バージニア大学

町の西側に広がるバージニア大学は、1817年にトーマス・ジェファソンにより設計され、設立された東部でも最も由緒ある大学のひとつ。数々の功績を上げてきたジェファソン自身が、自らの優れた成果のひとつにこの大学の設立を挙げたほど。彼の言葉どおり、建築見学だけでも興味深い。1987年にはユネスコの世界遺産にも登録された。大学のシンボルとなっているロタンダRotunda（円形広間）は、ローマのパンテオンにならって1826年に建設したもの。残念ながらジェファソンは完成を見ることなくこの世を去ったが、彼はこのロタンダを図書館として設計していた。しかし、1895年10月に火災が発生。延焼を防ぐため、ダイナマイトでの爆破を余儀なくされた。一部のれんがの壁は残ったもののロタンダは焼失したという不幸な歴史をもっている。ロタンダ正面の庭の東西には、かつてホテルやホールとして使われた校舎が並ぶが、これら創設当時の建物はアカデミカルビレッジAcademical Villageと呼ばれる、学生のためのパビリオン。古代ギリシアや古代ローマの寺院にならって造られたもので、ジェファソンは学生に建築様式を学んでもらうため、ここを建築の見本市のようにしたのだ。
ロタンダの西McCormick Rd.を挟んだスモール特別展示図書館Albert & Shirley Small Special Collections Library地下の展示室へも行ってほしい。独立宣言書の複写のうちのひとつがここにあるからだ。独立宣言が採択されたのは7月4日だが、実際に署名されたのはそのあとのことで、ここには8月2日までに署名した55人分が見られる。