スペインに来たら絶対に食べるべきメニューとマドリードのおすすめ店
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3)日本では味わえない調理や食材も…。スペインに来たら食べるべき郷土料理と食材
スペインに行かれた方なら現地の人の食べ物が日本と重なることにとても親近感を覚えると思うのですが、他の国の人からするとちょっと食べない意外な食材があります。せっかくマドリードに来たなら、一度はチャレンジしてみては?
魚介類編1「ペルセベス(Percebes) 」(エボシ貝・カメノテ)
日本ではエボシ貝、俗に亀の手とも呼ばれます。日本だと味噌汁の具になることはあるようですが、一般的な食べ物ではないですよね。スペインにおいてもガリシア地方以外ではめったにお目にかかれない珍味です。安いものではないですが、ガリシア地方に行けばどこのバルにでもあります。手の先ではなく付け根の方を食べます。形がグロテスクでなんか妙に感じるかもしれませんが、味はおいしいですよ。
●ペルセベスのおすすめ店
どうしてもペルセベスを食べたくなってしまった方のために(そんな人いるのかわかりませんが…)、マドリードで食べられるお店を紹介しましょう。他の色々もおいしいシーフードレストランです。ペルセベス(100g24€)やナバハス(マテ貝)(18.5€)と、流石にいいお値段ですがおススメです。
- 店名
- エル・バリル・デ・ラス・レトラス(El Barril de las Letras)
- 住所
- Calle de Cervantes, 28
- 営業時間
- 12:30~24:30
- URL
- barrildelasletras.com
魚介類編2「アングーラ (Angula) 」(シラスウナギ)/「グーラ (Gula) 」(すり身)
アングーラ(シラスウナギ)はエブロ川の河口、デルタ地帯と、バスク地方で捕れるので有名です。季節は10月末から3月にかけて。これもどこの市場でも売っているわけではなく、高級品です。普段はアングーラに似せた商品が安く出回っています。グーラと言い、すり身、つまり蒲鉾です。バスク地方の友人に、昔日本人の技術者が来て、その偽物の蒲鉾グーラの作り方を教えて帰ったと聞いたことがあります。あまりにもストンと納得してしまって、本当の話かは確かめていませんが。蒲鉾グーラは大変重宝されていて、たっぷりのオリーブオイルとニンニクとトウガラシを少~しいれて炒めるだけでとてもおいしいです。
●アングーラのおすすめ店
タパスが食べられるバルが並んでいる通り、カヴァ・バッハにある老舗です。値段は”時価”ですからお店で聞いてみましょう。
- 店名
- カーサ・ルチオ(Casa Lucio)
- 住所
- Cava baja, 35
- 営業時間
- 13:00~16:00, 20:30~24:00
- URL
- https://casalucio.es
- 休業
- 8月、クリスマス、正月
魚介類編3「メヒジョーネス(Mejilloes) 」 (ムール貝)
日本ではワインを出す店以外であまり見かけないムール貝。正式名称はムラサキイガイというそうです。スペインは中国、チリに次いで3番目に漁獲量が多く、レモンと白ワインで蒸した「アル・バポール」、蒸してから玉ねぎ、ニンニク、トマト、パセリで作ったソースと混ぜ合わせた「マリネラ」もよく食されますし、パエリア、魚介のスープにも欠かせない食材です。滞在中にたっぷり召し上がってみてください。
肉類1 ソーセージやハムの種類について
外国に行くと、ソーセージ類の種類の多さに驚かされます。スペインも例に漏れません。本来家庭で豚を飼い、冬の寒い日に親戚や近所の人が集まって作ったもので保存食になっています。筆者の住む地域では、最近はめっきり減りましたが、今でも地元の人は冬に何度か集まって皆で作っています。その作業を「マタンサ」(殺戮)と呼ぶんですが、その日に働いている皆に振る舞う昼食の雑炊のような米料理を「アロス・デ・マタンサ」と呼びます。それがおいしいんですよ。以下に様々なソーセージやハムのリストを記します。
名前 | 説明 |
---|---|
「ハモン・セラーノ(Jamón Serrano) 」 | テルエルやグラナダ産が有名 |
「ハモン・イベリコ(Jamón Iberico) 」 | イベリコ豚の生ハム。スペイン南西部産 |
