2024年の目玉作品&見どころを一挙紹介!第30回しんゆり映画祭がついに開幕

公開日 : 2024年09月27日
最終更新 :

10月26日(土)~11月4日(月)まで、全7日間にわたり川崎市の新百合ヶ丘で開催される「KAWASAKIしんゆり映画祭」。新旧さまざまな名画が楽しめ、連日開催される豪華トークイベントも人気です。そして2024年は川崎市市制100周年&映画祭30回目が重なる特別な年!今年は名画に浸る芸術の秋はいかがですか?

あの名画をスクリーンで!「KAWASAKIしんゆり映画祭」

豪華トークイベントも毎年好評
豪華トークイベントも毎年好評

今年で30回目を迎える「KAWASAKIしんゆり映画祭」。1995年に川崎市麻生区の新百合ヶ丘駅周辺で、「芸術と文化の街づくりイベント」の一環として誕生したのが始まりです。市民ボランティアが中心となって企画や運営を行い、行政がバックアップする「市民(みんな)がつくる映画のお祭り」としてさまざまな作品が上映されてきました。

さらに2024年は川崎市の市制100周年という節目の年。地元ゆかりの巨匠作品、カンヌ受賞作品、一度は見たい旧作まで……。また俳優、監督などが登壇する毎年恒例のトークイベントも見逃せません。記念すべき年にふさわしい厳選した映画とイベントがめじろ押し。今年の目玉作品や見どころをご紹介します。

今年の目玉は『PERFECT DAYS』主演の役所広司さんが登壇

役所広司さん演じる平山と中野有紗さん演じる姪のニコ
役所広司さん演じる平山と中野有紗さん演じる姪のニコ

今年の映画祭のオープニングを飾るのは、『PERFECT DAYS』。主演の役所広司さんがカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した注目作です。ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督が、渋谷を舞台に清掃作業員の男の日々を描いた本作品。役所広司演じる平山の日常は、フィクションながらまるでドキュメントのよう。日常で忘れてしまっている幸せや心の豊かさとは何か、改めて考えさせてくれます。2023年の話題作を、この機会にスクリーンでぜひいかがですか?

〈『PERFECT DAYS』あらすじ〉
公共トイレの清掃員として働く主人公平山。昔から聴いている音楽に耳を傾け、休日に買う古本を読むことにささやかな喜びを感じ、変化に乏しいながらも充実した日々を送っていた。小さなフィルムカメラを持ち歩き、木々の写真を撮ることが好きな彼はある日、思いがけない再会を果たし、それが彼の過去を静かに揺らし始める。

主人公に込めた思いや監督との秘話などをトーク
主人公に込めた思いや監督との秘話などをトーク

特に注目すべきは上映後のゲストトーク! 10月26日(土)の『PERFECT DAYS』上映後に、主演の役所広司さんが登壇予定です。例年さまざまなゲストが登場し、作品の思い出トークや裏話、観客からのQ&Aなど、ここでしか聞けない情報が満載のトークイベント。映画祭登壇は4回目だという今年、役所さんからどんなお話が聞けるのかお楽しみに。
ほかにも、監督や俳優、専門家など全日たくさんの豪華ゲストが登壇予定です。詳しくはしんゆり映画祭のホームページからチェックしてみてくださいね。

川崎市ゆかりの巨匠作品がスクリーンに蘇る

自殺未遂の女性・桂子(清水美砂)と山下(役所広司)
自殺未遂の女性・桂子(清水美砂)と山下(役所広司)

今回は30回目のメモリアルイヤーにちなんで、川崎市ゆかりの監督作品を上映。3人の巨匠たちが手がけた作品は、ぜひスクリーンで見たい名作ばかりです。

ひとつめは今村昌平監督の『うなぎ』。実は監督の今村昌平氏は、新百合ヶ丘にあり第1回開催より映画祭を支えてきた「日本映画大学」の創立者でもあります。1975年に前身となる横浜放送映画専門学院を横浜に開校し、1986年に新百合ヶ丘に日本映画学校を開学。2011年には日本唯一の映画単科大学「日本映画大学」となり、多くの著名人を輩出してきました。
『うなぎ』は、第50回カンヌ国際映画祭でグランプリ(パルム・ドール)に輝いた作品。役所広司さん、柄本明さんなど、そうそうたる役者が登場し1997年の公開から色あせない名作です。

〈『うなぎ』あらすじ〉
妻の不貞を目撃し衝動的に殺してしまった山下。8年の刑に服し仮出所した彼は、利根川沿いの小さな町で理髪店を開業した。人間不信となりトラブルを避けるため近所づきあいもせず、ペットのうなぎを話し相手に自戒の日々を送っていた。ある日、ウナギの餌をとりにいった河原で、大量の薬を飲んで倒れている女性を発見して……。

