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北はドイツ、東はオーストリアの国境沿いにある小さなアッペンツェル地方。なだらかな丘が広がる風景と連なった山々が美しいところです。人より牛の方が多いのも特徴で、「こないだ友達になった牛は」なんていう冗談も言われるほど。さて、人口もさることながら、保守的といわれるこの地方に、どのくらい「日本」があるのでしょうか。自分で日本食を作る、あるいは、日本食レストランに行く、という【アッペンツェルの日本食事情】をお伝えします。
アッペンツェルには、チューリッヒといった大きな町にある「日本から輸入された食材が買える、日本人がいるお店」がありません。
とはいえ、最近では小さいスーパーにもキッコーマンのお醤油やポン酢が並んでおり、加えて、最大手のミグロやコープで展開されている日本食ラインの商品が日に日に充実してきているので、ラーメン(乾麺)、ラーメンスープ、蕎麦(乾麺)、うどん(乾麺と半茹で両方)、みりん、米酢、海苔などなどが手軽に入手できるようになり、どれだけ重宝していることでしょうか。
さらに、アッペンツェルから電車で20分から40分のところにある町、ザンクト・ガレンには、小さいながらもアジアショップがあり、カレールウや昆布だし、ニラ、厚揚げなどスーパーにはない食材も手に入ります。
身近で買える食材と日本に帰国するときに買う日本食材で、10年前には考えられなかったような本格日本食が作れるこのありがたさ!
チューリッヒに行かないと買えない梅干し、たくあん、ぬか漬などは「もどき」ではありますが手作りし、買えても高い梅酒や納豆、絹どうふなども「もどき」で手作り。
でも、ときには外で日本食が食べたい・・・チューリッヒに行くのは遠い・・・お寿司以外のメニューも食べたい・・・
スイスでの日本食ブームに乗って、ザンクト・ガレンに日本食が楽しめるレストランがふたつできました。
今回は「居酒屋 駅前」をご紹介します。
ザンクト・ガレン駅の裏にあるレオホテル(Hotel LEO)の中にある唯一のレストランが、なんと日本レストランの「居酒屋 駅前」。
居酒屋というより、お寿司のない日本レストランといったところでしょうか。
ポーランド人の料理長がメニューや味付けを決め、もうひとりのポーランド人、ハンガリー人、ボリビア人の調理師が料理を担当します。
ひとりだけ日本人の調理師がいるのですが、メニュー作成や味付け、盛り付けなどという作業にはかかわっていません。
調理師たちは作務衣を着て、提灯が並ぶ店内で料理をふるまいます。
メニューは、餃子、角煮(スイススタイルで薄切り肉)、枝豆、唐揚げ、天ぷら、刺身、などなど。
さつまいもの餃子や、ケールのおひたしなど、日本ではあまり見かけない創作メニューも並んでいました。
お値段は、ランチだとひとり30フラン前後、ディナーだとひとり50フラン前後で楽しめます。
私は、味付けはやはり日本人の私がしたものの方がおいしく感じるので、素人では手に入らないメニューを選びました(笑)
サーモン、まぐろ、かんぱち、赤貝といったお刺身の盛り合わせ、バッテラや牛のたたき、ちょっとお掃除が面倒だけど食べたいときは唐揚げや天ぷらなどをチョイス。
お刺身は新鮮ですし、唐揚げはジューシーでさくさくですし、ほんのり薄暗い提灯が並ぶ店内にいるとまるで日本にいるかのようです。
ビールや日本酒、ウイスキーも充実していて、普通にスイスにいてもお目にかからないブランドのものもありました。ビールのCOEDO(5種)などスイスの空気や食事にもよく合い、私にとっては新発見。
日本からスイスに観光に来てまで日本食は・・・という方がほとんどだとは思いますが、ビジネスでスイスに来た日本人がスイス人とお食事をするときなど、ホテル内にあるレストランなのでパーキングもあり、駅近といった利便性もありますし、ちょっとしたおすすめです。
■居酒屋 駅前
住所:Grünerbergstrasse 6 9000 St. Gallen
URL:https://www.ekimae.ch