メキシコのジェンダー平等と女性大統領誕生 クラウディア・シェインバウムさん

公開日 : 2024年07月08日
最終更新 :
筆者 : MIKI PASSOS

メキシコのジェンダー平等と女性大統領誕生 クラウディア・シェインバウムさん

皆さま、大変ご無沙汰しております。

最後の更新から気がつけば4年近くの歳月が流れてしまいました。
この間にコロナ禍があり、その後のさまざまな変化を経て、ようやく再始動となりました。
改めて、メキシコの魅力や日々のできごとを皆さまにお届けできればと思っています。

再始動のきっかけのひとつが、6月2日に行われたメキシコの大統領選挙でした。
メキシコで初の女性大統領が誕生したというこの歴史的なできごとに刺激を受け、今後のメキシコの変化や女性大統領クラウディア・シェインバウムさんに興味をもったことです。

政治には詳しくありませんが、私自身も女性として、クラウディアさんのような女性リーダーが誕生したことに深い共感を覚えますし、
長年メキシコで生活しているなかで、政権が変わるたびに感じる国民の反応などを今回は綴ってみたいと思います。
もちろん、政治を批判する意図は一切ございませんのでご了承ください。

メキシコでは「パリテ制度」(スペイン語では ley de paridad)によって女性の進出が進んでいます。これはフランス語で「平等」を意味し、政治や経済で男女の平等を促進するための政策です。
今回の大統領選挙で注目を集めた理由のひとつに、一騎打ちといわれたもうひとりの候補者であるソチル・ガルベスさん(PAN所属)も女性候補であったことがあります。
余談ではありますが、私が勤務する企業でも社員の半数が女性であり、スーパーバイザークラスでも女性が半数を占めています。

2014年の憲法改正で連邦および州議会にパリテ制度(ley de paridad)が導入され、2019年には行政府、司法府、自治体にも適用され、その結果、2018年にはメキシコシティの市長に初めて女性が就任し、その人物がクラウディアさんでもあるわけです。

クラウディアさんのプロフィールは以下の通りです。
本名:Claudia Sheinbaum Pardo
生年月日: 1962年6月24日
出身地: メキシコ市
経歴:
• 愛称: 博士(スペイン語では "la Doctora")
• 学歴: メキシコ国立自治大学(UNAM)で博士号を取得
• 専門分野: 科学者としてエネルギーや環境に関する100本以上の論文と2冊の著書を執筆
• ノーベル平和賞: 2007年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の一員としてノーベル平和賞を受賞
• BBC選出: 2018年、英国放送協会(BBC)の「100人の女性」に選出
クラウディアさんのご両親や兄弟も学者一家だそうです。
政治家としては、先にもご案内した通り前メキシコ市長も務め、現大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールを支持しているので、
政党は、国民再生運動(Movimiento Regeneración Nacional)通称MORENAと呼ばれる左派政党です。

メキシコのジェンダー平等の進展は、パリテ制度の導入とクラウディアさんのような女性リーダーの登場によって一層進展しています。
2023年の世界ジェンダー・ギャップ指数ランキングによるとアイスランドが14年連続で1位を維持し、2位ノルウェー、3位フィンランド、4位ニュージーランド、5位スウェーデン。
メキシコは33位で、日本は125位という位置付けです。

スペイン語では名詞に性別があり、従来は大統領を「PRESIDENTE」と男性形で表現していましたが、クラウディアさんが大統領になってからは、
女性形の「PRESIDENTA」も一般的になり、メキシコ初の女性大統領としての役割を強調していることも変化だと感じます。
依然として「マチズモ(男性優位主義)」が根強く残っているメキシコではありますが、このような背景のなかで、
女性がリーダーシップを発揮することは大きな挑戦であり、クラウディアさんの存在は政治に興味がなくても女性たちにとっては非常に刺激的なことですよね。

メキシコの大統領は任期6年で再選不可です。
メキシコ独立記念日の9月15日には、現大統領アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールさんにとって最後のGRITO(グリート)となり、メキシコシティのソカロで「¡Viva México!」(メキシコ万歳!)と叫ぶセレモニーで締めくくられます。

GRITOはメキシコシティの中心にある国立宮殿で行われ、15日の23時になると、大統領が宮殿につり下げられた鐘(ドローレスの教会にあったイダルゴ神父が鳴らした鐘を移したもの)を打ち鳴らしながら演説します。
2020年の様子はこちら➡https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/2153580

こちらの記事にも書きましたが、「Grito」は決まり文句があるものの、大統領が時代背景に応じて言葉を選び、毎年一部演説を変えるのですが、アンドレスさんが今年何を引用するのか、個人的に楽しみです。

そして、2024年10月よりクラウディアさんが大統領に就任します。

彼女のリーダーシップに大きな期待を寄せ、メキシコにどのような変化をもたらすのかを今後見守っていきたいですし、メキシコ初の女性大統領として、彼女がどのように国を導いていくのか、その過程でどのような新しい道が開かれるのか、とても楽しみです。

クラウディアさんの成功と、メキシコのさらなる発展を心から願っています。

筆者

メキシコ特派員

MIKI PASSOS

カンクン在住25年目。在住者の視点から、これまでの経験を交えて様々な情報をお届けします。

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