柳川とし子を演じる今は亡き北林谷栄氏にも注目
柳川とし子を演じる今は亡き北林谷栄氏にも注目

今年で生誕100周年を迎える映画界の鬼才・岡本喜八監督。1974年に川崎市にプロダクションを構え、同市多摩区に40年以上住み続けたという縁の深い人物です。川崎市の文化振興に大きな貢献をしてきました。
1991年公開の『大誘拐 RAINBOW KIDS』は、岡本喜八監督らしいユーモラスなブラックコメディ。1995年の第1回映画祭にて上映し、今回も35ミリフィルムでスクリーンに蘇ります。アナログで鑑賞できる貴重な機会をお見逃しなく。

〈『大誘拐 RAINBOW KIDS』あらすじ〉
ある夏の日、紀州一の大富豪の老女が3人の若者グループによって誘拐される。誘拐の報に、老女を生涯最後の恩人と慕う凄腕の警部が捜査に乗り出す。一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が五千万と知った老女はその金額に憤慨。身代金を百億に引き上げるように3人に指示し、さらには3人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始める!

バリアフリーから子ども向けまで 幅広い世代が楽しめる映画祭

映画祭初期からバリアフリー上映に力を入れています
映画祭初期からバリアフリー上映に力を入れています

しんゆり映画祭の先進的な取り組みに、視覚障がい者向けのサービス「バリアフリーシアター」があります。1997年「また映画館で映画を体験したい」という中途失明の方からの1本の電話をきっかけに始まったという、副音声イヤホンガイド付き上映。3年後には視覚障がい者向けの邦画の日本語字幕付き上映も始まり、今では広く一般に定着しました。もちろん、今回も副音声イヤホンガイドがついた上映回を用意。『PERFECT DAYS』、『うなぎ』、『大誘拐 RAINBOW KIDS』、『ブリング・ミンヨー・バック!』は、視覚に不自由がある方も一緒に楽しむことができます。

家族連れも気兼ねなく楽しめます
家族連れも気兼ねなく楽しめます

ほかにも、小さな子どもの預かり保育ができる「保育付き上映」にも注目。家族連れなら、「しんゆりこどもシアター」もおすすめです。話題となったアニメーション映画『窓ぎわのトットちゃん』では、上映後に「みんなで楽しむリトミック体験」など参加型イベントもあります。
映画館は限られた時間、暗闇のなかのスクリーンを通して、自分の生きる場所や時代を超えた予期せぬ出会いが体験できる場所。そんな信念の通り、誰もが映画体験を楽しめる場を築き上げています。

『地球の歩き方』でおなじみ パンフレット表紙にも注目!

縞の部分が映画フィルムになっている”シネマウマ”
縞の部分が映画フィルムになっている”シネマウマ”

2024年10月26日(土)からスタートする「しんゆり映画祭」。実は、2024年映画祭のパンフレットは、『地球の歩き方』表紙イラストを描く日出嶋昭男さんによるもの。映画祭のマスコットキャラクター「シネマウマ」が、第30回を祝うように会場を囲むにぎやかな表紙です。そして上空にはガイドブックでおなじみの飛行機の姿も!

市制100周年ということもあり、今年は特に見どころが盛りだくさん。いつもは失敗しないように慎重な作品選びをしている方も、映画祭ではぜひ普段はしないような冒険をしてみてはいかがでしょう?家族や友達と、またひとりでも気軽に訪れてみてくださいね。

【日程】2024年10月26日(土)・27(日)・31日(木)~11月4日(月・振休)
【会場】川崎市アートセンター(映像館 / 小劇場)(小田急線新百合ヶ丘駅北口から徒歩3分 )
【前売券発売場所】2024年9月28日(土)9時販売開始 セブンチケットhttps://7ticket.jp/
または「しんゆりチケットセンター」(川崎市アートセンター受付)、「しんゆりフェスティバル・マルシェvol.52」(10月12日・13日限定)でも購入可
【前売券】一律1100円(セブンチケットは+手数料110円/枚)
【当日券】一般・シニア 1500円、大学生・専門生・高校生以下・障がい者・付添い(1名まで)1100円
※『ブリング・ミンヨー・バック!』ライブ付き上映 前売券 3000円、当日券3500円(セブンチケット手数料と学生・障がい者割は、他作品同様)
※映画『窓ぎわのトットちゃん』前売券/当日券 一律1000円(セブンチケットは+手数料110円/枚)
【公式ホームページ】https://www.main.siff.jp/

TEXT:ART LOVE MUSIC 渡辺菜々子

筆者

地球の歩き方観光マーケティング事業部

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