グアルダで出会う素朴な美しさと歴史童話の舞台を訪ねるスイスの隠れた名所
アロイス・カリジェの童話絵本『ウルスリのすず』の舞台になったグアルダは、“スイスの美しい村”に指定され、その名(ロマンシュ語のGuardaは英語でLookの意)のとおり、ウンターエンガディンのハイライト。全体が歴史博物館のようなこの村は、半日もあれば散策できる広さだから、建物一つひとつをじっくり見学してみたい。門前でワイングラスを片手に談笑している人々が、笑顔で異国の旅人を迎えてくれるだろう。
グアルダへのアクセス
サン・モリッツから列車でサメーダン乗り換えで約1時間10分(朝と夜はSagliainsでも乗り継ぎの場合あり)。1時間に1本。クールからランドクアルトLandquart乗り換えで1時間24〜30分。グアルダはリクエストストップの駅なので、早めにドアの横、または車両の前後のボタンを押さないと停車しない。
グアルダの歩き方
レーティッシュ鉄道のエンガディン線の駅を降りると、駅舎の背後に丘が迫り、線路の向こうには森と牧草地と山並み。視界には家一軒ない。グアルダの村は駅から200mほど上の丘の上にある。列車の到着に合わせて、駅と村を結ぶポストバスが駅で待機しているので、そのままバスに乗り込めば村に行くことができる(切符を買わずに済むようスイストラベルパスなど、交通パスを所持していると便利)。徒歩で村に行くことももちろんできる。舗装された自動車道路を歩いていくなら、所要時間は約40分で、ちょっと近道のハイキング道を使えば約30分。それほど標高差があるわけではなく、気持ちのいい景色のなかを歩いていくので、あまり疲れは感じない。もしレンタカーで村を訪れるなら、村の中は進入禁止になっているので、集落の手前約250mの所にある駐車場に車を停めて歩いていこう。
日当たりのいい広々とした放牧地に、肩を寄せ合うようにひっそりとある村は、バス停のある広場を中心に200mほどの長さで、10分ほどで歩ける大きさだが、その美しさには目を引かれる。18世紀後半から19世紀に建てられたこれらの建物のほとんどがスグラフィットで美しく、そして素朴に装飾されている。1985年にはスイスの文化財保護地域に指定され、同協議会が村の環境と保存状態を厳しく見守っている。
村には看板は出ていないが、陶器や木工製品、手織りのテーブルクロスなど地元の工芸品を売る工房や自家製チーズやカリジェの絵はがきを売っている店があり、一つひとつ訪ねていくのも楽しみ。
この村を一躍有名にしたのはこのエンガディン地方の絵本作家、アロイス・カリジェの『ウルスリのすず』という作品。この地方出身のゼリーナ・ヘンツという女流作家の物語に挿絵を入れて絵本にしたもので、大きな鈴を持った子供たちが村中を練り歩く祭りが題材だ。この祭りチャランダマルツChalandamarzは現在も毎年3月に行われている。
グアルダ観光案内所(Gäste- Information Guarda)
- 電話番号
- (081)8618827
- 開館時間
- 月〜金曜 9:00〜11:00 16:00〜18:00
- 閉館日
- 土・日曜、祝日
筆者
地球の歩き方ウェブ運営チーム
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