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世界遺産・延暦寺を抱く比叡山。標高800メートルの山上は、都市部より5度も気温が低く、爽やかな風が吹き抜ける場所です。そこには、雄大な琵琶湖を見下ろす絶景パノラマや1,200年の歴史を感じられる寺社だけでなく、家族でBBQを楽しめるエリアや子供たちに人気のアトラクションなどがあります。また、日本一の長さを誇るケーブルカーや山々を縦断するトレッキングコースもあります。日本仏教聖地の懐の深さを感じながら、家族揃って楽しめる比叡山延暦寺とその周辺スポットを紹介します。
天台宗総本山である延暦寺では、かつて、日本仏教の礎となった数々の高僧が修行を行い、世の中に教えを広げていきました。延暦寺は、当時の日本の仏教世界における中心ともいえる場所でした。
実は、延暦寺には、延暦寺という建物があるわけではありません。延暦寺エリアは広く、中心となる「根本中堂」を抱える「東塔」エリア、静寂の「西塔」エリア、「横川」エリアに分かれ、それぞれに趣の違った仏閣が存在します。
なお、国宝「根本中堂」は、現在大改修工事中ですが、建物の中には入ることができます。また、1,200年間にわたり灯され続けている「不滅の法灯」は、一度は目にしておきたいスポットのひとつです。
「東塔」、「西塔」、「横川」とエリアによって表情を変える延暦寺。それぞれのエリアの雰囲気を楽しめるため、日本仏教のテーマパークのようです。また、「横川」エリアの「元三大師堂」は、おみくじ発祥の地でもあります。
各エリアは、車での往来はもちろん、それぞれのエリアを結ぶシャトルバスが運行されていますので便利です(拝観割引券付き乗車券は1,000円)。
また、時間はかかりますが、徒歩で参詣するルートもあります。徒歩で参詣する場合は、歩きやすいトレッキングシューズなどの着用をおすすめします。
比叡山延暦寺の拝観には、「日本天台三総本山 特別拝観券」がおすすめです。こちらのチケットは、日本天台三総本山の「延暦寺」、「三井寺」、「西教寺」という単独でも魅力的な3つの寺の拝観料がセットになっています。
「日本天台三総本山 特別拝観券」は、普段なら1,800円の拝観料が必要なところ、1,000円となる大変お得なチケットです。歴史的にも多くの関りがある3つのお寺を巡ることで、より比叡山のことが理解できるはずです。また、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公は明智光秀。滋賀県に来たのなら、光秀ゆかりの西教寺は外せないでしょう。
世界遺産・比叡山延暦寺へ行くなら、一番のおすすめはドライブウェイです。滋賀県と京都府からもアクセスが可能です。田ノ谷ゲートから山頂へと続く8.1キロメートルと、そのさらに奥へと続く11.8キロメートルの道路には、絶景スポットが盛りだくさんです。延暦寺へのアクセスだけではなく、さまざまなスポットへと繋がっています。
●比叡山ドライブウェイ:
田ノ谷峠~山頂・延暦寺東塔方面(普通車1,670円)
●比叡山ドライブウェイ→奥比叡ドライブウェイ:
延暦寺西塔、横川方面より仰木料金所へ通りぬける場合(普通車2,380円)
※奥比叡ドライブウェイで折り返すと割高になります。
公共交通機関を利用しての比叡山延暦寺へのアクセス方法です。JR比叡山坂本駅からバスに7分乗車し、日本一の長さを誇る「坂本ケーブル」に乗り換えるのがおすすめです。全長約2キロメートル、走行時間11分の道のりには、ケーブルカーで珍しい中間駅がふたつもあります。時間があるなら途中下車をして、神聖な比叡山の自然を感じてみてはいかがでしょうか。
もっと比叡山の奥深さを感じたいなら、徒歩での移動もおすすめです。麓の日吉大社の脇には、本坂と呼ばれる延暦寺の表参道への入り口があります。ここから約3キロメートル、途中やや道の悪いところはありますが、延暦寺の「東塔」エリアへと行くことができます。修行僧になった気分で登った先に現れる延暦寺。ほかのアクセス方法では味わえない感動体験になること、間違いありません。
比叡山ドライブウェイの田ノ谷ゲートを入って最初に現れるのが、「夢見が丘」です。こちらは、琵琶湖を見下ろせる解放感あふれるスポットです。展望台や「yumemi(ゆめみ)」のテラス席からは、琵琶湖と大津市周辺が一望できます。
「夢見が丘」には、家族連れにうれしいスポットがたくさんあります。スリル満点の「スーパースライダー(1回300円)」や子供たちが大はしゃぎの「ザリガニ王国(釣り竿1本300円)」があります。
ほかには、無料の遊具施設やカブトムシと触れ合える「カブトムシの家」、展望のよいBBQエリアなど、「夢見が丘」でもの訪問でも十分に楽しめます。
四季折々の美しさで目を癒してくれる比叡山ドライブウェイの景色。きれいに整備された沿道には、ナイスなビューポイントがたくさん。交通量もそれほど多くありませんので、車で走るのに気持ちのよい道路です。
比叡山ドラブウェイは、琵琶湖と京都府の町並みを一度に見下ろせる展望台「登仙台」をはじめ、思わず車を止めてしまう景色がたくさん。また、山頂の「ガーデンミュージアム比叡」では、標高840メートルで、夏でも涼しい気候のなか、年間を通してたくさんの花が咲き乱れます。持って帰りたい景色がありすぎて、カメラを向ける手が止まりません。
いかがでしたか。世界遺産・延暦寺を抱く比叡山とその周辺スポットを紹介しました。秋の行楽シーズンは、比叡山延暦寺で身も心も清々しくなる体験をしてみませんか。
初回掲載:2018年9月4日