ニューヨークのシンボル、自由の女神。アクセスや楽しみ方と、行く前に知っておきたいその歴史
2023.2.1
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テレビ放映で人気を博し、映画化もされた『セックス・アンド・ザ・シティ』。オンエアから20年近く経ってなお、根強い人気を誇ります。登場人物の4人の足跡を辿るためにニューヨークへ旅行しに行くというファンも少なくありません。撮影の舞台となったミート・パッキング・ディストリクトやグリニッチ・ビレッジのおしゃれなエリア、トレンディなレストラン、時代の先を行くパトリシア・フィールドの衣装デザインなど、都会のセンスにドキドキしましたよね。その中でも、特に印象的なシーンをピックアップして『セックス・アンド・ザ・シティ』の聖地巡礼スポットとしてまとめてみました。(以降、『セックス・アンド・ザ・シティ』は『SATC』と表記します。)
目次
カップケーキ好きなら、「マグノリア・ベーカリー」はもうご存じですよね。こちらのカップケーキが一躍有名になったのは、『SATC』シーズン3の第5話でキャリーとミランダがこの店のカップケーキを食べるシーンが出てきたからです。
キャリーが「私、恋してるの」と、ミランダに打ち明けながら甘そうなカップケーキを食べるシーンは、恋するキャリーにぴったりで印象に残った方も多いかもしれません。キャリーが恋する相手は何人かいますが、この時は誰に恋していたの?と思った方は、もう一度ドラマを視聴してみてくださいね。
ちなみにふたりが座った店前のベンチは、現在は設置されていません。いまだに多くのファンが写真撮影に訪れるからか、ベンチがあった場所はいつも立ち入り禁止になっています。写真の右側にある、赤い三角コーンの場所が、ベンチが置かれていた場所です。
カップケーキは見ためよりは甘くないので、1個なら軽くペロリ。購入した翌日になると乾燥して味が落ちるので、当日食べられる分だけ買うことをオススメします。2022年9月時点で、以前より価格が値上がりしサイズが一回り小さくなっているように感じますが、おいしさは変わっていません。カップケーキの色やデザインは、季節により変わりますよ。1個4.15ドル(約590円)で購入できます。
『SATC』最大の聖地といえば、あの階段(ストゥープ)が印象深い「キャリーのアパート」ですね。ドラマ放映が終わって20年近い時を経て、2021年に続編の『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』がオンエアされたこともあり、いまだに根強い人気。
キャリーのアパートがどこなのかは、近くまで行けば人が集まっているのですぐにわかります。訪れる際は「自分はキャリー・ブラッドショーだ!」と思い込むと、『SATC』の世界に入り込んだような気持ちになれるかもしれませんね。記念撮影しているファンの年齢層はさまざまで、多くの世代に愛され続けている作品だということがわかります。
また、残念ながら2022年9月現在、「ニューヨークあるある」でキャリーのアパートは工事中。ニューヨークの建築は100年以上経ているものも多く、老朽化のため工事中のことが多いのです。
この階段から、キャリーはお気に入りのファッションに身を包んで恋人に会いに出かけ、デートの帰りにはこの階段まで恋人に送り届けてもらっていました。あなたが思い浮かべる階段のシーンは、どんなキャリーでしょうか。筆者が印象深いのは、雪の降る大晦日の夜、パジャマの上に毛皮のコートを羽織って、ミランダ宅へ出かけるキャリーです。
なお、アパートは個人所有となっていますので、玄関前の階段上での撮影は不可。通常、階段の入口には鎖がかけられており、立ち入りが禁止されています。キャリーのアパート見学の際は、ルールを守ってくださいね。
ちなみにキャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーも、数ブロック内に住んでいるようですので、運がよければ会えるかも?
