Guide of the Year2024受賞者インタビュー 工藤まやさん
工藤まやさん Maya Kudo
プロフィール)
上智大学卒業後、クリスチャンディオールにマーチャンダイザーとして勤務し、毎年4回のパリコレで買い付けを担当。2006年より通訳ガイドとして活動。王族、ハリウッドスターを含む世界各国の富裕層・ジェットセッターから高い評価を受けている。招聘事業やMICE、SIT、国家業務にも深く携わり、柔軟な機転とウィットに富んだ対応で唯一無二のガイドとしての地位を確立。現在は、全国の「富裕層旅行」をテーマとしたセミナーや研修で講師も務めている。趣味は茶道(裏千家準教授)、居合三段、宝生流仕舞、日本刀鑑賞、海外・国内旅行(60カ国以上・47都道府県)。
工藤さんのガイド活動について教えてください。
ガイドの仕事を始めて約20年、王族やセレブリティーなど各国富裕層のVIP ガイドに従事して17 年になります。茶道、日本刀鑑賞、居合、仕舞、書道などを真剣に学ぶことで日本文化への理解を深め、そこで得た知見をガイディングに活かしながら、日本の魅力的な文化の本当の良さや奥深さをお客様にお伝えしています。
ガイドの役割、存在意義をどのように考えていらっしゃいますか?
私にとってVIPガイドの仕事は、お客様にストレスフリーでシームレスな旅を提供すること。十分な知識を持つプロフェッショナルとしてお客様のご要望にフレキシブルに対応し、お客様と日本文化との間をつなぐ文化の架け橋となることがガイドの役割だと思っています。
さらに、受け入れ先にも喜ばれる旅を演出することも重要です。富裕層旅行をシームレスでサステナブルなものにするためにも、受け入れ先の理解・協力も得て、双方がハッピーであるよう努めています。
富裕層旅行は難題を抱えたツアーが多いと聞きます。どのようなことを心掛けていらっしゃいますか?
プライベートジェットやファーストクラスで来日されるようなお客様は、何事においても高い基準をお持ちで、日本の旅行に対しても高い期待を持って来日されます。ときには難しいご要望をいただくこともありますし、不満をはっきり表明される方も多いです。ガイドの責任は非常に重大です。
富裕層旅行は個人のお客様が多いので、滞在先での過ごし方やお食事などについて提案する機会が多くなります。お客様が何を求めていらっしゃるか、どう楽しんでいただくか。あらゆる角度から質問をしてご要望を聞き取り、時にはダイレクトに質問せず、常にアンテナを立て、さりげない会話やちょっとつぶやいた言葉や表情から感じ取ることも。そのためのコミュニケーションが重要だと思います。
特にVIPガイドとしてのスキルアップのためにどのようなことをしていらっしゃいますか?
富裕層のお客様にプロとして信用されるよう、常に自己研さんは欠かせません。先ほど述べたような日本の伝統芸能への理解を深めることのほか、富裕層のお客様のことも理解するため、お客様から勧められたものや利用したもの、例えば本、レストラン、ホテル、海外を含む旅行先、映画、ブランドなどは、できる範囲で自分でも体験・利用するようにしています。また、レストランは事前に自分で足を運び実際に食事をしてみます。味やサービスレベルがわかるので、お客様に提案する際の説得力も変わってきます。お休みの日は食べ歩きばかりしています(笑)
今後の目標や夢を教えてください。
今の私の夢はVIPのガイドを育成することです。この度のGuide of the Year受賞により、多くの方がVIPガイドを目指し、VIPガイドが底上げされ、世界中の方々から「日本のガイドは素晴らしい」と言っていただけるよう尽力していきたいと思います。
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