食費1日分は変わる!?タイ旅行時の両替テクニックとバンコクの現地在住日本人おすすめの両替所
普段、クレジットカードや電子通貨で買い物をする方も多いと思いますが、海外旅行の際は現地通貨も準備しておきたいもの。しかし、現地通貨の両替にあたってどこで替えたらいいのか、両替所によってどのくらい変わるのかわからない方もいるかもしれません。
そこで今回は、タイの通貨、バーツの両替テクニックと筆者(バンコク在住)のおすすめの両替所を紹介します。また、タイ・バンコクの玄関口となるスワンナプーム空港とドーン・ムアン空港内外の両替所の情報も記載しています。ぜひ、両替時の参考にしてみてください。
タイの通貨の種類
タイの通貨単位はバーツ(Baht、略記:THBまたはB)です。バーツの補助通貨はサタン(Satang)で、1バーツは100サタンです。
紙幣の種類は、20バーツ、50バーツ、100バーツ、500バーツ、1000バーツの5種類で、硬貨の種類は、写真の左から順に、25サタン、50サタン、1バーツ、2バーツ、5バーツ、10バーツの6種類です。
1バーツはいくら?時期と両替場所によって大きく変わる!?
為替レートが違うとどうなる?
2022年9月時点で1バーツは約3.8円です。筆者がタイで暮らし始めた2011年時点では1バーツ約2.5円だったので、現在と比べると1バーツ1.3円の差があり、円安が進んでいることがわかります。
この1.3円の差を身近なもので例えてみると、2011年は100バーツのドリンクが約250円だったのが、現在では約380円かかることになり、同じドリンク1杯でも日本円に換算すると約1.5倍の差が開いていることになります。タイ旅行のために10万バーツ用意しようと思ったら、2011年は25万円で済んだのに対して、現在では38万円必要になります。このように、為替レートの変動によって支出は大きく変わってくるのです。
両替所と銀行ではどっちがお得?
両替は手数料が含まれたレートで行われるため、金額や場所によって手にする額は多少変わってきます。例えば銀行の窓口で1万円をバーツに両替すると、約60バーツ(約230円)分、手数料として取られます。バンコク市内の両替所は、基本的に銀行よりも手数料は低めです。
また、手数料は両替所同士で比較しても差はさほど大きくはなく、10万円分両替しても約50バーツ(約190円)程度です。そのため手数料で額が変わってくるといっても、両替所までの交通費を考慮すると交通費のほうが高くつく可能性があるため、近場の両替所で済ませてしまうのが得策でしょう。
このように、両替をする場合は銀行ではなく両替所を選ぶとよいでしょう。そして両替所の場合は、金額が多くない場合は移動費のほうが高くなってしまうこともあり、タイバーツから日本円などの外貨の両替では両替所によっては在庫切れになっている場合もありますので、近場で済ませてしまうのが得策でしょう。
次に、便利&お得な両替所について、具体的に紹介していきます。
円・バーツの両替はどこでするのがおすすめ?
前提として、円からバーツ、バーツから円への両替は、どちらの場合も日本よりもタイで行うほうがレートがよいです。タイ旅行時は、事前に両替しておくと安心ではありますが、到着後に両替したほうがお得でしょう。
ただし、タイならどこでもよいかというとそうではありません。バンコクの玄関口となるスワンナプーム空港やドーン・ムアン空港では協定レートというのが適用されるため、両替レートはあまりよくありません。
空港内外で比較すると、1万円の両替で200バーツ(約760円)以上差が出ることもありますので、空港内での両替は最小限にし、町中の両替所を利用するのがおすすめです(不安な場合は、空港では1万円程度の両替にとどめるとよいでしょう)。ショッピングセンターにはほぼ必ず両替所が入っていますし、町中であれば駅の中や近くにあることが多いです。
空港にある両替所
空港で両替を行いたい方もいると思いますので、空港にある両替所の中でも、できれば避けたほうがよい店舗、レートがよい店舗を紹介します。
スワンナプーム空港
スワンナプーム空港(Suvanrnabhumi Airport)のメインターミナルには、バンコク銀行、サイアムコマーシャル銀行、カシコン銀行などの両替所がありますが、前述した通り、空港施設内の両替所のレートはよくありません。しかし、B階(地下1階)へ降りエアポートリンク乗り場(ノボテルホテル近く)まで移動すると、レートのよい両替所が複数集まっているエリアがあります。
同じB階でも、空港施設から降りてすぐのところにある、上の写真のカシコン銀行の両替所のレートはよくありませんので気を付けましょう。