「チョリソ(Chorizo) 」 | スモーク、香辛料、塩漬け、生と全国さまざま |
「モルシージャ(Morcilla) 」 | 豚の血を混ぜた黒ソーセージ。ブルゴスのが有名 |
「ブティファラ(Butifarra) | 古代アラゴン王国から伝わる伝統的なもの |
「チストーラ(Chistorra) 」 | 豚肉と牛肉を合わせて作るナバラ地方名産 |
「サルチチョン(Salchichón) 」 | ビック(カタルーニャの町)産が有名 |
「ロモ(Lomo) 」 | ロース肉から作ったもの。スペイン南西地方名産 |
「ソブラサーダ(Sobrasada) 」 | バレアレス諸島の名産 |
「フエッ(Fuet) 」 | カタルーニャ、地中海地方名産 |
「ボティージョ(Botillo) 」 | レオン地方名産 |
「セシーナ(Cecina) 」 | 牛肉の熟成肉 |
肉類2「コチニージョ(cochinillo) 」(子豚)
まだ授乳中の子豚をオーブンで焼いたものが「コチニージョ・アサード」(子豚のロースト)。マドリードから特急列車で30分のセゴビアの名物料理で、マドリードでもよく食されます。柔らかくとてもジューシーですが、脂がのっているので好き嫌いはあるかと思います。
ずいぶん場所は離れますが、この料理はマジョルカ島のクリスマス料理で、マジョルカ島のレストランでも食べられます。
●コチニージョ・アサードのおすすめ店
マドリードには何軒も有名なレストランがありますが、前菜のスープと、飲み物のセットメニュー(44€) のある「ボティン」がおすすめです。
- 店名
- ボティン(Botín)
- 住所
- C. de Cuchilleros, 17
- 営業時間
- 13:00~16:00, 20:00~23:30
- URL
- https://botin.es
肉類3「コルデロ(cordero) 」(ラム肉)
ラム肉というと少し癖があって苦手な方もあるかもしれませんが、スペインのラム肉はとてもおいしいんです。子豚同様、特に授乳中のものが好まれます。「コルデロ・レチャル・アル・オルノ」(子羊肉のロースト)がおススメです。
●コルデロ・レチャル・アル・オルノのおすすめ店
こちらもカヴァ・バッハ通りのお店をご紹介します。2人前からの注文(ふたりで51€)になります。
- 店名
- パサーダ・デ・ラ・ビジャ(Posada de la Villa)
- 住所
- C. Cava Baja, 9
- 営業時間
- 13:00~16:00, 20:00~24:00
- URL
- www.posadadelavilla.com
肉類4「ラボ・デ・トロ(オックステール)」
韓国やハワイなどではスープにすることで知られているオックステールですが、スペインではこのままの名でオーダーすると、牛テールシチューが出てきます。トマトベースのソースで柔らかく煮込んだもの。アンダルシアの名物料理です。
●ラボ・デ・トロのおすすめ店
80年続いている家族経営の食堂。グランビアからチュエカに向かって入ったところにあります。良心的な値段で提供していて、ラボ・デ・トロは18€。
- 店名
- カーサ・サルバドール(Casa Salvador)
- 住所
- C. de Barbieri, 12
- 営業時間
- 13:15~16:00, 20:15~23:00
- URL
- https://casasalvadormadrid.com
- 休業日
- 日曜日
野菜・豆類1「アルカチョファ(alcachofa) 」 (アーティチョーク)、「カルソッツ(Calçots) 」(玉ねぎの炭火焼)、「ファバス(Fabas) 」(乾燥ソラマメ)
1「アルカチョファ(alcachofa) 」 (アーティチョーク)
日本に里帰りしていつも思うのが、アーティチョークをあまり見かけないことです。アザミ科の花なので日本にあっても不思議ではないのですが。スペインではパエリアやリゾットの中に入れたり、茹でたものをサラダに入れたり、お馴染みの食材です。「アルカチョファス・コン・アルメハス(Alcachofas con almejas) 」(アーティチョークとアサリ) はナバラ地方の代表的な料理。ナバラ料理のレストランはあまり見かけないですが、牛追い祭りで有名なパンプローナの町に行かれたときはぜひ召し上がってください。
2「カルソッツ(Calçots) 」(玉ねぎの炭火焼)
