サンティアゴ・デ・コンポステーラの魅力を解説 巡礼者が歩んだ道と大聖堂の歴史を辿る
聖ヤコブが眠るキリスト教の聖地
イベリア半島北西端に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラは、エルサレム、ローマに次ぐキリスト教3大聖地のひとつ。9世紀初めに聖ヤコブ、すなわちサンティアゴの墓がこの地で発見されて以来、ヨーロッパ各地から数多くの巡礼者が訪れる聖地となった。
町にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂はイスラム教徒によって破壊されたあと、11 〜13 世紀に僧正ディエゴ・ペラーエスのもと、フランスから伝わった教会建築の影響をうけ、スペイン最高のロマネスク様式の教会が完成した。その後、増改築が繰り返され、現在の姿になった。
バロック様式のオブラドイロの正面Fachada del Obradoiroの内側には、3 つのアーチをもつ栄光の門Pórtico de la Gloriaがある。ヨハネ黙示録をもとにした200 体にも上る彫像は、名匠マテオによって12世紀初めに完成された。中央の柱の上部では、右手に巻物、左手に杖を持った聖ヤコブが、長旅の巡礼者を迎えてくれる。柱の下のほうには5 本の指のくぼみが付いているが、これは、長年にわたって巡礼者たちが柱に触って祈りをささげてきたため、石がすり減った跡である。 中央祭壇Altar Mayor は、17 世紀後半に造られたチュリゲラ様式で、中央に聖ヤコブの像が祀られている。祭壇の左横には地下礼拝堂Cripta への階段があり、聖ヤコブの棺を拝むことができる。また祭壇の右横の階段は、聖ヤコブの像の裏側へと通じている。信者たちは慣習に従ってマントにキスをする。 身廊の南側には美術館Museo があり、儀式の際に6 人の男性が振り回す、大型の香炉ボタフメイロが見もの。またルーベンスやゴヤの下絵によるタペストリーも、美術好きには必見だ。 交差廊の南側にある扉は、銀細工の門Puerta de las Platerías と呼ばれ、キリスト受難の図が彫り刻まれている。門の前の4 頭の馬の像の噴水がある広場は、銀細工の広場Praza delas Platerías。ここはかつて銀細工師たちが店開きをしていたことに由来する。
ピレネー山脈からスペイン北部を横断しサンティアゴへといたる巡礼の道、カミノ・デ・サンティアゴはおよそ800km。今も中世の人々が歩いたのと同じ道を徒歩や自転車で、あるいは馬でたどる巡礼者たちの姿を目にすることができる。
基本情報
- アクセス
- 列車
- マドリード・チャマルティン駅から約5時間〜7時間、€44.15〜74.10、1日4〜6便。ア・コルーニャから約30〜40分、€6.30〜16、毎時1〜2便。
- バス
- マドリードの南バスターミナルからAlsa社のバスで約8時間30分、€47.78〜58.92、1日5〜6便。ア・コルーニャから約45分、ほぼ1時間おき。
筆者
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