「マグノリア・ベーカリー」の並びに、キャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーがプロデュースするシューズ・ブランド「SJP by Sarah Jessica Parker」の新店舗がオープン予定。
『SATC』の聖地、キャリーのアパート近くにオープンするので、今後はファン必見の新たなスポットになるに違いありません。
「SJP by Sarah Jessica Parker」の靴は、『SATC』の映画やドラマでキャリーが履いていた靴のデザインに似ており、ファンだったら欲しくなりそう。キャリーお気に入りのマノロ・ブラニクの靴が1000ドル(約14万円)以上するのに対し、SJPは3分の1〜半分ほどの価格で購入できるので、手が届きやすいかもしれませんね。
2008年の映画『セックス・アンド・ザ・シティ』で、キャリーとミスター・ビッグが結婚するきっかけになったアッパーイーストのドアマン付きペントハウス(最上階の高級住居)。1928年完成の15階建てのビルで、5番街の82丁目という超高級住宅地にあります。
あいにく工事中だったのでわかりづらいですが、写真の左側後方に見えるのはメトロポリタン美術館。上層階からはセントラルパークが一望でき、メトロポリタン美術館まで徒歩ですぐのすばらしいロケーションです。
映画では1フロアでしたが、実際のペントハウスはデュープレックス(2階建て構造)、約627平方mで、4つの寝室に6つのバスルーム。ふたりで住むには広すぎるのでは?と思ってしまいますよね。こちらのペントハウスは、2021年12月に3499万5000ドル(約50億400万円)で売却されています。今はどんなお金持ちが住んでいるのでしょうか。
映画やドラマの撮影地とはいっても、現在は個人が所有しており、ビルには多くの方が住んでいます。見学の際は、住民の邪魔にならぬよう配慮して見学してくださいね。また、こちらのビルへも住民以外は入れませんのでご注意ください。
ペントハウスの中の撮影は、先ほどのビルではなく5番街の63丁目にある“Academy Mansion(アカデミー・マンション)”というイベントスペース兼写真スタジオで行われました。こちらではなんと結婚式も挙げられるようですよ。ミスター・ビッグがキャリーのために用意した靴専用の巨大クローゼットは、撮影用に作ったセットのようです。
参考
・Carrie and Big’s Penthouse from the “Sex and the City” Movie IAMNOTASTALKER:https://www.iamnotastalker.com/2017/07/31/carrie-and-bigs-penthouse-from-the-sex-and-the-city-movie/
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリーが借りた本を返却に来たのは、ミッドタウンの5番街42丁目にある「ニューヨーク公共図書館」。1911年に開館した美しいボザール様式の建築物です。
館内に入って階段を登りながら、キャリーは「ビッグとの夢の結婚式にふさわしい場所なのでは」とインスピレーションを得ました。筆者が訪れたとき、キャリーと同様に、うっとりと天井を見上げている女性がいましたよ。
見上げると、視線の先にはキャリーの目にも止まった美しい天井画が。キャリーは残念ながらこの図書館では結婚式を挙げられませんでしたが、実際にここで挙式することも可能です。ニューヨーク在住者でなくても大丈夫ですが、億単位の予算が必要なので、ミスター・ビッグのような超セレブ向きかもしれません。
キャリーの結婚式当日、『SATC』の4人組はこのホールでミスター・ビッグを待っていました。まさか彼が結婚に怖気付いて来ないとは、夢にも思わずに……。
結婚式当日、ミスター・ビッグから「結婚はできない」との意思を電話で聞き、ショックを受けたキャリーが「私をここから連れ出して」と叫び、シャーロットとミランダの3人で駆け下りた階段。幸せの絶頂から絶望の底へと落ちるショッキングなシーンに、『SATC』ファンの胸も痛みましたよね。
大理石のアスターホールは、映画でも絵になりましたが、実物はさらに美しく厳かな雰囲気があります。ファンでなくても、必見のスポットです。
また、この図書館は公立ではなく、アメリカの富豪による個人財団が運営しているというのですから驚きです。
