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12月のニューヨークは年間で最も華やかな季節になります。クリスマスやハヌカ(ユダヤ教の祝日)など大きなホリデー・イベントがあるため、街全体がドレスアップして目を見張るようなゴージャスさ。旅行者にもたいへん人気があるクリスマス時期のニューヨークでは、いったいどこへ行って、何をするのがよいのでしょうか。ニューヨーク在住の筆者が、クリスマス・シーズンのニューヨークを満喫するために、行くべき場所&するべきことをお伝えします。
ニューヨーク市内では、クリスマス・シーズンになると数ヵ所で「ホリデー・マーケット」が開催されます。今回紹介する「ユニオンスクエア ホリデー・マーケット」が最も有名で、最大規模ではないでしょうか。左右に店が立ち並ぶなか、冬の風物詩を楽しもうと多くの人が集まります。
クリスマスのオーナメント(ツリーの飾り)やニューヨークに関するアート、手の込んだアクセサリー、防寒にぴったりな帽子など、友人や家族にはもちろん、自分にもプレゼントしたくなるもので目移りするほど。
身体が冷えたら、温かいホットアップルサイダー(炭酸は入っていないアップルジュースのこと)やホットチョコレートを。軽食も豊富で、ベルギー風ワッフルやクレープ、ホットサンドイッチ、ドーナッツ、クッキー、フルーツたっぷりのパイなど流行りのグルメを堪能できますよ。ただし、いずれもお祭り価格で高めです。
【在住者の本音コメント】
アーバンスペースというイベント企画会社が、コロンバスサークルやブライアントパークのホリデー・マーケットも運営しているので、ニューヨーク市内のホリデー・マーケットの出店はほぼ同じ。そのため、ハシゴをする必要はなく、1ヵ所のホリデー・マーケットを回ればよいでしょう。
ユニオンスクエアはクリスマスイブで終了しますが、ブライアントパークは1月上旬まで営業しています。
2022年度は、2022年10月28日~2023年1月2日まで営業していました。
ちなみにアメリカでは多様な宗教や文化が共存するため、年末時期はキリスト教のクリスマスに限定せず、「ハッピーホリデー」と祝うのが一般的です。
世界で最も有名なクリスマスツリーのひとつといえば、ロックフェラーセンター(以下ロックフェラーと表記)に設置される巨大ツリーです。例年サンクスギビングデー明け翌週の水曜日に点灯式が行われます。
2022年のクリスマスツリーは、ニューヨーク州クイーンズベリー産で、樹齢はなんと85〜90歳、高さは82フィート(25m)、幅は50フィート(15m)、重さは14tとかなり立派! 約5マイル(8km)のワイヤーに5万個以上の多色LEDライトが灯され、ツリーが輝きます。
【在住者の本音コメント】
筆者も毎年見に行っています。見る人を笑顔にしてくれ、生きる勇気を与えてくれる、大好きなクリスマスツリーです。筆者を含め、見学者の多くがツリーと一緒に写真を撮っています。
地元民も観光客も多くの人々が見に行くため、かなり混み合います。足元に注意して転倒しないようご注意ください。
ロックフェラー・センター
詳細をみる街中にはクリスマスツリーがいっぱい。ロックフェラー近辺にはほかにも見逃せないツリーがあります。ふたつとも歩ける距離にあるので、ぜひ立ち寄って見てください。
ゴールドに輝くツリーは見ているだけでも心が温まります。ツリーの足元がトンネルのようになっていて、中で写真を撮れば映えること間違いなし。特にカップルに人気のようです。
ツリー近くに並ぶプレゼントをおもちゃの兵隊が守っているかのようなツリーです。とてもかわいらしいので、ここは兵隊と一緒に撮りたいところ。
ロックフェラーのツリーほど混雑しておらず気軽に見られるので、ぜひ行ってみましょう。
ロックフェラーのクリスマスツリーがある5番街を挟んだ向かい側にある、高級デパート「サックス・フィフス・アベニュー」。ここで有名なのはデパートの外壁を使ったライトショー。音楽に合わせたライトパフォーマンスは美しく、とても迫力があります。
2022年のショーは、イギリスのミュージシャン、エルトン・ジョンとのコラボでした。
【在住者の本音コメント】
テーマパークのライトショーのような派手さに、観客からは歓声が上がります。10分間隔でやっているので、見逃してしまっても大丈夫。一度見て気に入ったら、何度でも見ることができますよ。
