
湖水地方お勧めホテル グルメ満喫の「ザ・ワイルド・ボアー」
2017.3.14
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「湖水地方」はイギリス北西部、スコットランド近くに位置する田園風景が広がる地域です。湖水地方の自然の魅力あふれる景観は世界遺産にも登録されており、イングランドで最も美しいといわれています。イギリス在住者からはよく「湖水地方は車で行かないと大変」といわれる場所ですが、今回はロンドンから鉄道で、滞在中も全て公共交通機関だけで2泊3日の個人旅行をしてきたので、その様子をお伝えします。
ロンドン市内のユーストン(Euston)駅から湖水地方の玄関口、ウィンダミア(Windermere)駅まではAvanti West coastで向かいます。利用する列車により異なりますが所要時間は約3~4時間。途中で1回乗り換えがあります。(列車により乗換駅が異なるのでチケット購入時に要確認)
旅行の時期や購入のタイミングによってチケットの料金が異なります。
トレインライン(Trainline)というアプリを使うと定価よりも少しお得な値段でチケットを購入することができます。スマートフォンの画面にバーコードを表示させることもできるので、旅慣れている方にはおすすめです。(筆者が旅行した8月中旬のベストシーズンは指定席利用で往復ひとり£160ほどでした)
※ユーストン駅からは遠方行きの電車が多く出ています。間違えて別の行先の列車に乗ってしまうと次の停車駅まで1時間以上止まらない電車もあります。チケットやアプリの表示だけではなく、駅の電光掲示板で行き先と最新のホームを確認するようにしましょう。
電車に乗ると、座席上に画像のような電光掲示板があります。指定席の場合は座席番号に従って着席し、自由席の場合は「Available」の表示の席を利用できます。
ユーストン駅から約2時間30分でオクセンホルム・レイク・ディストリクト(Oxenholme Lake Disrict)駅に到着。ここでウィンダミア行の列車に乗り換えます。
※列車によってはプレストン(Preston)乗り換えの場合もあります。チケット購入時に必ず確認しましょう。
オクセンホルム・レイク・ディストリクトからウィンダミアまでは約15分で到着です。
指定席に到着すると、別の旅行客がすでに座っていました。双方のチケットを確認しましたが、日付、座席番号ともに全く同じでまさかのダブルブッキング! 少し焦りましたが、当日はまだ自由席が空いていたので座ることができました。
ウィンダミア駅周辺の見どころといえば、ボウネス湾(Bowness)が有名です。
ボウネス湾はウィンダミア湖のクルーズの起点となる湾で、多くの店やホテル、ビアトリクス・ポターの世界館があり、大人から子供まで楽しむことができます。駅からボウネス湾まではバス(片道£2.8)が約20分間隔で出ているのでアクセスには困りません。
ボウネス湾周辺は近代的なデザインの建物が一切なく、中世のイギリスの町並みを感じることができます。
町の中心部はメインロード(Main Road)とクレセントロード(Crescent Road)の2本で主に構成されています。スマートフォンで地図をチェックしたりガイドブックを片手に現在地を確かめなくても町中を見られるほどコンパクトなので、絵本のなかに出てくるような美しい風景に没頭しながら町を散策することができました。
町や湖畔をゆっくり散歩するだけでも気持ちが良いのですが、ボウネス湾を訪れたらぜひ体験してほしいのがウィンダミア湖のクルーズです。
45分程度の短い物から、3時間かけて湖を一周するコースまで、滞在時間に合わせてルートを選ぶことができます。
日本でも大人気のピーターラビットの世界観の舞台といわれるイギリスの湖水地方。
ピーター・ラビットの作者「ビアトリクス・ポター」の生い立ちや、彼女が生涯をかけて守った湖水地方の景観、自然保護団体ナショナルトラストの活動について知ることができる施設が「ビアトリクス・ポターの世界館」です。
