アフリカ進出を果たした西デリバリー企業Glovo、ウガンダでの使用感

公開日 : 2024年06月02日
最終更新 :
筆者 : 村中千廣
  • 「西」と表記したのは、文字数の都合によるものであり、独自の歴史や文化をもつカタルーニャがスペインの一部であることを強調するステートメントでなければ、カタルーニャの自治を訴える主張を否定するものでもありません。
  • 本稿に記載されている「シリング」は全て「ウガンダ・シリング (UGX)」を指します。
  • 本稿はGlovoアプリでのクレジットカード登録・利用に関する安全のお墨付きではございません。

東部アフリカの地でも、アプリで簡単に料理や食品の配達が完結することをご存じでしたか? 少なくとも筆者は当地を訪れるまで知りませんでした。

バルセロナを本拠地とする大手デリバリー企業のGlovoはアフリカ大陸においても急速に勢力拡大を続けています。現在25ヵ国でサービスを展開しており、カンパラには、東アフリカとしてはナイロビに次いで2番目、アフリカ大陸では4番目の都市として2020年に進出を果たしました。

感想を添えて使用方法を紹介します。

使い方

1. 設定

App Store あるいは Google Play からアプリをインストールして初期設定を行います。クレジットカード情報の登録は必須ではありませんが (プライム会員を除く)、試しに日本のクレジットカードを登録して利用したところ、3ヵ月経過した時点で不正な引き落としなどは確認されておりません。使用したカードは以下のとおり。

  • Sony Bank WALLET (VISAブランド・デビットカード)
  • EPOSゴールド (VISA)

2. 注文

Glovoアプリのホーム画面
Glovoアプリのホーム画面

アプリを起動し、注文したい食品・料理のアイコンをクリックします。ホーム画面に表示されるメニューは不定期で変わります。筆者は「フードという大カテゴリーと同系列で、KFCだの何だの特定の飲食店を表示するのは、合理性に乏しく、見にくいから…… (略)」等と否定的な見解をもっているのですが、このように広告料を追加で徴収し、ホーム画面上のプレゼンスを高められるオプションを設けることでビジネスを成り立たせているのでしょう。

薬局という選択肢も提示されますが、注文が可能なのは処方箋を必要としない医薬品類に限ります。

Glovo Partyの画面
Glovo Partyの画面

Glovoでアルコール飲料を注文する際は「Glovo Party」からの注文が確実です。筆者が「Supermarket > Carrefour > Alcohol」で、一般食品とまとめてアルコール飲料の注文を試みた際には、「取り扱いがない」との理由でアルコール飲料のみ注文が勝手に取り消されたことがありました。「Glovo Party」カテゴリーでアルコール飲料を個別に注文した際には、受け取り時にも特段身分証明書の提示は求められませんでしたが、アルコール飲料の販売・摂取には法的な年齢制限が設けられていることをかんがみて、何らかのフィルタリングが設けられている (あるいは体裁上そうしている) 可能性があります。

Restaurant画面トップ
Restaurant画面トップ

「Food > Restaurant」と画面操作を進めると、掲載されている飲食店の一覧が表示されます。料理のジャンル、配達所要時間、評価、配達料金等で並び替えすることが可能です。ただし、配達所要時間は時間帯によって大きくムラがあり、天候や道路の混雑状況によっても左右されます。時間に余裕のある場合を除き、過度に信用することは禁物です。筆者はこれまでにGlovoのデリバリーを計57回利用しましたが、注文完了時に表示された所要目安時間通りに配達が完了したのは、半数程度です。

  • 配達される設定

    配達される設定

  • 注文者自らが受け取りに行く設定

    注文者自らが受け取りに行く設定

また、黄色で塗られた右上のバイクをタップし、歩く人型を黄色の状態にすることで、自分で注文をピックアップする設定に変更されます。日本で言うところの「モバイルオーダー」に相当するでしょうか。当然ながらこの場合配達料は発生しません。

注文画面
注文画面

注文したい品を全てバスケットに入れ終えたら、会計に進みます。飲食店を対象とする場合は、食物アレルギーに関する要望を記載する備考欄やカトラリー(スプーン、フォーク、ナイフ、紙ナプキン)等が必要な場合にオンにするチェック欄があります。もっとも、「料理にはパクチーを添えないでください」と記載したところで、たっぷりと振りかけられていることが大半なので、備考欄が活用されているかははなはだ怪しいです。

支払い方法選択画面
支払い方法選択画面

支払い方法は4種類。クレジットカード(デビットも可)の他、Apple Pay、モバイルマネー、現金から選択が可能です。モバイルマネーはAirtel UgandaMTN Ugandaの2種類が使用可能です。モバイルマネーでの支払い時には手数料が追加で請求されます。