個人的には、昔ニューヨークでよく見たシックな雪の結晶の静かなライトショーが好みですが、SNS映えすること間違いなしなので、見たことがない方はぜひ一度足を運んでみてください。
サックス ・フィフス・アベニュー
詳細をみるアメリカでは、11月下旬~12月のクリスマス頃が最も商品が売れる時期だといわれます。市内がイルミネーションやライトアップで華やかに装うので「新しいコートやきれいなストールでも買おうか」と思わせられてしまいます。そしてたくさんの買い物袋を抱える人を見て「プレゼントで買い忘れたものがあったかも?」とデパートに駆け込んでしまうのです。
アメリカの人気デパート「メイシーズ」や各ブランド店は、クリスマスシーズンには力を入れて美しくホリデーウインドーやイルミネーションで飾りつけ、通行人を巧みに店内へいざないます。
クリスマス限定商品が出たり、パッケージがクリスマス仕様になったり、財布のひもが緩くなってしまうというもの。1年間一生懸命働いた自分へのご褒美に、欲しかったものを買ってもバチは当たりません。この時期は自分を甘やかして、ショッピングしてみてはいかがでしょうか。
【在住者の本音コメント】
クリスマス以降は、年間で最大値引きの「アフタークリスマスセール」が行われます。通常の10分の1くらいの価格になる場合もあり、年間で最もお得にショッピングできる時期といっても過言ではありません。
ちなみに、アメリカでは年末が近づくと財布のひもが緩くなり、年が明けるとクレジットカードの明細に目を剥き、使いすぎを反省して買い物を控えるようになります。日本ではお年玉の習慣がありますから、初売りや福袋販売で年明けも購買意欲が続くのとはちょっと違いますね。
メイシーズ(ニューヨーク・ヘラルド スクエア本店)
詳細をみるクリスマス・シーズンのニューヨークで、見逃せないのは各デパートやブランド店のホリデーウインドー。眺めていると、夢の世界に引き込まれるようです。こちらのホリデーウインドーはただのディスプレイではなく、1年かけて制作された芸術作品。
【在住者の本音コメント】
ホリデーウインドーの最高峰はやはりバーグドルフ・グッドマン。こちらでは1年間の歳月をかけ、経験豊富なチーフ・ディレクターを含む約100名のスタッフによって制作されます。かなりの経費がかかっており、とてもゴージャス。
ほかにも、ブルーミングデールズはトレンドを意識したおしゃれな感じ、メイシーズは子供向けでかわいいものが多いです。各デパートで個性が違いますので、ハシゴして比較してみましょう。
バーグドルフ・グッドマン
詳細をみるブルーミングデールズ (ニューヨーク・59番街店)
詳細をみるコロナ禍で観光客が減った5番街に活気を取り戻そうと、2020年冬から設置されたクリスマス・オブジェのディスプレイ。年末の5番街が明るく輝きます。
トランクにプレゼントがぎっしり詰まったイエローキャブ、クリスマス ツリーを積んだ赤いトラック、サンタ帽をかぶったテディベア、サンタさんへの手紙専用の郵便ポストなど、クリスマスにちなんだ10個のライトアップ・オブジェ。観光客はもちろんニューヨーカーにも大人気で、クリスマス・シーズンには必訪のスポットです。設置場所は公式サイトで確認できます。
【在住者の本音コメント】
筆者も大好きなスポットで、つかの間の夢の世界に浸れます。
各オブジェの QR コードをスマートフォンでスキャンすると、オブジェに関するストーリーを読むことができますよ。
12月のニューヨークは、色々な場所や店がデコレーションされてキラキラと輝きます。ツリーを見たり、イルミネーションと一緒に写真を撮ったりしてみると、クリスマス独特のあのワクワクする幸せな感情が湧き上がってきます。一時は観光客が減って少し寂しくなったニューヨークですが、現在は観光客も少しずつ戻り、かつての活気を取り戻しています。
今回紹介したクリスマス・シーズンの6つのポイントを押さえれば、ニューヨークのクリスマスを満喫できること間違いなし。しっかりと防寒して、忘れられない思い出を作ってみてください。
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO: Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
こちらの記事は2023年1月時点のものです。情報やスケジュールなどは変更になる場合がありますので、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。