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【イタリア・ローマ】永遠の都を訪れたらついでに訪れたい街道の女王

田澤 龍太郎

田澤 龍太郎

イタリア特派員

更新日
2025年3月6日
公開日
2025年3月6日

「すべての道はローマに通ず(伊語:Tutte le strade portano a Roma )」
このことわざが持つ意味は、異なる手段や方法があっても、最終的には同じ目的地や結論に辿り着く事だが、ローマという単語を用いた言葉としては世界的に良く知られています。そのことわざの起源ともいえる道のひとつが“街道の女王”といわれる旧アッピア街道です。ローマの町から少し外れにある2000年以上前の古代ロマンを体感しながら現存するローマの街道をゆっくり散策してみよう!

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永遠の都への出入口のひとつ、サン・セバスティアーノ門

古代ローマ時代よりアッピア街道を通過させるために造られたサン・セバスティアーノ門は、アウレリアヌス城壁の城門で最大級の規模を誇ります。現在も保存状態が極めて良好でそのセバスティアーノ門から眼下に見下ろすのは、マルキア水道から分岐したアントニアーナ水道と呼ばれる2000年近い古代の水道橋の遺構の一部です。

  • サン・セバスティアーノ門から眺めるアントニアーナ水道の遺構
  • サン・セバスティアーノ門から眺める緑豊かな風景

サン・セバスティアーノ門を南下すると巡り合う古代の遺跡

街道を南下すれば、現存する古代ローマでも保存状態が良いとされるマクセンティウスの競技場と古代ローマの墓廟のチェチーラ・メテッラの墓に遭遇する。これだけでも古代ローマの偉大さが体感できるし、街道の周辺には貴重な遺跡が眠る。さらに南下すると雄牛の頭蓋骨をモチーフとしたフリーズ(建築用語で柱頭の上部へ水平に構築される中央の幅広い部分を指す)があることからカーポ・ディ・ボーヴェ(伊語:Capo di Bove)と呼ばれ、『牛の頭』の意を持つ遺跡群がある。その遺跡では広大な浴場を見かけることができます。

■サン・セバスティアーノ門
住所:Via di Porta San Sebastiano, 18, 00179 Roma RM
アクセス:ローマの中央駅テルミニ駅からはメトロB線にてColosseo下車、118番バスにて約8分
入場料:無料
URL:http://www.museodellemuraroma.it/

  • 広大な浴場の遺跡
  • モザイク画の保存状態の良さが伺えます

どこまでも続くアッピア街道

2024年に世界遺産に登録されたこの街道は、紀元前の312年に建設が進められ、南イタリアのプーリア州の都市ブリンディジまで全長で540kmと幅8mの石畳の道となっています。どこまでも続くかのようなこの道は、永遠の都ならではので、ローマ帝国の本質を体感できるでしょう。

  • 石畳の道をしっかり踏みしめながら古代ロマンを味わえるアッピア街道
  • 街道をひたすら歩けば遭遇する遺跡

ローマでも有数の貴族のクインティーリ兄弟の邸宅

アッピア街道(現在はアッピア旧街道という名称)をさらに南下すると2世紀後半頃に建てられた大な邸宅の遺跡に遭遇します。

この邸宅は、歴代ローマ皇帝の中でも暴君と言われたコモドゥス帝が皇帝暗殺疑惑をでっち上げて、このクインティーリ兄弟の弟を暗殺してまで、離宮として手入れたという黒い歴史があります。さらにこの広大なクインティーリの邸宅は、約14㎞の温泉施設や円形競技場まで築かれていました。

■クインティーリ邸
住所:Via Appia Nuova, 1092, 00178 Roma
アクセス:ローマの中央駅テルミニ駅からはメトロA線でColli Albani駅下車、664番バスにて約20分
入場料:大人:8€(18歳以下は無料)
URL:https://www.parcoarcheologicoappiaantica.it/luoghi/villa-dei-quintili-e-santa-maria-nova/

  • 浴場跡
  • 2万3000平方メートル規模の邸宅

さぁ、ローマに繋がるアッピア街道を歩いてみよう!

ローマ松に彩られたこの石畳の道は、紀元前312年に建設が始まったとされ、2000年近くの歴史を持っています。永遠の都ローマは、世界でも見所がもっとも多い場所で知られていますが、限られた時間の中でのローマ滞在中に時間を作っては、自然の中での古代ロマンを実際に体感してみよう!

果てしなく続くアッピア街道
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