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イタリアの隠れた観光地、アンコーナの名スポットを徒歩で巡るルートを紹介しています。前編では、街のシンボル的存在、サン・チリアコ大聖堂をはじめ、2,000年前の古代の劇場(円形競技場)が残るカルデート公園やアドリア海を望む白亜の慰霊碑があるパセット地区を紹介しました。後編では、チェントロのメインストリート、通称ガリバルディ通りやプレビシート広場を紹介します。
前編で紹介したパセット地区(Pasetto)から、ヴィットリア通り(Via Vittoria)をチェントロ(Centro)方面へ進んで行くと、その突き当たりに現れるのがカヴール広場(Piazza Cavour)です。こちらの広場は、再整備が最近ようやく終了し、明るくきれいな広場へと変身しました。
カヴール広場の周りには、アンコーナ周辺、近郊へと向かうバスの停留所がいくつかあります。多くのバスがこの広場を起点としていますので、バスを利用するなら覚えておきましょう。
広場を抜けると、ようやく街の中心地、チェントロ(Centro)に到着します。メインストリートは、ガリバルディ通り(Corso Galibardi)と呼ばれる通りで、両側は歴史を感じる建物が並び、その1階部分にはショップが軒を連ねます。
PRADAやGUCCIなどのハイファッション系のショップは、残念ながらアンコーナにはありませんが、MAX MARAやSISLEYや、そのほかイタリア人が日常で利用するショップがいろいろとありますので、ショッピングを楽しみたい人におすすめです。
また、通りは広く、歩行者専用ですので、のんびりとした散歩にも最適です。天気のよい日は、カフェテリアのテラス席でコーヒー片手にひと休みするのもおすすめです。
・街の始まりに当たるPiazza Kennedyからの距離:約600メートル
・第3ポイントのパセット地区から約1,600メートル、徒歩で25分程度
ガリバルディ通りの中間あたりにあるのが、ローマ広場(Piazza Roma)です。広場の両脇にはカフェテリアがあり、メルカート(市場)がたっている日もあります。目印は噴水です。この噴水のある位置から、ガリバルディ通りと並行するマッツィーニ通り(Corso Giuseppe Mazzini)へと歩を進めてみましょう。
マッツィーニ通りの右側(上の写真)に見えるのが、アンコーナの観光地として必ず紹介される、カルモの噴水(Fontana del Calmo)です。16世紀後半の作品らしく、13の顔があり、その口から水が噴き出すスタイルです。水が噴き出しているところを見たことは、まだありませんが……。昔はコーネロ山からパイプで直接水を引いていたそうです。
また、この13の顔の噴水の前には、ボンタ デッレ マルケ(Bontà delle Marche:マルケの美味)というお店があります。ハムやチーズ、ジャムなど、イタリア・マルケ州のおいしい物を集めたお店で、グルメなおみやげ選びにはもってこいのお店です。
アンコーナを徒歩で巡る旅もいよいよ大詰め。最後の目的地、プレビシート広場(Piazza Plebiscito)を目指しましょう。こちらの広場は、アンコーナの人たちからピアッツァ・ディ・パパ(Piazza di Papa)と呼ばれています。役所や図書館、また数多くのレストランやバールがあり、夕方を過ぎるとアペリティーボを楽しむ人たちでにぎわうエリアです。
プレビシート広場のいちばん奥に、階段があります。階段を上がると、18世紀にアンコーナへローマの外港を築いた教皇クレメンス12世の像があります。そして、その上にはサン・ドメニコ教会(Chiesa di San Domenico)があります。
サン・ドメニコ教会では、グエルチーノ作『受胎告知』、ティッツィアーノ作『十字架磔刑図』などの名画を鑑賞することができます。なお、『十字架磔刑図』は、現在は複製画となっており、原画はアンコーナにあるピナコテーカに設置されています。
・街の始まりに当たるPiazza Kennedyからの距離:約200メートル
・第4ポイントのローマ広場から約300メートル、徒歩で5分程度
いかがでしたか。アンコーナは有名な場所ではありませんが、知られていない割には多くの見どころがここかしこにある街です。情報がとても少なく、ひいき目にみてもツーリストにやさしい街ではありませんが、観光地化されすぎていないだけに、いつもゆったりとした時間が流れ、それでいてイタリアらしい景色を楽しむことができます。イタリア旅行の際は、ぜひアンコーナまで足を延ばしてみてください。
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