【ドイツ・マインツ 旅の最新事情】地元っ子気分を楽しみながら市場や路地散歩を楽しむプラン
ドイツの旅の玄関口フランクフルトから南西へ約35km、列車で約40分のところに位置するマインツ。マインツ市のマークはワインを作るための圧搾機をデザインしたものですが、かのグーテンベルクはこの葡萄圧搾機からヒントを得て活版印刷を発明しました。そんな歴史のある街マインツのグーテンベルク博物館のすぐ横で開かれる青空市場で、地元の人に混じって朝食を調達したり、ライン川を望む公園でピクニックを楽しんだりするのはいかがでしょう?
マインツ大聖堂に見守られた青空市場
マインツの大聖堂周辺では火・金・土曜日にマインツァー ヴォッヘンマルクト(Mainzer Wochenmarkt)というファーマーズマーケットが開かれるのですが、土曜日は通常の生鮮食品のスタンドに加えてマインツ名物のフライシュヴルスト(Fleischwurst)という豚肉のソーセージ、魚のフライ、スープ等のフードスタンドの数が多いので、友人や家族と屋外で朝食を楽しむ人たちで一層賑わいます。今は医療用マスクかFFP2マスクの着用が義務付けられていますが、美しい大聖堂前の広場(Domplatz=ドームプラッツ)、グーテンベルク博物館の野外オブジェクト、少し歩けばすぐライン川というロケーションが大人気。マインツのオープンで気さくな雰囲気も相まって、マインツ周辺の地域にも「マルクトフリューシュトゥック(マーケットの朝食)」という名前で名物イベントとなっています。
■Mainzer Wochenmarkt
・住所: Domplatz, 55116 Mainz
・開催日: 火、金、土曜の7:00~14:00
写真のスタンドはフライシュヴルストや豚の頬肉の煮込みで一番人気の肉屋スタンドで、いつも長い行列ができています。コロナ禍以前はラインヘッセン地方のワインをグラスで提供するワインスタンドも大人気で、いつも長い列ができていますが、今はグラス売りはお休み中。ボトルでの販売は継続しているので、宿での一杯やお土産にするには最適です。
朝ご飯を調達したらライン川を眺めながらピクニック
市場で果物やパン、チーズ、ソーセージなどの朝食を調達したら、大聖堂裏側のフードスタンドコーナーからライン川方面に向かって移動しましょう。グーテンベルク博物館も位置する大聖堂裏側からライン川に通じる場所はフィッシュトアー(魚門)と言って、中世に魚の行商者が利用する通行門があった場所です。ここにはベンチも多数配置されているので、座って朝食をとることもできますし、ライン川を眺めながら芝生エリアでピクニックをすることもできます。
グーテンベルク博物館前の石のモニュメントがちょうどテーブルとして使うのにいい高さなので、そこで朝食をとる地元の人たちの姿も見えますが、ソーシャルディスタンスをとることを忘れないように気を付けなくてはなりません。
市場近くの葡萄棚のある素敵な路地
青空市場を訪問したら、是非近くにある葡萄棚のある細い路地、ローテコプフガッセ(Rotekopfgasse)を訪れてみてください。歴史のあるワインレストランが数軒連なっており、そのうちの1軒が開放的なテラス席が特に人気のローテ コプフ(Rote Kopf)です。ラインヘッセン、ラインガウ等ドイツの白ワインから南チロル、フランスの白ワインを楽しみながら、市場の喧噪から少し離れたところで食事をとるには最適なレストランです。食事の種類は少なめですが、全て新鮮な素材を使ってワインに合うこだわりの料理を提供しています。
マインツっ子が夏によく飲む白ワインもしくはロゼワインと炭酸水をミックスしたドリンク、ヴァインショーレ(Weinschorle)も4種類揃っています。もちろんマインツ名物のソーセージであるフライシュヴルスト(Fleischwurst)も置いてあります。
■Rote Kopf
・住所: Rotekopfgasse 4 55116 Mainz
・電話番号: +49-6131-231013
・営業時間: 月~金 17:00~24:00 土 11:30~24:00 日 17:00~24:00
・URL: https://www.rotekopf.de/
1594年創業のマインツ最古のレストランシュペヒト(Specht)もRote Kopfと同じ路地にあります。
昼食のあとはグーテンベルク博物館へ
マインツ出身のヨハネス・グーテンベルクが発明した活版印刷の歴史を学べる博物館です。大聖堂の近くにあるので、マーケット訪問の前後に立ち寄ることができます。
2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、実はアジアで初めて活版印刷機が置かれたのは天草でした。天正遣欧使節がポルトガルから持ち帰ったもので、このグーテンベルク活版印刷機がおかれた天草コレジヨ(大神学校)はアジア各国を始め外国から印刷の注文を受けていた一大印刷所でした。現在天草コレジヨ館で当時の印刷機のレプリカが展示されています。そしてそのレプリカはもちろんグーテンベルク博物館が制作し、コレジヨ館への設置もマインツから派遣された技術者が担当しました。
この日本との関係を知った上で訪問すると、提示内容をさらに興味深く見て回れると思います。
■Gutenberg Museum Mainz
・住所: Liebfrauenplazt 5 55116 Mainz
・電話: +49 6131-122640
・URL: https://www.mainz.de/microsite/gutenberg-museum/index.php
・開館時間: 火~土:9~17時 日:11~17時
・入館料: 大人:5ユーロ 8-18歳:2ユーロ 特別料金:3ユーロ
木組みの家が美しい旧市街へ
マインツの旧市街地の中でも最も絵になると言っても過言でないのがキルシュガルテンの一角です。ここにはヨハネス・グーテンベルクに由来のある建物があります。26番地の木組みの家ツム・アシャッフェンブルク(Zum Aschaffenburg)はかつてグーテンベルクの従兄弟が彼のために借りた借金の保証となった物件です。マインツ最古のこの木組みの家の家賃が抵当に入れられていました。
今年の夏少しづつマインツに戻ってきた欧州の観光客も必ず訪れている、フォトジェニックな場所です。
■Kirschgarten
・住所: Kirschgarten 26-30, 55116 Mainz
通常はテラス的の設置が認められていない旧市街の目抜き通りであるアウグスティーナー・シュトラーセ(Augustiner Strasse)ですが、コロナ禍の間は飲食店の利用増加を目的として、特別にテラス的の設置が認めらています。このテラス席が大人気で、観光客や地元の人が楽しんでいる様子が旧市街の雰囲気をさらに盛り上げています。かかっている横断幕には「マインツのボーイズ&ガールズ!ディスタンスをとって!」と書いてあります。
■Augustinerstrasse
・住所: Augustinerstrasse 70, 55116 Mainz
※当記事は、2021年8月16日現在のものです
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筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
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