スペインのアイスコーヒー事情
冷たいドリンクが飲みたくなる暑い夏。日本の夏なら、麦茶とアイスコーヒー、そしてビールが定番でしょうか。麦茶は日本で買ってきたパックがあり、ビールはどこでも日本より安く飲めるスペインで、私が恋しく思うのがアイスコーヒー。時折無性に某コンビニのアイスコーヒーが飲みたくなります。冷たいコーヒーは明治時代に日本で生まれたという話を聞いたことがありますが、スペインではまず見かけません。
でもスペイン人だって暑い夏は冷たいコーヒーを欲します。で、どうしているかというと、温かいコーヒーと一緒に氷の入ったグラスを持ってきてもらうのです。はじめて見た時はカルチャーショックでした。コーヒーに砂糖を入れてかき混ぜたら、自分でグラスに注ぎ変えます。氷の量が少ないと冷たくならないし、多いと水っぽくなってしまうし、そもそも冷たくなっても日本のアイスコーヒーとは風味が違うんですよね。
冷たいコーヒー系ドリンクを飲むなら、大きな都市にあるスターバックスが鉄板でした。が、ここ10年くらいのおしゃれカフェブームは今も進化していて、冷たいコーヒー系ドリンクを飲める場所が徐々に増えてきています。それでもやたらと甘かったり、チョコレートソースが大量に入っていたり、山盛りの生クリーム付きだったりとなかなか求めるものに巡り合えませんでした。
そうそう、スーパーの乳製品コーナーには冷たいカフェラテやカプチーノが売られるようになったのですが、日本に比べると甘い印象があり、ほとんど買いません。
先日、Panariaというマドリードとバレンシアを中心にチェーン展開しているベーカリーカフェではじめて日本を思い出すアイスラテに出会え、おかわりしたい気分になりました。この手のアイスラテが飲めるお店が増えることを切に願います。
とはいえ、日本から旅行でわずかな期間スペインにお越しになる方には、ぜひスペイン風のアイスコーヒーを試していただきたいですね。コーヒーを頼むときにコン・イエロ(con hielo)を付けます。
たとえばエスプレッソなら「カフェ・ソロ・コン・イエロ」、牛乳が少し入ったコルタードなら「コルタード・コン・イエロ」、牛乳たっぷりのミルクコーヒーなら「カフェ・コン・レチェ・コン・イエロ」となります。イエロは氷という意味なんです。私が住むバレンシア地方ではコン・イエロの代わりにデル・ティエンポ(del tiempo)と言うのですが、コン・イエロは全国共通なのでどこでも通用します。
口に合うか合わないかは別として、スペイン旅行のお土産話がひとつ増えること間違いありません。
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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