【福岡県北九州市】特産の若松トマトで造ったお酒~若松の赭(そほ)

公開日 : 2022年10月26日
最終更新 :
筆者 : Duke

こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、北九州市若松区特産のトマトから造られたお酒 "若松の赭(そほ)" を紹介します。"若松の赭"は、若松区にキャンパスがある北九州市立大の学生グループ「新風食研」が試行錯誤を重ねて開発した、赤ワインと同じ製造法で造られた醸造酒です。

トマトのみを使った酒造りの試みは世界的にも珍しいと思いますが、大学で発酵技術を学ぶ新風食研のメンバーは、新たな北九州名物を作り出したいという一心から、地元の特産品である若松トマトを活かした醸造酒開発をスタート。2020年から本格的な活動を始め、2年以上の歳月をかけて製品化に漕ぎつけました。

こちらがその"若松の赭"。『赭』は「そほ」とも「そお」とも読み、「浅葱色」や「紺碧」などと同じ日本の伝統色のひとつで、やや黄みがかった赤を指すそうです。

グラスに注ぐと、ほんのりと漂うやや甘みを感じる自然な風味。透き通った淡い黄色は、白ワインにも似ていますが、言われてみれば、微かに赤みを帯びているようにも見えます。

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こちらの写真の方が、その微かな赤みが伝わるかもしれませんね。

日本古来の色あいを表現する"赭〜SOHO"......言葉の響きもよく、いいネーミングではないでしょうか。

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私にとっては耳に馴染みのない言葉でしたが、地元北九州との繋がりを大切にする学生さんたちの思いが、若松特産のトマトや、若松のシンボルでもある若戸大橋の赤いイメージと重なり響きあったのではないか......そんな気がしました。

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トマトという野菜からできた"若松の赭"ですから、きっと料理との相性がいいはず......と、ロールキャベツのトマト煮込みと合わせてみました。

トマトの香りはふんわりとやわらかく、白ワインにも通ずるすっきりした味わい。まろやかな酸味で、料理の味を邪魔することもありません。もちろん、ロールキャベツとの相性もぴったり。トマトが前面に出過ぎていないところも好感が持てました。トマト好きな方はもちろん、あまり好きではないという方も、そしてまたワインが苦手な人でも楽しめるお酒に仕上がっているのではないかと思います。

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北九州市立大に在学する学生12名で構成する「新風食研」は、"食品開発を通して地域の活性化に貢献したい"という強い思いを抱いて、活動にかかわるすべての運営を学生自身が主体となって行っています。けれど、誰ひとり経験のない酒造りは、全てが手探り状態。コロナ禍にあって大学への通学もままならない中、研究室で試験醸造するために酒類製造免許を取得し、開発のための資金はクラウドファンディングで募りました。トマトに適した圧搾方法や、7種類の酵母を使って温度や醸造時間など様々な醸造法を試行錯誤。幾多の失敗を重ねながら、壁にぶち当たると、関連した論文を読み漁って解決の糸口を探したそうです。

こうした取り組みは、「【学生プロジェクト】"若松トマト"で造ったお酒を北九州の名物に!(https://readyfor.jp/projects/shinpusyokken_tomatosake)」で詳しく発信されています。それを読むと、学生たちのひたむきで真摯な気持ちが伝わってきて、地元JAやトマト農家、ワイナリーなどの協力を得ながら、メンバー相互の信頼やチームワークで困難を乗り越えてきたことがよくわかりました。北九州市民として、またワイン好きの一人として心から拍手を送りたいと思います。

【耳より情報】

"若松の赭"を居酒屋で体験することができます。

〇居酒屋「炉端のくろ兵衛」

 場所:小倉北区魚町1丁目5-14 ダイワロイネットホテル小倉1F

 電話:050-5485-5069

筆者

特派員

Duke

縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。

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