【スコットランド】セントモーナンスにあるフィッシュマーケット

スコットランドで獲れる主な魚はタラなどの白身魚類、カレイ類、イカ、貝やエビが主なものです。その他スコットランド産のサーモンも有名ですよね。
ヨーロッパの中でもスコットランドの漁業は強く、大きな産業の一つでしたが、2019年のブレグジット（ユーロ離脱）によってその様相は一変し、輸出規制が強まったために主にヨーロッパを対象にしていた魚市場は下降の一途をたどりました。そこで最近ではスコットランドの北にある漁業の町ピーターヘッドを先頭に、ヨーロッパを超えてアジア圏にも市場を広げるべく、設備とネットワークを整えているようです。

スコットランドで主に食されている魚は白身魚のハドック（コダラ）です。名前の通りタラよりも小ぶりの白身魚。タラよりも味が濃いと思います。それを揚げて、揚げた芋（チップス）と共に食べます。いわゆるフィッシュアンドチップスですね。そう、こちらでは魚を生で食べることはほとんどありません。スコットランドの人たちは魚を調理、加工して食します。揚げ物、焼き物がメインで、あとはスモークにしたり、パテにして食べるのが一般的。カレンスキンクスという魚のスープも代表的な料理のひとつですね。それはそれで確かに美味しいですが、日本人の私としては、せっかく海に囲まれ、新鮮な魚が手に入るのに、刺身で食さないのはもったいない、と感じることもしばしばです。

セントモーナンスでは昔から漁業の町として栄えていたようです。現在でもハーバー近くにはフィッシャーマンコテージとよばれる漁師が暮らしていた家が立ち並び、それをレストランやショップとして再利用している所もあります。この町では現在も毎日水揚げがされていて、スコットランドの中でも主要な魚市場の一つになっています。

スコットランドで魚を購入するには、地域の魚屋、スーパーマーケット、地域で定期的に開催されるマーケット、そして魚を車で売りに来るフィッシュバンがあります。最近ではオンラインという方法もありますね。
しかし実際のところはフィッシュアンドチップスの店で調理済みの魚を購入する人が圧倒的に多いと感じます。

私もいろんな魚屋に行ってみました。しかし売っている魚はほとんどが調理用の魚で、刺身として食べるには鮮度がいまひとつです。新鮮な魚を売りに来るフィッシュバンも、鮮度と品ぞろえの両方で不満が残ります。スーパーマーケットに至っては、ほとんどが真空パックのもの。たまに切り身や魚一尾が売られていることもありますが、やはり刺身としては鮮度が全く受け入れられない状態です。
ちなみにスモーク魚やパテはどこで購入しても、とても美味しいです。スモーク魚はさっとあぶって食べるとウイスキーに合いますし、パテはフランスパンやクラッカーにのせて食べると最高です。

G＆J Wilson Ltdはセントモーナンスにあるフィッシュマーケットです。3～4軒の魚屋が集まっていて、ここには毎日水揚げされたばかりの新鮮な魚が運ばれてきます。ここはファイフ地方の主な魚市場のひとつとなっていて、スーパーマーケットやフィッシュバン（車で魚を売りに来る人）に商業用として卸されているだけでなく、一般にも開放されています。

実際に行ってみると、品ぞろえも豊富で、とにかく新鮮です。スコットランドの人は自分で魚を捌く人が少ないので、売られている魚も切り身が中心ですが、鮮度はすばらしいです。
私が行ったときにはランガスティーンというエビが水揚げされたばかりで、まだ生きているエビがそのまま売られていました。ここに来れば刺身として食べられる魚を手に入れることが可能です。また、スモークの魚やパテもこの魚屋オリジナルの物が売られていました。
この日私はエビ、ハドック（白身魚）、サーモンとマグロを購入しました。値段も市場価格に比べてかなり安く、全部で2000円ほどでした。

さっそくマグロとサーモンを刺身で食べてみました。（エビと白身魚はさっと焼いて食べました。写真を撮り忘れるほどとても美味しかったです。）
魚は新鮮でしたね。刺身としても最高でした。スコットランドでこの鮮度の魚が食べれるのはうれしいですね。しかも値段が安いので、刺身や寿司が食べたくなったときには、ここを訪れようと思います。

今回はスコットランドでようやく見つけた、日本人にもうれしいフィッシュマーケットを紹介しました。
フィッシュアンドチップスも美味しいですが、やはりたまには食べたくなるのが刺身や寿司ですよね。私自身このフィッシュマーケットに出会うことができて、本当にうれしいです。
皆さまもスコットランド、セントアンドリュースにお越しの際には、この美しい海辺の町、セントモーナンスに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。