キーワードで検索
クアラルンプール郊外に位置するマレーシア屈指の観光スポットといえば、バツー洞窟(Batu Caves)。地上100mを誇る石灰岩質の山の頂上付近にある洞窟にはヒンドゥー寺院があり、巡礼者だけではなくツーリストも多く訪れることで知られています。
マレーシア・クアラルンプール市内からバツー洞窟までのおもなアクセス方法は、電車かタクシーです。
電車の場合は、KLセントラル駅(KL Sentral)からKTMコミューター(KTM Komuter)のセレンバン線(KTM Seremban Line/KTM Laluan Seremban)で所要36分です。バツー・ケーブ駅(Batu Cave)で下車し、徒歩約5分でバツー洞窟に到着します。本数は15~20分に1本となっています。また、道路状況にもよりますが、Grabなどタクシー配車アプリを利用すると所要20~45分ほどです。
バツー洞窟は、ヒンドゥー教発祥の地であるインド以外の国における最も有名なヒンドゥー寺院とされています。マレーシアでは、イポー、マラッカ、ペナンと国内に4つの主要なヒンドゥー寺院がありますが、当然ながらそれらのなかでも最も重要な位置づけ。そのため世界中から信者が訪れる聖地となっています。
バツー洞窟の特徴は、272段もある洞窟へ続く階段です。以前はレンガ色の単色でしたが、2018年に大規模改修が行われ、虹のようにカラフルな極彩色となりました。この改修は賛否両論を巻き起こしましたが、SNS映えすると話題を呼び、多くの人を惹きつけることになったのは間違いありません。
また、正面に向かって右側に建つ黄金像は、軍神ムルガン。高さ42.7mを誇る像で、父はヒンドゥー教の主神の1人とされるシヴァ神です。丘や山の上に建立されたヒンドゥー寺院では守護神とされています。
寺院の見学は無料ですが、短パンやミニスカートで中に入ることは禁じられています。そのような格好の場合は、階段の入口にある門塔(ゴプラム)の下で、腰に巻くスカーフをRM5(約129円)でレンタルできます。見学後にレンタルしたスカーフを返すとRM2(約51円)が戻ってきます。
バツー洞窟の見どころは、ケーブ・テンプル、ダーク・ケーブ、ケーブ・ビラの3ヵ所。
最も有名なのが、階段を登りきった頂上付近に位置するケーブ・テンプル(Cave Temple)です。洞窟といっても中はとても広く、天井にはぽっかりと穴があいているため、光が差し込んできて明るい開放的な空間になっています。
ケーブ・テンプルには、寺院が2つあり、手前と、さらに階段を登った最深部に位置しています。また、洞窟の壁に沿って、ヒンドゥー神話をモチーフとした彫像などが飾られているので、こちらも必見です。ただし、孔雀のモチーフと寺院内のご本尊は神聖なものとされているため、写真撮影は禁止されています。注意してください。
晴れた日には、天井の穴から差し込む光の筋が幾重にも重なり、幻想的な雰囲気に包まれます。このような神秘的な光景からなのでしょうか。ケーブ・テンプルは、パワースポットと称されることもあるようです。
ケーブ・テンプルの手前にあるダーク・ケーブ(Dark Cave)内では、周辺に生息する貴重なコウモリやクモなどを観察することができます。ただし、これらは有料のガイドツアーでのみ観ることができます。ツアー代金は、大人RM35(約908円)、12歳以下RM(約638円)。
3つの見どころのうち、唯一、地上にあるのがケーブ・ビラ(Cave Villa)と呼ばれるテーマパークと資料館のような施設です。こちらも有料。カジュアルな雰囲気で、ステージではインド舞踊が披露され、ヒンドゥー神話にまつわるオブジェなどが展示されています。なぜか奥には爬虫類が展示してあるなど、アトラクション的な要素が強いのが特徴です。マレーシア人以外はRM15(約389円)。
喉が乾いたらぜひ飲みたいのが、広場で売っている生のココナッツジュース。まずはジュースショップの裏にある店でトークンを買います。この時にチルド(RM7、約181円)か常温(RM6、約155円)を選びます。
ショップでトークンを渡すと、目の前でココナッツを割ってストローを差して渡してくれます。ココナッツは、天然の経口補水液とも呼ばれていて、汗をかいたあとにぴったりです。ちなみにヒンドゥー教では、ココナッツは神様へのお供えとしても使われる縁起のよい食べ物とされています。
インド本国では、あまりにも危険なために禁止となってしまった奇祭タイプーサム(Thaipusam)。バツー洞窟は、その開催地となっていることでも知られています。
祭りに参加する信者は、身体中に鉄の串を刺し、ガバティと呼ばれる飾りを背負い、夜通し歩き続ける苦行を行います。起点となるのは、クアラルンプール市内のスリマハマリアハン寺院(Sri Mahamariamman)。そこから約12km北にあるバツー洞窟のスリ・サブラマニアム寺院(Sri Subramaniar)を目指して歩きます。
タイプーサムが行われるのはヒンドゥー暦のタイ(Thai)の月の満月の日と定められており、西暦では毎年1~2月頃(2020年は、2月8日)となります。当日、マレーシアは祝日です。
タイプーサムの日は、世界中のヒンドゥー教徒のみならずツーリストも多く訪れるため、周囲の道路が封鎖されたりします。当然ながら、最寄り駅のバツー・ケーブ駅をはじめ各施設や公衆トイレなどにも行列ができます。辺りにはゴミが散乱し大混雑するので、この時期にバツー洞窟を訪れる場合は安全に十分注意してください。
いかがでしたか。クアラルンプール市内からのアクセスがよく、スケールの大きなバツー洞窟は、人気の観光スポットでもあり聖地でもあります。マレーシア随一のSNS映えする風景とともに楽しんでください。