スウェーデン・ストックホルム　北欧博物館(Nordiska Museet)

Nordiska Museetはストックホルムのユールゴーデン島の中心にあります。
この博物館は1873年にArtur Hazeliusによって設立され、1907年にオープンされました。
象徴的で非常に目立つその建物はIsak Gustaf Clasonによる、ルネッサンス様式の設計です。
館内も広く、中央のホールの吹き抜けは最上階の4階まで抜けています。

Nordiska Museetの常設展で、最も見るべき根幹となる展示「NORDBOR(NORDIC LIFE)」は最上階で見られます。
北欧地域がどのように形成され、どのように暮らしが始まったのか、自然との共存もテーマのひとつになっています。
最上階の27に分けられた部屋は、年代順に構成され、訪問者を旅に導きます。

まずは、16世紀の部屋から紹介していきます。
数万人のフィンランド語を話すスウェーデンの農民が、入植地Savoniaを離れます。
彼らはやがて森のフィンチ(Forest finns)と呼ばれるようになります。
Forest finnsは手先が器用で、ブーツ、靴、帽子などを作るのは、お手のもの。
白樺の樹皮細工にも熟練していて、当時のコレクションを見ることができます。
写真掲載の許可は北欧博物館から事前に得ています。

17世紀
戦争を通じて、指揮官たちはヨーロッパ貴族の邸宅の豪華さや華麗さに触れます。
スウェーデンの貴族は、大陸の王子のように暮らしたいと考えるようになります。
貴族の邸宅の、戦争の戦利品、芸術品、装飾品は権力の誇示に役立ちました。

18世紀
商品は世界中の海を超えて北欧諸国に輸送されるようになりました。
富裕層は海外のテイストやファッションを楽しみ、都市部のブルジョアの中にはお金、教育、影響力を持つ人々が出てきます。
彼らは上質な家財道具を持ち、ボードゲームや読み聞かせなど、お茶を飲みながら自宅で新しいライフスタイルを開発します。

19世紀
多くの家庭では手工芸品の制作が生活の糧となっていました。
ニーズに合わせた織物、食器、家具の製作などです。
具体的にはリネンを織る、ナイフの刃を鍛造したり、カゴを編む、おもちゃを作るなど広範囲な仕事です。
展示では、これらを行うメイドと使用人たちの仕事を見られます。

20世紀
スウェーデンといえば、福祉が充実した国としても有名。
グローバルな視点で進められた計画は、他国のお手本ともなっていて、その一端が紹介されています。
例えば、1965年から1975にかけて、スウェーデンでは、モダンなキッチン、バスルーム、リビング、寝室、子供部屋を備えたアパートが100万戸建設されました。
そして、子供を産むかどうか、いつ産むかを選択できるようになります。
1974年に制定された世界唯一の性別中立の親のための保険は、子供と暮らす父親・母親に同じ補償を受ける権利を与えています。
モデルルームの展示と共に、さまざまなキャラクターの演じる物語を通して、この時期の生活を垣間見ることができます。

「NORDBOR(NORDIC LIFE)」はスウェーデン及び北欧の大学や博物館の専門家の協力を得て、北欧博物館が制作されました。

3階にはテーブルセッティングやキッチン周りを集めた展示、2階には企画展とミュージアムカフェ、1階にはミュージアムショップがあります。