芸術と歴史が交差する町 バーゼルで感じる伝統とモダンの融合
ドイツ、フランスと国境を接する人口約17万の都市、バーゼル。町の中心を雄大なライン川が流れ、その北側には「アート・バーゼル」で有名な国際見本市会場、南側にはヨーロッパでも保存状態がよいといわれる旧市街が広がる。
バーゼルは古来学問や文化が栄えた都市として有名だ。エラスムスやヘッセなどのゆかりの地でもあり、スイス最古の大学であるバーゼル大学(1460年設立)もある。スイスの一地方都市ではあるが、隣接するドイツやフランスの影響を強く受け、また芸術への関心が高く、伝統を重んじる一方で新しいものも取り入れる風土は、独特の文化を生み出してきた。町を歩けば、世界のプラダショップを手がけるジャック・ヘルツォーク&ピエール・ド・ムーロンやマリオ・ボッタ、ディーナー&ディーナーなど、世界でも指折りの建築家の作品を間近に見ることができる。まさに現代建築の宝庫という名にふさわしい都市となった。伝統と今が見事に調和する町バーゼルで、美術館や建築物を見学しながら感性を刺激する旅を楽しんでみてはどうだろう。
バーゼルの歩き方
町の中心でもあり、観光案内所がある旧市街のバルフュッサー広場Barfüsserplatzから町歩きを始めよう。観光案内所は、この広場の音楽ホール内にある。
観光案内所を背にして目の前のシュタインネンベルクSteinenbergを左に進んで間もなくすると、右側にバーゼル育ちの有名な造形美術家によるティンゲリーの噴水がある。少し進みフライエ通りFreiestrasseを渡ると市立美術館Kunstmuseumに出る。トラムの線路沿いに古代博物館との間を進み、セント・アルバン通りSt. Alban Vorstadtに入ると雰囲気が一転。狭い道路の両側に古い建物が美しく残り、こぢんまりとしたギャラリーやレストランなどがある。
1400年の防御工事でできたバーゼルに残る3つの市門のひとつ聖アルバン門まで歩いたら、ライン川方面へ出てみよう。古くから印刷・出版が盛んだったバーゼルならではの製紙印刷博物館Basler Papiermühleがあり、ライン川沿いには、現代美術館Kunstmuseum Gegenwartや雰囲気のいいレストランもあるので、ひと休みしてもいい。しばらく川沿いをのんびり散歩して次にバスラー・ミュンスターBasler Münsterへ向かおう。塔の上からは、ライン川とバーゼルの美しい町並みが見える。
バスラー・ミュンスターを右側にミュンスター広場Münsterplatzを進み、左折して坂を下ると、にぎやかなフライエ通りへ出る。ここから赤砂岩のゴシック様式の建物と壁のフレスコ画が目を引く市庁舎Rathausへ向かおう。市庁舎前にあるマルクト広場Marktplatzでは、日曜を除き野菜や果物、花などの市が開かれている。近くには、魚市の噴水Fischmarktbrunnenが建つ魚市広場があり、かつてはライン川で取れた魚の市が立った。またミットレレ橋の中間地点や、橋を渡った所から旧市街を眺めるのも絶好のポイント。右岸には、国際見本市会場Mustermesseやドイツ鉄道駅Bad. Bf.がある。
さて、マルクト広場から今度はスイス最古の大学であるバーゼル大学へ。落ち着いた雰囲気のこのエリアには、3つ残っている市門のなかで最も大きいシュパレン門がある。Leonhardsgrabenを通り、音楽博物館Musikmuseumを見学したら、迷路のような小道を下ってバルフュッサー広場へ戻ってこよう。広場に面して歴史博物館がある。
バーゼルへのアクセス
チューリヒから列車で55分〜1時間15分。ベルンから55分〜1時間15分。ジュネーヴからベルンもしくはビール/ビエンヌ乗り換えで約2時間40分。
国外からの場合、フランクフルトからICEで所要約2時間50分。パリ・リヨン駅から直通TGVで約3時間20〜40分、パリ・東駅からはストラスブール乗り換えで3時間45分〜4時間50分。
基本情報
- 州
- バーゼル・シュタット
- 使用言語
- ドイツ語
- 標高
- 278m
- 郵便番号
- CH-4000(地区によって下2ケタが変わる)
- エリアコード
- 061(市内通話の場合でも初めにエリアコードをプッシュする)
- ※
- Basel Tourismus
- 住所
- Steinenberg 14
- 電話番号
- (061)2686868
- URL
- www.basel.com
- 開館時間
- 月〜金曜 9:00〜18:30 土曜 9:00〜17:00 日曜、祝日 10:00〜15:00
筆者
地球の歩き方ウェブ運営チーム
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