館内にはポターの絵本、全23作品に描かれた風景と動物たちの人形が展示されており、まるで物語の舞台に入り込んだ気分を楽しむことができます。
各ジオラマには、タブレットを用いてその場面の話を読んだり、詳しい解説を見ることができます。すべての開設に日本語表記があったので、英語に自信がない方でも安心です。
館内のギフトショップにはピーター・ラビットグッズが所狭しと並べられています。ティールームでは子供用のピーター・ラビット・ピクニックバスケットが販売されており、絵本の世界からキャラクターが飛び出してきたような雰囲気を楽しめます。
館内展示をゆっくり見て回る所要時間は30~1時間ほど。ピーター・ラビットのショーも数時間ごとに開催(別途料金)されているので、子供はもちろんおとなでも十分に楽しみことができる施設でした。
湖水地方滞在の楽しみ方のひとつとしてメジャーなのがハイキングです。
ウィンダミア駅周辺で手軽にハイキングが楽しめる場所のひとつがオレストヘッド(Orrest Head)です。標高239mの小高い山となっていて、緩やかな上り坂を30分弱歩くと山頂に着きます。山頂からはウィンダミア湖はもちろん、周辺の湖水地方を一望できる絶景ポイントがあります。ウィンダミア駅の隣に荷物を預けることができる施設(有料)があるので、駅に到着後そのままハイキングを楽しむこともできます。
今回の旅行で、筆者が宿泊した2ヵ所のホテルを紹介します。
現地の旅行をお考えの方はぜひ参考にしてください!
ウィンダミア湖の湖畔にたたずむThe Belsfield Hotelは数年前までLaura Ashley(ローラ アシュレイ)の名前がついていたホテル。現在は経営から撤退していますが、ローラアシュレイの特徴であるイギリスの歴史と自然に着想を得たテキスタイルが、部屋の壁紙やホテルの内装に散りばめられていました。
外観も内装も綺麗にリノベーションや増築されていますが築年数が古く、エレベーターは手動で蛇腹式ドアを閉めるレトロなままでした。館内は階段が多く、スーツケースを持っていたので部屋まで到着するのにひと汗かきました。
客室にはローラアシュレイの可愛い壁紙が貼られ、まさに想像していたイギリスの湖畔の家、という雰囲気。部屋の中と水回りもリノベーションされており、築年数の割にはかなりきれいで清潔感があります
館内のラウンジでは、ウィンダミア湖を眺めながらお酒やアフタヌーンティーが頂けます。家具も可愛く、ゆっくりとした時間を過ごせました。
朝食・夕食はシャンデリアが光る素敵なレストランで。事前に窓側の席を予約するとウィンダミア湖を眺めながら食事をすることができます。天気が良い日は外で食事をすることもできるようです。
The Belsfield Hotelからは徒歩4分ほど。こちらもウィンダミア湖のほとりにあり、なおかつ町の中心部に位置します。
クラシカルな外観の有名カントリーハウスホテルで、ラウンジやレストラン、多くの客室からウィンダミア湖を眺める事ができます。調度品にはアンティーク品もあり、高級感のある落ち着いたホテルでした。
今回は奮発して、1泊£350の部屋を予約しました。空き状況の都合か装飾やインテリアがウェブサイトで見た部屋とは少し違うような気がしたのですが、その代わり窓がとても大きく、湖を一望することができました! 窓は小さくてもヴィクトリア調の客室がよい場合は、チェックインの時に再確認するとよいかもしれません。
館内のプールは子供の利用時間が決められているため、大人だけでゆったりと楽しむことも可能です。スチーム&ドライサウナに入った後、湖を見ながら“ととのう”ことができるバルコニーも完備されています。オイルマッサージなどの体を労わるトリートメントのメニューも充実していました。
毎日12時以降はラウンジでアフタヌーンティーを注文することもできます(£25)。3段のお皿にケーキやスコーン、サンドイッチがのった正統派で、お気に入りの紅茶とともに楽しめます。
今回は湖水地方まで鉄道を利用し、公共交通機関だけで現地を楽しむ2泊3日の度でした。効率よく刊行するには車の方がいいのかもしれませんが、美しい景色に囲まれてのんびり過ごすという面では充分に満喫できました。
監修:地球の歩き方