大草原を駆け抜ける! 誰もが使えるイギリスの公有地でママさんランニング

公開日 : 2023年07月15日
最終更新 :

ジョギングやマラソンなど、走ることが世界的なブームになって久しいですが、わが子が通う学校でも気候がよくなってきた5月より、週に1度登校直後の15分間で希望者のみランニングをする活動が始まりました。雨の日は体育館で実施されます。

ママさんランナーの誕生

これを受け触発されたのが、とあるアマチュアランナーのお母さん。子供の学年を問わず全校生徒の母親を対象に募集をかけ、ママさんランナーの会をあっという間に結成してしまいました。以前は普段よりトレーニングを重ね大会にもときどきは出場していたというのに、足を痛めて以来めっきり走らなくなってしまったといいます。そのため、ランニング仲間を作ってモチベーションを上げたい、と思ったことがきっかけだそうです。

市民の憩いの場である公有地、コモン

イギリスにはコモン(common land)と呼ばれる市町村の共有地があり、たいていだだっ広い原っぱになっています。ママさんランニングの会でも週に2回、子供たちを学校へ送り届けたあとにこのコモンに現地集合します。例えばとある場所の場合、広さは37エーカー(約15万平方m)で東京ドーム3個分強、電車の2駅分ほどあります。

高台に位置し高層ビルなど視界を遮るものがないので、眼下に広がる住宅街や自然の景色を楽しむことができます。ほかの個人ランナー以外にも犬の散歩やベビーカーを押す人、ゆったり歩くお年寄りなど地域住民の姿が多く、皆リラックスしてそれぞれの時間を過ごしています。

公園ではないので遊具や庭園、売店などはなく、例えるなら土手がそれに相当するような気がします。ただし、そばに川はなく草も樹々もより生い茂り、地域によって管理された広大な空き地のようなイメージです。

皆で走れば(三日坊主も)怖くない!

参加者の数は毎回10名ほどですが、始めはウォーキングの方が多く合間に走る程度だったのが、日を追うごとに走る時間を徐々に伸ばしていくなど、発起人が本格的なランナーなだけあり、無理なく計算されたプログラムが組まれています。

初日はウォーキング、30秒間の軽い走りを繰り返して引き返す行程。翌週には走りが2分になり、その翌週には3分、4分、同じエリアをグルグル周るなど変化に富み、飽きることなく走行距離を延ばせています。最後には芝生に寝転んでストレッチまでするので、このような体験は子供の頃以来で童心に返ってしまいます。

精巧なストップウォッチを持ったリーダーのお陰で全体の活動時間もきっかり45分と決まっており、終わったあとは各自速やかに帰宅します。学校の休み期間には子供たちも連れていき、さらににぎやかに走りました。

夏本番を迎える爽やかな初夏(こちらはまだ肌寒いんです! )の青空の下、とても健康的で有意義な朝活を楽しんでいます。イギリスには全国各地、コモンという名ではなくともいたる場所にこのような大草原や公園があるので、観光で訪れた際にも気軽に活動できますよ。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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