デモ便乗の破壊活動によりパリではバスとトラムが21時以降は運休、同措置は新たな指示があるまで継続
2023年6月30日よりパリ交通公団(RATP)は、バスおよびトラムの運行を21:00までとする措置を取っています。同措置は、当局から新たな指示があるため継続されます。現在の状況をまとめました。
なぜバスとトラムの終車繰り上げが行われているのか?
6月27日にパリ西郊外のナンテールで、フランス人の少年(17)が警官の交通取り締まりによる停止命令を拒否して逃げ出したため、警官に射殺される事件が起きました。その警官の行為に対する市民らの抗議行動が、現在フランス各地の都市部を中心に広がっています。
一方で、同抗議活動に便乗する形で、町中にあるゴミ箱や、駐車してあるバスやトラムといった公共交通機関車両への放火、商店の略奪、建物の破壊といった違法行為をする人が増えています。
それを受けてRATPは、県警察およびイル・ド・フランス・モビリテの要請により、6月30日からバスおよびトラムの運行を21:00までに制限しています。そのため実質的に19:00から順次、最終便となっています。この夜間の運休措置は、当局から新たな措置があるまで継続されるため、今後も状況が変わらない限り続く予定です。
なお、地下鉄は通常通りのダイヤで運行しています。
21時以降は運休となる路線
バス
全線
トラム
全線(T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9、T10、T11、T12、T13)
措置は急に変わる可能性があるため、RATP公式サイト内の運行情報も併せて確認することをおすすめします。
筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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