コロナ渦でいくつかの両替所は撤退していますが、オレンジ色が特徴のスーパーリッチ、緑色が特徴のカシコン銀行、青色が特徴のハッピーリッチエクスチェンジの3か所は営業しています。空港施設内の両替所と比較すると、1万円の両替で200バーツ以上の差がありますので、時間や体力に余力のある方はこちらのエリアまで行って両替することをおすすめします。ただし、営業時間が6:00~23:00前後なのでご注意ください。
ドーン・ムアン空港
ドーン・ムアン空港(Don Mueang International Airport)内にも両替所はたくさんあります。事前に見聞きしていた情報では、国内線ターミナルの両替所のレートが比較的良好になったという話がありましたが、筆者が見に行った際(2022年6月末時点)は、空港内で営業している店舗は全て同じレートでした。
国際線ターミナル1
現在、ドーン・ムアン空港の国際線ターミナル1で営業しているのは、1階(グランドフロアー)にあるアユタヤ銀行(現地呼称:クルンシイ)。こちらは、毎日24時間営業と窓口や看板に書かれていますが、現在は9:00~18:00の営業になっています。
そのほか、3階の3番・4番出入口の間にはカシコン銀行の両替所があり、こちらが唯一24時間営業となっています。1番出入口近くにはバンコク銀行系列の両替所があり、毎日6:00~20:30まで営業しています。
※24時間営業といっても、従業員は常時一人しかいないようです。不在時は、戻ってくる時間の貼り紙が掲示されていることがありますので、窓口を確認してみましょう。
国内線ターミナル2
国内線ターミナル2では、1階(グランドフロアー)の12番出口近くにあるカシコン銀行のみ、毎日8:00~20:00で営業しています。
国内線ターミナル2の3階、4番出口近くにある水色が目印のクルンタイ銀行両替所は、ターミナル1の3階、4番出入口近くで営業となっています。
ドーン・ムアン空港内の両替でお得とよく聞く、4階の銀行ゾーンにあるカシコン銀行、サイアムコマーシャル銀行、バンコク銀行の3銀行は残念ながら閉鎖中です。政府貯蓄銀行(GSB)は営業していますが両替サービスは行っていないとのことでした。
ドーン・ムアン空港近くの両替所情報
ドーン・ムアン空港近くにも、スワンナプーム空港同様ハッピーリッチエクスチェンジがあり、バンコク市内の両替所並みのレートで両替できます。
手数料は日によって変化しますので、気にする方は下記サイトで当日のレートを確認することをおすすめします。具体的な金額で比較してみると、2022年6月末のレートでは、ドーン・ムアン空港内全両替所は1万円で一律2454バーツのところ、ハッピーリッチエクスチェンジは2570バーツとなり、116バーツ(約440円)お得でした。
タイ旅行中に必要なバーツを一回で両替したい方は、こちらで全額両替してもよいでしょう。
こちらの店舗の場所は、現在も一部の路線で利用されているタイ国鉄の旧ドーン・ムアン駅(Don Muang Railway Station)のすぐ近くです。タイ国鉄のレッドラインの新駅であるドーン・ムアン駅とは別の場所なのでご注意ください。分かりにくいので、ドーン・ムアン空港からの行き方を以下に写真付きで紹介します。
ドーン・ムアン空港からハッピーリッチエクスチェンジへの行き方
1. ドーン・ムアン空港国際線ターミナル1のG階、6番出入口近くにあるAmari Hotel(アマリホテル)入口の通路から、2階に上ります(ターミナルの2階からは直接アクセスできないので、一度G階へ下がる必要があります)。
Amari Hotel入口にはエレベーターがありますが、利用することができない場合があります。その場合は、エレベーター近くにある階段で2階へ向かいます(上記写真の矢印が入口)。階段は比較的せまいため、大きなスーツケースを持っている方はぶつからないように気を付けましょう。
階段で上る場合、2か所の階段を通る必要があります。まず、上記写真の赤い手すりがついた階段をのぼります。
その後、「Railway Station」という標識のある方向へすすみ、ふたつめの階段を上ります。
2. エレベーターを降りると(または階段を上って左手を見ると)、上の写真の通り「TRAIN STATION」への誘導案内がありますので、右の扉を開けて、「Don Muang Railway Station」の案内の方向へ歩いていきます。
3. すぐに「Bangkok Bound Platform」の案内が出てきますので、右折してスロープを降りると、左手に両替所があります。
