【香港】The Mill内にある紡績の博物館「CHAT六廠」

公開日 : 2024年08月30日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

荃湾(Tsuen Wan)にある「The Mill」。ここは1960年に完成した紡績会社である南豊紡織の工場の1つを大改修し、ファッション系の店を中心に飲食など約40店舗が入っているショッピングモールです。その中にこの工場の歴史を知ることができる「六廠紡織文化藝術館(CHAT六廠)」があります。

その昔、荃湾は香港政庁が主導して造成された工業地帯で1961年には205もの工場がありました。その中核を占めていたのが紡績で1955年は紡績と服飾に関係する仕事に従事していた労働者は香港の全労働人口の30%を占めるほどでした。当時、香港屈指の巨大紡績工場だったCHAT六廠がどんな工場だったのかを知ることができます。

内部の様子
内部の様子

綿糸を作るには48時間必要で最初に綿花についている不要物を取るために風を使う事、どうやって綿花を綿糸に変えていくのかなどの全6工程を詳細を知ることができます。また、当時、工場で使われていた機械の展示も行われています。

糸の品質が高く、ファッションブランドに採用されるだけではなく、各業界での制服野展示や型紙や商品サンプルのようなものも観ることが可能です。他にも綿糸を使った芸術作品、当時の工場労働者で働いていた人のインタビュー動画なども観ることが可能です。

香港には、Giordano、Bossini、G2000、Wanko、Moiselle、I.T.などの地元で有名なローカルブランドがありますが、こういった歴史がなければ生まれてこなかったでしょう。

今は多くの工場が広東省に移ってしまいましたが、カルバン・クライン、ラルフ・ローレン、トミー・ヒルフィガー、イヴ・サンローランなど、国際的ブランドの多くは仲介業者を通じて香港で衣料品を調達しているので、香港のファッション業界における重要性は今でも変わっていません。そういったことを思いながら見学するもの良いかもしれません。

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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