イギリス・ロンドン旅行で必ず行きたい「大英博物館」を100倍楽しむヒント
2023.2.9
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800万点以上のコレクションを誇る大英博物館。膨大な資料の全てを見て回るのは短時間では不可能です。今回は「大英博物館にはいきたいけどあまり時間が取れない!」「たくさん歩きたくない!」「結局、何を見ておけばいいのかわからない!」という方のための、最短モデルコースを作ってみました。順番通りまっすぐ進めば2000歩(筆者の足で計測) で見て回れる、前代未聞の挑戦です。
今回見て回る順番は以下の通りです。大きなものから小さなものまでバラエティ豊かにピックアップしてみました。(※館内は貴重な資料ばかりなので、泣く泣く10点に絞っています。時間がある方はぜひゆっくり回ってみてくださいね。
目次
それではスタートです!
今回のラインナップのなかでも一番の見どころといっても過言ではない「ロゼッタストーン」です。
エジプトで発見された、紀元前196年の石碑の一部で、碑文には神聖文字(ヒエログリフ)、民衆文字、ギリシャ文字が刻まれており、古代エジプト語を解読する鍵となったことで世界的に有名な石碑となりました。
紀元前1250年ごろに造られたとされるラムセス2世の胸像です。60年以上も王権を握り、エジプト史上最も偉大な王とされています。この石像は王の遺体安置所の門に対で設置されていたもののうちのひとつです。大英博物館にあるエジプト関連の展示で最大の石像でもあります。
ローマ彫刻の展示室に堂々と鎮座するアフロディーテ像。沐浴中のヴィーナスを表している作品です。ギリシャ彫刻にインスピレーションを受けた作品で、どのアングルから見ても美しい柔らかな身体が表現されています。
ギリシャ・パルテノン神殿の彫刻群の展示です。一番右端に見える馬の頭は、この中で最も有名で最も愛されている彫刻のひとつです。戦車を引いている馬を表現した作品だそうで、その見開かれた目や大きく膨らんだ鼻、大きく開いた口の様子から、あたかも本当に戦車を引っ張っているかのような息遣いの荒さが聞こえてきそうです。
イースター島から持ち込まれた高さ2.24mのモアイ像。本来は複数のモアイ像がともに海に背を向けて島を守る役割を果たしていたとされています。元々、眼のくぼみには赤い石とサンゴがはめ込まれていましたが、欧州へ運ばれる際に洗い流されてしまったといわれています。
メキシコのアステカ文明を代表するトルコ石のモザイク芸術。なかでも有名なものが双頭の蛇のモザイクで、1400~1500年頃のものだそうです。写真では暗く分かりづらいですが、実際は鮮やかなブルーで美しいです。幅40㎝程のこの作品は、儀式の際の冠飾りに使われていたとされています。
今から約5500年前の初期エジプトのミイラです。現在も残っている髪の毛の色から「ジンジャー」という愛称で人気を博しています。我々の想像する包帯でぐるぐる巻きにされたいわゆる”ミイラ化”という慣習が始まる前の時代のもので、亡くなった場所がたまたま乾燥と灼熱の地であったので、このような状態で残ったそうです。
紀元前1290年頃の死者の書。死者の魂が肉体を離れた後のにどのような流れで神の前での審判に臨むかが描かれています。左下の天秤には左に心臓が、右に羽根が載せられており、すぐ右に立っている鳥人の手には計量結果を記すためのペンが…。この死者はどのような運命をたどったのでしょうか …。
こちらはメソポタミア文明における重要な展示品、ウルのスタンダード。紀元前2500年頃に造られたとされています。幅50㎝ほどの箱状をしていますが、詳しい用途は未だ不明のミステリアスな一品です。バラバラの状態で王家の墓地の中から発見されましたが、修復され今の形で保存されています 。
サットン・フーとは、イングランド東部で発見された6世紀後半から7世紀前半頃の船葬墓のことです。船といっても海中に沈められたわけではなく、地中に埋められた古墳遺跡です。イギリスではとても有名な遺跡のひとつといわれています。27mにも及ぶその船の中央には豪華な財宝に満たされた埋葬室があり、遺体の頭部にあたる場所近くにこのヘルメットが置かれていました。中世の英国、アングロサクソンの考古学においてとても重要な資料です。
以上、筆者の足で約2000歩で巡った大英博物館の見どころ10選でした。
監修:地球の歩き方