以上がドーン・ムアン空港近くにある、ハッピーリッチエクスチェンジへの行き方です。町中と同じくらいのよいレートで両替できるためおすすめです。ただし空港から少し歩くことになり、また店舗は外に面しているため、荷物が多い場合、大雨や猛暑の場合はこちらの店舗ではなく、町中まで移動してから両替所に向かうほうがよいかもしれません。以下の項目で、町中のおすすめの両替所を紹介します。
バンコクの町中にあるレートがよい両替所
ワスエクスチェンジ「VASU EXCHANGE」
筆者が最もよく利用する両替所は、ワスエクスチェンジ(VASU EXCHANGE)です。おすすめする理由は以下の4点です。
- 公式サイトでレートがほぼリアルタイムで表示されるため、事前に両替金額がいくらになるのか計算できる
- 窓口には日本語が話せる人がほぼ常駐している
- 他店で外貨がない時もここでは常備していることが多い
- 店舗が広く座席があるため、受け取った紙幣を店内でゆっくり確認することができる
BTSナナ駅から徒歩1分、BTSアソーク駅からも徒歩7分の距離にあります。公式サイトにわかりやすい地図が掲載されているので、活用してみてください。
ワスエクスチェンジ(VASU EXCHANGE)
- 営業時間
- 月曜~金曜9:00~18:00、土曜9:00~17:00
緑のスーパーリッチ「Superrich Thailand Forex」
バンコク市内には、スーパーリッチという両替所が至る所にあります。通称、緑のスーパーリッチ(Superrich Thailand Forex)とオレンジのスーパーリッチ(SuperRich Thailand)がありますが、どちらもレートがよいことで有名です。
はじめに、緑のスーパーリッチでアクセスがよい2店舗を紹介します。どちらもショッピングモール内にあります。
エンポリアム店
- アクセス
- BTSプロンポン駅下車すぐ
- 営業時間
- 平日11:00~20:00、土日10:30~20:00
サイアムパラゴン店
- 場所
- 3階The Jewel Zone
- アクセス
- BTSサイアム駅下車すぐ
- 営業時間
- 毎日11:00~20:00
※ほかの支店情報(場所や営業時間など)については、上記公式サイトで検索可能です。
オレンジのスーパーリッチ「SuperRich Thailand」
次に、オレンジのスーパーリッチ(SuperRich Thailand)を紹介します。
セントラルワールド店
- 場所
- 3階Beacon Zone opposite Hinoya Curry Restaurant
- アクセス
- BTSチットロム駅直結
- 営業時間
- 毎日11:00~20:00
セントラルエンバシー店
- 場所
- 2階Zaraショップの近く
- アクセス
- BTSプルンチット駅下車すぐ
- 営業時間
- 毎日11:00~20:00
アソーク店
- アクセス
- BTSアソーク駅改札外1番出口すぐ
- 営業時間
- 毎日10:00~19:00
スクムウィット店
- 場所
- MRTスクムウィット駅Metro Mall内
- 営業時間
- 毎日10:00~19:00
アイコンサイアム店
- 場所
- 5階MK Suki近く
- 営業時間
- 毎日11:00~20:00
パヤー・タイ店
- 場所
- BTSパヤー・タイ駅とエアポートリンクパヤー・タイ駅をつなぐ通路、3階チケット売り場近く
- 営業時間
- 月曜~土曜 10:00~19:00
スワンナプーム空港店
- 場所
- 国際空港B階、ノボテルホテル近く、エアポートリンク接続エリア
- 営業時間
- 毎日5:30~23:30
※ほかの支店情報(場所や営業時間など)については、上記公式サイトで検索可能です。
ちなみにスーパーリッチ アソーク店は、駅直結でレートもよいため在住日本人の間で人気の両替所です。人通りの多いところなので、受け取り後は目立つように札を数えたり、手に持ったまま移動したりしないようにしましょう。
両替金額の確認方法
円からバーツへ両替する場合の計算方法
両替する時は、金額が正しいかどうか念のため確認しましょう。日本円をバーツに両替する場合の計算方法は簡単です。日本円(JPY)でタイバーツを購入するという意味で、「Buy(ing)」の欄を見ます。タイ語表記の場合は「ราคาซื้อ(=買う)」の欄を見ればOKです。
例えば上の画像のように、0.27950(※)と表示されている場合、1円で0.27950バーツを購入するという意味になります。つまり、1万円=2795バーツになります(両替したい金額10000円×0.27950で計算)。
※両替所によっては、27.95という表示の場合もあります。
バーツから円へ両替する場合の計算方法