結婚式当日、式場の図書館に現れなかったミスター・ビッグ。キャリーたちの乗った車とストリートですれ違い、謝罪と釈明のために車を降りてきたミスター・ビッグをキャリーがウェディング・ブーケで引っぱたいた印象的なシーンでした。
「この男、最後の最後までサイテー……」とうんざりしたキャリーファンは、キャリーと一緒に自分もミスター・ビッグをやっつけている気持ちになったことでしょう。ストリートに散らばったブーケのバラの花びらは、砕け散ったキャリーの心を表しており、胸が痛んだシーンでもあります。
このシーンが撮影された場所は、ニューヨーク公共図書館を右手に出て、5番街と6番街の間、40丁目の通りで、キャリーたちが車を止めたのは向かい側のブライアント・パーク・ホテル(Bryant Park Hotel)の前あたり。
ブライアント・パーク・ホテルの並びには、生チョコの「ロイズチョコレート」やケーキの「レディM」など日系の店があります。このストリートを訪れて心が痛んだら、チョコレートやケーキを食べて回復しましょう。
映画『セックス・アンド・ザ・シティ』の中で、アシスタントのルイーズはキャリーの仕事のみならず、精神的にもサポートした優しく明るい女性でした。キャリーは感謝の印に、ルイーズが欲しがっていた(レンタル利用していた)ヴィトンのバッグを、クリスマスプレゼントとして贈ります。ルイーズの喜ぶ姿を見て、無駄遣いが多かったキャリーは、「有効にお金を使うとはこういうことだ」と学ぶのです。
ミスター・ビッグとの破局で傷ついたキャリーが、ルイーズと恋愛について語り合いカクテルを飲んだこのベーメルマンス・バー。作家でイラストレーターのルドウィッヒ・ベーメルマンスによってニューヨークの四季が描かれた壁画が特徴です。かわいらしい壁画に、落ち着いたゴールドの色調がシックな雰囲気を醸し出し、デートにも大人の女子会にもピッタリ。
長い歳月といくつものトラブルを越えて、やっと結婚にたどり着いたキャリーとミスター・ビッグ。ふたりが最終的に選んだ結婚式は、シティ・ホール(市役所)での地味婚でした。ニューヨーク市では、市の婚姻許可局で婚姻届を出す必要があり、ニューヨーカーが「シティ・ホールへ行こう」といえば結婚を意味します。
写真後方に写っている「The Louis J. Lefkowitz State Office Building」内に市役所の婚姻許可局があります。事前予約が必要で、本人たちのほかに立会人(証人)も揃わないと入館できません。
市役所ではありますが、司祭が立ち会って簡単な式をするので、ここで入籍と挙式を済ませてしまう人も多いです。蛇足ですが、筆者もこのシティ・ホールで結婚しました。ビル近くでは、結婚したカップルたちがよく記念写真を撮っています。
訪れるカップルは、若いカップルから60代以上のカップル、子連れのカップルなどさまざま。服装もジーンズにTシャツの普段着から、ウェディングドレスとタキシードの正装と、自分たちらしいスタイルで特別な日を迎えているようです。
映画の中ではマンハッタンのシティ・ホールで結婚式を挙げていましたが、実際に撮影が行われたのはブルックリンの最高裁判所だそうです。役所の建物なので殺風景ですが、マンハッタンのシティ・ホールと雰囲気は似ていますよ。なお、映画では挙式を控えたほかのカップルも結婚式に同席していますが、現在、実際のシティ・ホールでは当事者と付添人以外は同席できません。
また映画の中で、挙式後に会食(披露宴)をしているのは、チーズケーキが有名で庶民的なダイナー「ジュニアズ(Junior’s)」。このシーンもブルックリンの1号店で撮影したと言われていますので、キャリーとミスター・ビッグは実はブルックリン好きなのかも?
ブルックリンの最高裁判所(英語名:Kings Supreme Court)
『SATC』の聖地巡礼スポットを巡ると、名シーンや名セリフ、印象的なファッションが蘇りますね。恋するキャリーと一緒に泣いたり笑ったり、ドキドキするような気分が味わいたくなったら、ぜひニューヨークへいらしてくださいね。お待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO: Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
トップ画像:PR Times
監修:地球の歩き方
※記事内の情報は2022年9月時点のものです。最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。
※記事内の料金は1ドル:約143円を参考に計算しています。