2月が旬の白ネギに似ているカルソッツ。炭火焼にして外側が黒くなるまで炙り、その中の白いジューシーな部分をヘーゼルナッツやアーモンド、トマト等で作ったカルソッツソースでいただきます。カタルーニャでは冬になるとバルでも食べられます。
3「ファバス(Fabas) 」(乾燥ソラマメ)
大きな白いソラマメ。「ファバダ・アストゥリアーナ(Fabada asturiana) 」(豆と肉の煮込み)はファバス(ときにファベス)とチョリソやモルシージャというソーセージを豚肉といっしょに煮込んだアストゥリアス地方の温かい料理です。寒い日に食べると体が温まります。
●ファバダ・アストゥリアーナのおすすめ店
アストゥリアスは海に面しているだけでなく、スペインで最も山の多い地方です。よって漁業の他、畜産業も盛んです。
アトーチャ駅の近くにあるこの店では「ファバダ」(16.5€) や、ハムとチーズをはさんだ牛フィレカツの「カチョポ(Cachopo) 」(26.5€)などの郷土料理が楽しめます。飲み物のおすすめは「シードラ(Cidra) 」(りんごの発泡酒)。ボトルを高く上げグラスに注ぎます。シードラに含まれる酢酸の一部を揮発させるためだそうです
- 店名
- エル・リンコン・アスチュリアーノⅡ(El Rincón Asturiano ll)
- 住所
- C. de las Delicias, 26
- 営業時間
- 7:30~25:00
- URL
- http://elrinconasturiano.com
野菜・豆類2「ガルバンソス(Garbanzos) 」 (ひよこ豆)
日本でも売っていますが、スペインでも意外に食べるのがこのひよこ豆です。煮込みに使ったり、夏はサラダに使ったりします。マドリードの代表的な料理「コシード・マドリレーニョ(Cocido Madrileño) 」 (マドリード風煮込み) に入っています。ひよこ豆と野菜と肉をじっくり煮込んだこの一品は日本でも作れますので、一度お店か自分で作って食べてみてほしい逸品です。
●コシード・マドリレーニョのおすすめ店
- 店名
- ラ・ボーラ(La Bola)
- 住所
- C. Bola, 5
- 営業時間
- 日~水:13:30~15:30、木~土:12:00~21:00
- URL
- https://labola.es
その他の食材「アイオリ(Aioli) 」 (ニンニクソース)、「ケソ(Queso)」(チーズ)
1「アイオリ(Aioli) 」 (ニンニクソース)
瀬戸物の器にニンニクをひとかけ、多くてふたかけ、みじん切りにして入れ、すりこ木でつぶします。そこに少しずつオリーブのバージンオイルを入れながらさらにつぶし、オイルと混ぜ合わせます。これを繰り返すとアイオリソースができます。このままだと味が濃いので、卵を加える人もいます。このアイオリソース、バレアレス諸島ではよく使います。魚やエビ、カタツムリ料理にも添えますが、レストランでは飲み物を聞かれると同時に「パン・コン・アイオリ」が欲しいかどうか聞かれます。パンにアイオリをつけて食べるのです。おいしくて、思わず食べ過ぎて、食事が出された時にはすっかりお腹がいっぱいになっていたという失敗をしたのは筆者だけではないでしょう。
2「チーズ(Queso: ケソ)」
肉類と同じでチーズも何を買っていいか分からない食べ物ですよね。スペインのチーズには以下のような種類があります。自分の好みの味を見つけられると、チーズ店にも入りやすくなりますね。
名前 | 特徴・説明 |
---|---|
「ケソ・マンチェゴ」(Manchego) | ラ・マンチャ地方産。羊乳から作られ、酸味少なく味が濃厚 |
「ケソ・カブラレス」(Cabrales) | アストゥリアス産。ヤギ乳のチーズ。ブルーチーズ |
「ケソ・マオンメノルカ」(Mahón-Menorca) | メノルカ島の中心地、Mahón産。牛乳から作られ風味滑らか、わずかに塩気と酸味がある |
「オラヴィディア」(Olavidia) | ハエンにあるQuesos y Besos社のチーズで、昨年World Cheese Awordで世界一に選ばれています。 |
筆者
スペイン特派員
今岡史江
1993年よりスペイン在住。車好きが高じて自動車整備士の資格をとり、ただ今トヨタ・イビサでメカニック中。
【記載内容について】
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