タイから日本へ帰国する時に、バーツを円に両替する人もいるでしょう。その時は、タイバーツを売却するという意味で、「Sell(ing)」の欄を見ます。タイ語表記の場合は「ราคาขาย(=売る)」の欄を見ればOKです。
上の画像のように0.28200と表示されていれば、1円を0.28200バーツで売却するという意味になります。1万円の場合2820バーツになりますが、手持ちのバーツがいくらになるのか計算するには、手持ちの金額÷0.28200で計算します。例えば1万バーツを日本円に両替するなら、1万バーツ÷0.28200=3万5460円です。
タイバーツから日本円などの外貨への両替の際は、区切りのよいタイバーツを渡しても、レートの関係で区切りのよい日本円や外貨への両替を受け取ることができません。例えば、10万バーツを日本円に両替しようと思っても、10万バーツちょうどが日本円に両替されるわけではありません。基本的に、両替所では細かな外貨は持ち合わせていないためです。そのため、あらかじめ行く両替所のレートが分かっている場合は、区切りのよい日本円をもらえるよう計算してタイバーツを渡してもよいかもしれませんね。
上の写真は、10万バーツ渡すと9万9828バーツ分が両替され、35万4000円を受け取ったときのものです。両替できない分はタイバーツで戻ってきました。
両替時の注意点
両替を行う際に気を付けたほうがよいポイントを記載します。
・両替時、パスポートの提示が求められますので忘れないようにしましょう。
※両替所によってはコピーでよい場合もあります。
・両替の際には、1000バーツや500バーツ紙幣だけでなく、20バーツ、50バーツ、100バーツ紙幣も混ぜてもらえるよう依頼しましょう。
タイではタクシー乗車、市場での買い物、チップに20バーツ~100バーツ紙幣をよく使います。特にタクシーやローカル市場では1000バーツ紙幣を渡すとお釣りがないと言われることが少なくありません。最低でも100バーツや50バーツ紙幣は用意していきましょう。両替所で細かな紙幣をもらえない場合は、スーパーやコンビニエンスストアなどで買い物をしてくずすとよいでしょう。
・タイバーツではなくほかの外貨へ両替をする場合、紙幣の破れや汚れがないかをその場で確認し、必要に応じて交換してもらいましょう(例えば、カンボジアで使うためのドル両替時など)。
タイでバーツを使う場合、紙幣に破れや汚れがあっても問題なく使えますが、他国の紙幣の場合は破れなどあると、使用および両替を拒否されることがあります。そのため、特に多額の紙幣を受け取る時には気を付けたいところです。
・タイ滞在中は旧紙幣から積極的に使うようにしましょう。
2018年から、ラーマ10世(ワチラーロンコーン新国王)の肖像画の入った新紙幣の発行が開始されています。タイ国内では旧紙幣も使えますが、他国での両替や近隣諸国での利用は難しくなったり、レートが悪くなったりします。タイバーツ以外への両替の際も、旧紙幣は両替対象外の場合がありますので、お気をつけください。
最後に
タイの通貨バーツと両替について紹介しましたが、いかがでしたか。初めてタイに行く方や海外旅行に慣れていない方の中には、両替について不安に思う方もいると思いますが、ぜひこの記事を参考に両替を行ってみてください。
不安な方は、空港である程度必要になりそうな金額を両替しておき、残りは滞在施設の近くや観光スポット近くの店舗で両替すると安心です。滞在中に使いきれず余りそうな紙幣は、帰国前に日本円に両替するか、次の旅行まで保管しておくとよいでしょう。日本でも両替可能ですが、両替手数料が高いので、タイ国内での両替か使い切ることをおすすめします。ご自身が安心できる方法で両替し、お得なタイ旅行を楽しんでいただけたらうれしいです。
参考情報
タイバーツ両替レート比較 バンコクのお得な両替所情報:https://jpy-thb.com/
バンコク市内のレートがよいところや各両替所のレートについて、インターネットで随時更新されています。両替の際にはチェックすると目安になってよいでしょう。
監修:地球の歩き方
※記事内の料金は、1バーツ:3.8円を参考に計算しています。
筆者
タイ特派員
Taeko
2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。
【記載内容について】
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掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
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