イタリア屈指のリゾート地アマルフィで楽しむ、必見スポットと名物グルメ

公開日 : 2023年10月03日
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海と山の間に家々がひしめき、白い路地が続く、アマルフィ海岸の観光の中心地。イタリア最初の海洋国であり、東方貿易で栄え、コーヒー、紙、絨毯などをイタリアに伝えた最初の町でもある。かつての栄光は、光り輝くモザイクで飾られた美しいドゥオーモに残されている。

かつての大海運共和国 アマルフィの今昔

農耕の土地に恵まれなかったため、人々は大海原に出ていった。そのため4大海運共和国(アマルフィ・ヴェネツィア・ジェノヴァ・ピサ)のうち最古の町であるアマルフィは、10~11世紀に大繁栄した。しかし商業発展はそう長く続かず、ピサ人の侵略を受け低迷する。

その後地震と津波で砂浜は浸食され、広範囲の土地が海中に沈没してしまった。近代に入ると、温暖な気候と美しい風景が多くの人を魅了し、イタリア屈指のリゾート地としての人気を集め、現在にいたる。

アマルフィへのアクセス

ソレント駅前広場の下が始発地のSITA社のプルマンバス。夏はほぼ満員
ソレント駅前広場の下が始発地のSITA社のプルマンバス。夏はほぼ満員

アマルフィ海岸への玄関口になるのはソレントかサレルノ

ナポリからソレントへはヴェスーヴィオ周遊鉄道で約1時間10分。サレルノへはfs線で約40分~1時間30分。ふたつの町からアマルフィ海岸へはSITA社のプルマンバスがふたつの町の中ほどにあるアマルフィを経由して走る。

どちらかの町に宿を取れば、身軽に動くことができる。中間地点のアマルフィに泊まるのもよい。春~秋の観光シーズンのバスは非常に混雑するので、バスの時間を確認し早めに乗車すること。また、切符の検札が厳しいので注意。

アマルフィ海岸の共通切符ウニコ・コスティエーラ(UNICOCOSTIERA)を購入しておくと便利。

ヴェスーヴィオ周遊鉄道は便利だが、車両は古く混雑するので、夏季限定でナポリ・ソレント間を運行するカンパニア・エクスプレスが冷房が効いていておすすめだ。

船なら移動時間を短縮でき、ナポリからソレント(所要約40分)、サレルノからアマルフィ(所要35分)、このほか隣接する町などへも船が運航しているので、海遊びの気分で移動がてら楽しむのもいい。

またソレントとカプリ島は高速船で約30分。ナポリから出かけるよりも時間短縮だ。Sightseeing社のバスもSITA社とほぼ同様の路線を運行している。SITA社に比べ本数は少ないが、混雑を避けるならおすすめ。ソレント→アマルフィ片道€10、往復€15、アマルフィ→ラヴェッロ片道€5、往復€10など。

船の場合、サレルノの港はfs駅から徒歩7~10分程度。ソレントの港はやや距離があるので、ミニバスやタクシー利用がベター。そのほかの町では、町の中心近くに港があるので、船の利用も便利だ。夏季(4~10月)は頻繁に運航している

プルマンバスは時刻表通り!?

始発地のソレント、アマルフィ、サレルノの発車時間はほぼ時間通り(満員になると早目の出発もあり)。しかし、狭い道路でのすれ違いや渋滞で途中からはかなり遅れ気味。途中から乗車する場合は、繁忙期には増便もあるので、時刻表をあまりアテにせずにバス停で待とう。

おもな見どころ

ドゥオーモ

ビーチ/海岸通りとアマルフィの塔

後方右にアマルフィの塔が見える
後方右にアマルフィの塔が見える

海岸を背に右に進むとビーチが広がり、一段高く遊歩道が続く。遊歩道から坂道を上がるとホテル・ルナ・コンヴェント。その前に16世紀のアマルフィの塔が立つ。高台のこのあたりからはアマルフィを眼下に見下ろすすばらしいパノラマが広がる。

紙の博物館 Museo della Carta

手すき紙の作業
手すき紙の作業

ドゥオーモ前の通りを山側に約1㎞、地下から水音が響き始めると到着だ。

紙作りは海洋王国として栄えた時代にアラブ圏との貿易を通して中国から伝えられたもの。渓谷からの豊富な水を利用して12世紀中頃に手すきの製紙業が盛んになり、かつてはこの渓谷に16もの製紙小屋があったという。そのひとつを利用した博物館。内部には水路や水車が残り、木綿や麻などを素材とした中世からの手すき紙の製造工程を詳しい説明とともに見ることができる。手すきの作業は実演も可。

Museo della Carta
住所
Via delle Cartiere 23
電話番号
089-8304561
開館時間
3~10月と12/27~1/6 10:00~18:30、11~1月 10:00~16:00
休館日
11~1月の月曜日、12/24~12/26、1/22~2/28頃
入館料
€4,50

アマルフィ海洋史博物館 Arsenale di Amalfi

市庁舎前には復元された船が
市庁舎前には復元された船が

プルマンバスの発着するにぎやかな広場の一角、城壁沿いに隠れるようにある。天井はれんががアーチを描き、ところどころに古代造船場の名残が見られる。アマルフィが海洋王国として君臨した時代の船の歴史や羅針盤などを展示。

Arsenale di Amalfi
住所
Largo Cesario Console 3
電話番号
+39 089.8736222
開館時間
10:00~20:00 月休
入館料
€3

アマルフィで食べたい!

右がレモンケーキのデリツィア・アル・リモーネ。奥はババ
右がレモンケーキのデリツィア・アル・リモーネ。奥はババ

アマルフィではいたるところで特産のレモンの黄色が鮮やかだ。レモンのグラニータGranita di Limoneは暑い夏にはマストの味わい。冷たい舌ざわりと爽やかなレモン味が涼を運んでくれる。

アマルフィのお菓子屋やレストランで目にする、名物菓子がデリツィア・アル・リモーネDelizia al Limone。小型のドーム型のスポンジケーキにレモンの皮で風味をつけたカスタードクリームを挟み、さらにその上からレモンクリームをかけて全体を覆ったもの。フワフワのスポンジと滑らかで爽やかな香りのクリームが作り出す優しい味わいだ。
アマルフィなら、ドゥオーモ前の名店パスティチェリア・パンサへ。広場のテーブルやクラシックで落ち着いた店内で味わうことができる。

パスティチェリア・パンサ
住所
Piazza Duomo, 40 84011 Amalfi
電話番号
+39 089 871 065
開館時間
7:30~23:00

筆者

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