ロメオとジュリエッタのヴェローナ
この町を語るときに欠かせないのが、シェークスピアの名作「ロメオとジュリエッタ」。真憑性はともかくも、この町には彼らの遺物が今も多く残る。この美しい古都は、ロマンティックな想像をいっそう膨らませ、夢物語を現実の物として仕立ててしまったのだろうか。ちなみに、シェークスピアは、ヴェローナを訪れたことはなかったという。
スカラ家の廟のあるVia Archeに、ロメオもその一員であったモンテッキ家(Via Arche Scaligere 4)がある。1300年代に建てられた、今では崩れそうに古い家だ。(中には入れない)。このすぐ近く、エルベ広場を抜けるとジュリエッタの家がある。ツタのからまる13世紀の建物で、小さな中庭にはジュリエッタの像が立ち、ロメオと愛を交わした大理石のバルコニーは、今も残っている。
ここから、アレーナのあるブラ広場に戻り東に延びる、Via degli Alpini、Via Palloneを通り、橋の手前を右に折れたLungadige Capuletiの右にあるかつてのカプチン派の修道院(現在はフレスコ画博物館Museo degli Affreschi)の中に、ジュリエッタの墓はある。中庭にある地下埋葬所の石造りの古い狭い一室に、赤大理石の石棺が置かれる。フタもなく、中は空だがひととき美しいジュリエッタを思い描いて……。
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