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アントワープ観光の中心となる旧市街で、一際大きくそびえる代表的な建物、アントワープ市庁舎。外観も素敵ですが、改装工事も終わった室内も見られます。アントワープの歴史と今を紐解いてみましょう。
アントワープ政治の中心となる市庁舎は16世紀にグローテマルクト(広場)の中央に建てられました。建築家コルネリス・フローリス・デ・フリーントは、伝統的なスタイルとイタリアルネッサンスの革新的な要素のユニークな組み合わせを用いました。この建物は1999年からユネスコの世界遺産に登録されています。
2018年から2022年には大掛かりな修復工事が行われました。外観は 1565 年の版画の配色に従って復元されました。
外観も素敵ですが、建物の中は更に気になります。見学オプションのうち、まずは無料で見学できる展示会 2 つを紹介します。
1 つは市庁舎の修復に関する全てを学べる展示会、もう 1 つは市の歴史的発展と主要な都市開発プロジェクトに関する展示会になります。1階の玄関ホールを奥が展示会場になっています。
また、WEBサイト上でのバーチャルツアーのできるサービスがあります。訪問前にシュミレーションできますよ。
改修された市庁舎の主要部分の見学はガイドツアーをお勧めします。種類は市庁舎だけの単体のものが2種類、その他の市内観光も含めたコースもありますので、お好みのものをサイトで見つけて下さい。事前予約が必要です。
https://experienceantwerp.be/en/venue/city-hall-antwerp/
さて、今回は市庁舎のハイライトを巡るガイドツアー(9ユーロ)に参加しましたので、いくつかご紹介します。写真掲載について、アントワープ市庁舎の承認を事前に得ています。
入口からEretrap(名誉の階段)を上がって、最初に案内されたのが、Leyszaalという広間。グローテ マルクト側から見ると、市庁舎2階にわずかに突き出た中央部分になります。この部屋ではレセプションや集会が定期的に開催されています。
数年前にアントワープのサッカーチーム、ユニオンがベルギーリーグで優勝した際の表彰式もここで行われ、’puye’と呼ばれるバルコニー部分に選手達が立って、詰めかけた市民から祝福を受けました。
Leyszaalの隣にはこの市庁舎で最も大きな部屋である結婚式場があります。アントワープの人々は130年以上もの間、この結婚式場で誓いを交わしてきました。
この部屋はもともと、王子や総督を迎えるための栄誉の広間でした。
ヴィクトル・ラジェは1886年に5枚の大きな壁画を描き、そこには歴史上の5つの異なる時期における結婚式が描かれています。
市庁舎の建物は、大きく分けると2面に各部屋が配置されています。階段と吹き抜けのある中央部を挟んで、広場側に式典を行う部屋が並び、反対側がオフィスエリアになっています。
まず案内されたのは、Collegezaal(講義室)。市会議員団はこの部屋で会議を開き、日常業務と決定を下し、市議会の準備をします。更に大学の会議が行われている場所です。
ここはかつて民兵会館で、19世紀には兵役のための抽選や検査が行われていました。
暖炉の上にある、オーク材で作られた象徴的な彫刻は、アントワープにとって重要な公爵たちを再現しています。彫刻家アルフォンス・ペータースが制作しました。その上には、1565 年の解体前の旧市庁舎の姿も再現されています。
天井の照明は、赤と白のバラを交互に配置したデザイン。バラは市民の幸福を表現しています。
続いて、Raadzaal(評議会室)です。
市議会はここで行われ、多数派と野党が都市の統治について議論します。
アントワープ市議会は55人の議員で構成されています。
評議会室の壁には、何世紀にもわたるアントワープの市長全員の名前が刻まれた銅板が飾られています。
Raadzaaは、1880 年の大規模な改修工事の後に、市庁舎礼拝堂と大小の校舎を統合して作られました。1713年頃に完成した天井画はヤコブ・デ・ローレによって描かれました。
いかがでしたか?公共の役所とは思えない豪奢で歴史あるアントワープ市庁舎、ぜひ見学してみて下さいね。
■アントワープ市庁舎(Stadhuis Antwerpen)
住所:Grote Markt 1, 2000 Antwerpen
電話番号:032211333