現金支払いを選択した際に表示される画面
現金支払いを選択した際に表示される画面

現金での支払いを選択する場合は注意が必要です。支払い予定額を入力することで、おつりの用意を要求する便利なシステムが備わっているものの、配達員が注文者の要求に応じて適当なおつりを用意していることは少ないのが現状です。行き当たりばったりで、通行人に両替を依頼する配達員もいれば、「少額のおつりなら、チップとしてよこせ」と言わんばかりに非協力的な配達員もいます。トラブルを回避するためにも、おつりが発生しないよう事前に代金を準備しておくことが賢明です。

3. 受取り・評価

配達員とのチャット画面
配達員とのチャット画面

アプリにはチャットや通話機能が備わっており、配達地点が分からなかったり、大幅な遅延が見込まれる際等には配達員の方から連絡が入ります。筆者は配達地点を滞在施設の敷地外に設定しているため、到着通知を受け取った際に「今、向かっています」等とメッセージで配達員に知らせるようにしています。

配達員
@chivillain 配達員

ロゴ入りの上着を身に着け、指定のキャリーバッグを背負っているため、配達員はひとめで分かります。注文した品を受け取ったら、極力その場で中身を確認し(ただし、周囲への用心をおこたらずに)お礼を伝えましょう。

配達された料理
@chivillain 配達された料理

想像以上にきちんと包装されており、汁物を除き、食べ物が容器からこぼれていることはほとんどありません。路面の穴ぼこが多い丘陵都市カンパラにおいて、安全に料理を届けることは決して容易な任務ではないでしょう。配達員にもしっかりとお礼を伝えます。

評価画面
評価画面

注文完了後にアプリを起動すると、直前の注文の評価を求められます。飲食店 (あるいは食料品店等) と配達員を個別に評価します。よい悪いの2択からいずれかの評価を下すと、コメントの入力が可能になります。

配達員には配達を完了する毎に手数料が支払われます。複数の配達員に直接訊ねてみたところ、1配達あたりの稼ぎは3000~5000シリング (123~205円) 程度とのことです。当地で稼働するUber Taxiと同様に働き手の取り分が限定的であるため、満足のいくパフォーマンスだと感じた際にはチップをお渡し (現金以外の支払い方法を選択した際には、チップの有無及び割合を注文時に指定する) するのもひとつの選択肢です。

4. 利用のコツ

その1:Glovo Primeを活用する

追加で23997シリング (約984円) を支払うことで、対象加盟店からの配達料が3ヵ月間無料になります。1回あたりの配達料が通常1900~4400シリング (約78~180円) であるため、利用する店舗によりますが、3ヵ月間で最低6~13回利用することで、確実にプライム会員の恩恵に預かることができる計算になります。

ただし、飲食店の場合は注文の合計が1回あたり最低15000シリング、スーパーマーケットの場合1回あたり最低26700シリングであることが条件になります。

その2:配達に最適なものを見定める

優秀で誠実な配達員を割り当てられた場合には特段サービス品質上の問題はありませんが、まれに「(注文した品物が) 売り切れている」等の理由で、自己判断で異なる代替品を配達してしまう配達員も見受けられます。筆者の経験では、500mlの飲み物を注文したにも関わらず、300mlのものが届けられたり、「non-spicy (辛くない)」味付けを選んだにも関わらず、「spicy」の料理が届いた経験があります。何種類もの異なる品を同時に注文したり、高額な品をGlovoで手配したりすることは控える方がよいかもしれません。

その3:受け取りポイントを慎重に吟味する

日本でそうであるのと同様に、アプリ上で、集合住宅や滞在ホテルのドアまで届けてもらうよう指定することは可能です。一方で、当地において、不特定多数の人間に所在地を知られる機会を作る行為は賢明ではありません。受け取り地点をレセプションや守衛室の前に設定する等、生活の安全を損なう潜在的なきっかけを未然に防ぐことが重要です。

おわりに

カンパラにおいては大変便利なサービスを提供する一方、同社は本年5月10日をもって、充分な採算性がないことを理由にガーナから撤退することを発表しており、今後の大陸でのビジネス継続には注目が集まっています。大手Jumiaグループ (Jumia Technologies AG) も、ウガンダで展開していたフードデリバリー事業を2023年12月をもって終了させたため、Glovoのウガンダ事業に関しても試験的な部分があるのかもしれません。

  • 記載価格は2024年5月7日時点、OANDA(153.81円=1米ドル=3,751.19シリング)発表の両替レートに基づいて算出しています。

筆者

タジキスタン特派員

村中千廣

人道支援・開発援助分野でキャリアを構築しながら、駐在・渡航先での発見や観光情報を発信するライター。

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