Guide of the Year2024受賞者インタビュー 白石実果さん

公開日 : 2024年09月26日
最終更新 :

白石実果さん Mika Shiraishi

プロフィール)
(株式会社M&Company共同代表/全国通訳案内士)
全国通訳案内士として訪日外国人をアテンド。世界中からのVIPを含むゲストからの評価も高い。対話型で日本を楽しく体験するガイディングを得意とし、特に現代アート・日本酒に詳しい。富裕層が求める特別なアレンジをはじめ、ハイクオリティなアテンドに評価が高い。ガイド業に加え、ホスピタリティ向上アドバイザー・ガイド育成等を行う。高級宿泊施設のコンシェルジュ育成や、観光施設のインバウンド対応アドバイザー業務、日本各地のインバウンドガイド育成業務を担当。
現場でゲストと共に過ごすからこそ得られる「訪日外国人の本音」を届け、日本のインバウンド受け入れ体制を支援している。観光庁「地域周遊・長期滞在促進のための専門家派遣事業」専門家。観光庁「地方部における観光コンテンツ充実のためのローカルガイド人材の持続的な確保・育成に向けた有識者会議」委員。

白石さんのガイド活動について教えてください。

超富裕層からファミリーまでFITのお客様を多く担当し、居住地である岐阜県をベースに、リクエストに応じて全国どこでもご案内しています。私の明るく楽しいパーソナリティーを気に入ってくださり、「またミカと一緒に旅がしたい!」というお客様からリピートでご指名いただくことが多いです。

ガイドになろうと思ったきっかけは何でしたか?

旅行が大好きで、2~3年かけて世界中を旅していました。旅先では現地の友人たちに案内してもらい、地元の人々と話し暮らしに触れることで、その土地の景色がとても立体的に見えてくるという素晴らしい経験をしました。有名な観光地ももちろん素晴らしかったけれど、今でも鮮明に覚えているのは、誰と、どこで、どんなふうに過ごしたか、という思い出です。
私は、旅を豊かにするのは人との出会いだと思っています。でも、すべての人が旅先に友人がいるわけではない。ならば日本を旅する海外の方にとって、今度は私が入り口になりたいと思い、ガイドになろうと決心しました。

ガイドの役割、存在意義をどのように考えていらっしゃいますか?

ガイドとして大切にしていることが二つあります。一つは、お客様と地元の人たちとのつなぎ役になること。地元の人たちとの出会いや交流により、お客様の旅がより豊かになるよう心掛けています。もう一つは、お客様を楽しませるエンターテイナーになることです。
そう考えるようになったきっかけは、日本を旅行する方は勉強をしにくるわけではない、でもただ何となく旅するのではなく、知的好奇心を満たしながら楽しく旅をしたいと思っているのではないか、と気づいたことでした。ガイドというと「その土地について案内してくれる人」と思われがちですが、私は土地を案内するのは仕事のほんの一部分ととらえています。情報を知るだけならインターネットやスマホの翻訳アプリで事足ります。そうではなく、人が案内するからこそお客様の時間が楽しくなり、実りある旅になる。その一番のキーになるのがガイドだと思っています。

エンターテイナーとしてのガイドとは、どのようなことをしているのですか?

親しい友人と旅をしているような、心地よい雰囲気をつくるよう努めています。まずはお客様全員のお名前を覚え、お名前で呼びかけるようにしています。難しい読みや発音の方もいますが、事前にしっかり練習します。お客様も喜んでくださいますね。
また、一方的ではなく、インタラクティブな参加型の説明をするよう心掛けています。例えば、絶妙に面白いクイズを出します。特に、その日にご案内する場所に関係するクイズを出すことでより興味を持っていただいたり、理解を深めていただいたりするようにしています。演出も工夫していて、例えば正解・不正解のときに鳴らすユーモラスな音のブザーなど、小道具もいろいろと仕込んでいます(笑)。

スキルアップのために努力していることは何ですか?

私のガイディングを支えるのは、明るいキャラクターだけではありません。地道に積み上げた知識と、お客様一人ひとりのその時々の気持ちを推し量りながらガイドをし、お客様の小さな満足を積み重ねてきた実績です。ときには政治や社会問題などについて聞かれることもあります。そのために知識を磨いて、トークを磨いて、ユーモアのセンスを磨いて、世界中のニュースをチェックし、日本や世界の社会問題にもアンテナを張っています。私のタブレットには、日本語の仕組み、大人向けから子ども向けまでのクイズに加え、社会的なテーマのデータ資料もたくさん入っています。

ガイド以外の活動について教えてください。

富裕層対応可能なガイドネットワーク「JAPONISME(ジャポニスム)」を運営しています。目的は、ガイドの立場・地位を守り、向上させることです。
ガイドは知識、語学力、人間力、対応力など高度で多岐にわたるスキルを求められますが、ガイド業だけで安定的な収入を得るのは難しいといわれます。法人化することで正当なフィーの交渉がしやすくなりますし、また病気やケガなどで急に仕事を受けられなくなったときに補い合うこともできます。こうした取り組みやGuide of the Yearのような表彰ができることで、ガイドに憧れる人が増え、プロとしてプライドをもって質の高いガイドをする人が日本中にもっと増えることを心から願っています。

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