中心とするクリスマス休暇(つまり冬休み)への流れと、それとは全く関係の無いマカオの返還記念日がたまたま12月20日になっていて、そこからクリスマスへと続いている。こういう流れこそマカオの独自の文化と言って差し支えないでしょう。

ポルトガルからもお祝いに駆け付けるマカオの春節

新年を祝う為、ポルトガルのリスボンからやってきたMarcha da Madragoaの歌と踊り

そしてクリスマスの次の公休日が1月1日です。

しかし翌2日から学校も会社も普通にあります。つまり日本人がイメージする暮れと正月は、この12月末から1月の頭の期間には存在しません。

では正月は?

そうです。

春節です。

これは旧暦の暦から来ているので、今年の春節は1月29-31日です。そして中華圏の春節では春節と並んで大切にされる接財神(お金の神様)は旧暦の春節から数えて5日目の2月2日。中国本土では接財神は休日となりますが、マカオでは公休とはなりません(今年は偶然、日曜日です)。

この春節の期間はさっきまでのクリスマスに代表される西洋文化はどこに行った?と言うくらい中国文化の面が顔を覗かせます。

この春節の期間になれば街の至る所で獅子舞が舞い、中華文化で新年を祝います。

この様に、中国の暦の通りか?と言えばトレースしているもののその通りではない。ではかつてのポルトガルの暦のままか?と言うと全部では無い。その双方が交差する、或いはミックスしていると言っても良いのでしょう。それがマカオの独自の暦であり、香港のそれともまた若干異なります。

今年のマカオの元旦は特に花火も無く、TVで見ているとむしろ台湾の方が日本のカレンダーに近い流れがある気がします。

新年を祝うと言う意味に於いては、この春節の方が強くそれを感じる事ができ、この様な暦で流れているマカオの年末年始はむしろこれからと言って差し支えがないでしょう。この1月上旬の時期は日本で言うと、12月の上旬の様で、春節に向けて慌ただしくなります。

さて観光の面から語らせて頂きますと、マカオは労働法がとても厳しい国です。その為、公休日に店を開けていると、その日の従業員の賃金は二倍になります。その為、個人経営の店では公休日は店を開けないところも多く、観光の際は注意が必要です。

せっかくお目当てのレストランやお土産物屋さん。春節で行ってみたら閉まっていた、と言う事になりかねません。大手のIRは当然ながら年中無休ですが、小さな店は事前にチェックして置く事が大切です。

春節に獅子舞が観れる場所は?

さて春節の情報を少しお知らせします。

マカオの春節はなんと言ってもカラフルな獅子舞が新年の雰囲気を盛り上げます。これは市内の至る所でやっていて、マカオ半島側は大三巴(セントポール寺院跡)から西湾(マカオタワー手前の湖/ドラゴンボート会場となる場所)へパレード。タイパでは住宅博物館のエリアやタイパ旧市街(官也街)等で見ることが出来ます。今年の日時はこちらでもお知らせしますが、基本はマカオ観光旅遊局の公式HPでもお知らせしております。

大三巴(セントポール寺院跡)

タイパオールドシティ(官也街)

春節の最新情報をゲットしてマカオのお正月を堪能してください

またマカオを代表するデパートのニューヤオハンや各IRでも春節の特別な模様し物を企画しており、庶民的な商品から、ハイエンドなお土産まで春節記念の商品が所狭しと並べられます。それらは各HPでご覧ください。

中華圏の春節と言うと派手な爆竹に激しい獅子舞とイメージしがちですが、マカオではわりと静かに新年を迎えます。家族や親しい友人が集まってゆっくりと流れる時間の中で持ち寄った料理や飲茶を楽しみ、新年を祝うのがマカオスタイルと言えるでしょう。

  • SJM Resorts S.A.
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