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作品の舞台は“イタリアでもっとも美しい村”のひとつとされるチヴィテッラ・デル・トロント。現在でも石畳や歴史を感じる石造りの家が多く残り古き良きヨーロッパの風景が残っているイタリア中部の町です。
この村で古書店を営むリベロ(レモ・ジローネ)はある日、店先でアフリカ移民の少年エシエン(ディディ―・ローレンツ・チュンブ)を見かけます。彼は貧しさから本を買うことができずにいましたが、好奇心旺盛なエシエンを気に入ったリベロは店内にあるあらゆるジャンルの本を貸し与えて、本を読むことの素晴らしさを熱心に伝えます。
「ピノッキオの冒険」や「星の王子さま」、「白鯨」などのたくさんの本を読み進めていくうちに、さまざまな知識、ものの見方、考え方などを学んだエシエンは、“読書の喜び”を感じていきます。リベロが読書を通してエシエンに“本当に伝えたかったこと”とは何なのか・・・読書を通して年齢、国籍を超えた友情で結ばれていくふたりの様子を描いた、ハートウォーミングストーリーです。
作中では、サイドストーリーとしてふたりの交流を軸に、ユーモラスな人々の人間模様が描かれています。日常の何気ない小さな幸せや愛おしさ、平和に繰りかえす何気ない日常のありがたさなどを感じることができます。作中には数多くの有名文学作品が登場するので、読書が好きな方はもちろん、お子様も楽しめる作品です。
■配給:ミモザフィルムズ
■公開:3/3(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
イタリア中部、アブルッツォ州テーラモ県にあるチヴィテッラ・デル・トロント。人口は5000人にも満たない小さな町ですが、その歴史は古く、町の高台には16世紀にスペイン人が建てたとされる要塞があります。そのほか、1326年建設のゴシック・ロマネスク様式(内部はバロック様式)のサン・フランチェスコ教会や、542年設立のロマネスク様式のサンタ・マリア・ディ・モンテサント修道院など見どころがたくさんあります。
村のシンボルでもある要塞(Fortezza)は、広さがヨーロッパの中でも最大級の2万5000平方メートルあります。内部は迷路のようになっていたり極端に狭い階段があったりするなど、簡単に敵が侵入できないような仕組みが施されており、1861年にイタリアが統一されるまではここがナポリ王国最北の要として敵の侵入を阻んでいました。現在ではツアーで見て回れるなど観光地化されています。