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カレル橋(Charles Bridge)は、チェコの首都・プラハを流れるヴルタヴァ川に架かる橋です。1992年に世界文化遺産に登録されたプラハ歴史地区のハイライトともいえるでしょう。16連のアーチが優美なカレル橋の見どころを紹介します。
カレル橋(Charles Bridge)は、チェコ・プラハのシンボルともいえる必見の観光スポットです。
橋の東側には、プラハ1区をはじめとする中心街(旧市街や劇場、デパートがある繁華街エリア)、西側にはマラーストラナ地区(プラハ城のある観光名所エリア)やフラッチャニ地区(ロレッタ教会がある)、ストラホフ地区(荘厳な図書室で知られるストラホフ修道院がある)が広がります。
ローカルの雰囲気に浸り、プラハっ子気分を味わうなら東側、観光スポット巡りに重点を置きたいなら西側をメインに巡るとよいでしょう。
最寄りの交通機関は、東側のStaromestska(スタロムニェスツカー)駅と西側のMalostranska(マロストランスカ)駅です。どちらも、メトロ(A線)やトラム、バスが通っています。
カレル橋は、神聖ローマ皇帝カール4世(別名ボヘミア王カレル1世)の命を受けてから50年ほどかけて建設され、1402年に完成した橋です。当時、旧市街と先ほど述べた周辺地区を行き来できる唯一の橋であったことから、人々の暮らしにおいて重要な役割を担ってきました。
カレル橋は、普段から人が多く集まる場所で、特に日中はたくさんの観光客で埋め尽くされます。「せっかく観光に来たけれど、あまり人混みは得意じゃない」という方もいるでしょう。しかも、観光客が密集するエリアは、スリ被害のリスクも高く、十分注意して行動しなければなりません。
そんな人混みやスリ被害のリスクを避けるべく、紹介したいのが「朝のカレル橋」です。今回は、東側のStaromestka駅側から渡ってみましょう。
朝8時、17番トラムを降りて徒歩約5分。ぎっちり並ぶ荘厳な建物の間を歩いて行くと、右側の視界が開け、カレル橋の東端の塔が見えます。
写真の人の大きさを見ると、いかに塔が大きいかわかるでしょう。なお、この塔は、朝10時から入ることができます(有料)。
塔をくぐり抜け、橋へ踏み入れると……
ご覧の通り、人もまばら。この日は数名の観光客と朝の散歩を楽しむ地元の人が見受けられました。朝日で少し金色がかった雲もあいまって、そのロマンチックな光景は中世さながらです。
横を見ると、橋には左右15体、計30体の聖像が立ち並びます。
これらの聖像は、17世紀半ばの30年戦争で一度ほぼすべてが破壊されてしまったのですが、17世紀末から18世紀初頭にかけて新たに制作されました。
どんどん歩みを進めていくと……
Malostranska駅のある対岸が近くなってきました。朝の静けさのなかに響きわたる小鳥のさえずり、朝日に照らされて暖色のフィルターをかけたような光景に包まれ、思わずうっとりしてしまいます。昼間の喧騒が嘘のように、朝のカレル橋は実におだやかです。
少し足を止めて景色に見入ったところで、橋の終わりを目指します。
奥に見えるアーチが橋の終わりです。見上げると東側の塔と同様に大きく、こちらも朝10時から入場できます(有料)。この日は朝早かったのでこの近辺も静かでしたが、昼間には路上演奏や大道芸が行われ、多くの観光客を魅了しています。
このアーチで橋は終わりですが、油断することなかれ。ここをくぐり抜けた先の町並みもぜひ見てみてください。
奥にゴシック様式の聖ニコラス教会を望み、おもちゃのようにカラフルでかわいらしい建物がずらりと並びます。聖ニコラス教会は、コンサート会場としてもよく知られており、中にはモーツァルトが演奏したバロックオルガンがあるのだとか。
■カレル橋(Charles Bridge)
・住所: Karlův most, Malá Strana, Praha 1- Staré Město
・営業時間(東西端の塔): 10:00〜22:00(3・10月20:00まで、11〜2月18:00まで)
・休業日: 無休
・URL: https://www.prague.eu/cs/objekt/mista/93/karluv-most
いかがでしたか。早起きは少し苦手という方も、「がんばって早起きしてよかった」と思えること間違いなしの「朝のカレル橋」を紹介しました。朝焼けを受けてキラキラと輝くカレル橋へ出かけてみませんか。