ニューヨークの治安や状況、観光で気をつけるポイントや避けたいエリアを日本人ライターが解説
2024.1.8
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アメリカ人は気軽に食べられて、具材やパンの種類を選んで自分好みにカスタマイズできるサンドイッチが大好き。各国文化が入り交じるニューヨークでは、サンドイッチの種類が豊富です。パン部分は「ヒーロー」と呼ばれるコッペパンのようなものやライ麦パン、バゲット、ベーグルなど。具材はビーフやポーク、チキン、ターキーなどの肉、スモークサーモンなどの燻製やマリネの魚、各種野菜、クリームチーズなど、組み合わせは無限。駅近くのデリやベーカリー、カフェ、レストラン、バーなどどこでも手に入れやすく、いかにアメリカ人がサンドイッチを好むかがわかります。筆者が実際に食べ歩いて厳選したオススメのサンドイッチを、あなたも食べに行きませんか?
目次
今回ご紹介するサンドイッチ屋で、最もニューヨークらしく、クールなのが「チーキィ・サンドイッチズ」。
はじめに扉を開けるのは勇気がいりますが、中に入ればいかにもニューヨークな空間があり、ウェルカムな雰囲気のスタッフが迎えてくれます。
チーキー(チーキィ、Cheeky)とは、「やんちゃな」、「小生意気な」などを意味し、店名にぴったりな元気なサンドイッチをいただくことができますよ。
いかにもニューヨークな店ではあるけれど、モデルでもあるオーナーはニューオーリンズ出身。サンドイッチもニューオーリンズ・スタイルです。
フランス領の歴史を持つニューオーリンズは、アメリカの中でも食のレベルが高いグルメ都市。クリームやトマトを使った“都会的な”「クレオール料理」や、スパイシーで“田舎風の”「ケイジャン料理」など独特の食文化が形成されています。
バターミルクを使った手づくりのビスケット(イギリスのスコーンが進化したもの)にアツアツのソーセージグレービーをたっぷりかけて食べるのは、ニューオーリンズを含むアメリカ南部定番の朝食。
筆者はいちばん人気の「バターミルク・ビスケットのチキン・サンドイッチ」(6.5ドル)をオーダーしましたが、すべての具材が新鮮で味がよく、価格はお手頃。
【在住者の本音コメント】
びっくりするほど鮮やかな紫キャベツのコールスローはフレッシュでスパイシー。口内がみずみずしさでいっぱいになります。あまりのおいしさにコールスローのレシピを聞きたくなったほど。
筆者には「メインではない脇役のメニューにも手を抜かない店はおいしい」という持論がありますが、優しい甘さでほろっと崩れるバターミルク・ビスケット、脂っこくない揚げたてのチキン、たっぷりのグレイビーソース、それぞれが名脇役となって互いを引き立て合い、絶妙なおいしさでした。きっとほかのメニューもおいしいと思うので、次回は「海老フライとカキフライのハーフ&ハーフサンドイッチ」もトライしてみたいです。
オーナーはモデルの仕事でファッションセンスを磨いているだけあって、店内のインテリアやメニュー、ドリンクなどすべてクール。店のロゴのイラストもとってもかわいい。ニューヨーク旅行で、絶対に訪れてほしい店のひとつです。
実食評価 ★★★★★(星5 満点)
多くのニューヨーカーと同様に筆者もベトナムのサンドイッチ「バン・ミー(バインミー)」が大好きで、有名店で何度か食べたものの、これといって抜きん出たものには出合えませんでした。
そこで、Googleレビューをじっくりと読み込み見つけたのが、「バン・ミー・サイゴン」。利用客の評価が高く、価格が最もお手頃でした。
リトルイタリーとチャイナタウンの境目になっているエリアは、バン・ミーの専門店が多い激戦区。有名店が集中していて、ひっきりなしに人の出入りがあるところを見ると、評価の高さに納得がいきます。回転が早いので、時間がなく急いで食べたい時にも向いていそうです。
メニューの最上部にあり、いちばん人気がある「バン・ミー・サイゴン(BBQポークサンドイッチ)」(8ドル)をオーダー。バゲットは軽くトーストしてくれるので、受け取った時はほんわりと温か。半分に切って個装してあるので、手を汚さずに食べることができます。
サンドイッチを開いてみると、甘辛バーベキュー味のそぼろ状ポーク、ベトナムハム、甘酢の人参と大根のピクルス、キュウリ、パクチーが挟んであります。サンドイッチの量は多めなので、誰かとシェアしてもよさそう。
【在住者の本音コメント】
いずれの具材も新鮮! バーベキュー味のそぼろ状ポークも、ピクルスもちょっと甘口で、筆者の好みにぴったりでした。ピクルスはサンドイッチをうまくまとめており、脇役は重要なのだなと再認識しました。
今まで食べたバン・ミーの中でトップのおいしさと言っても過言ではありません。
実食評価 ★★★★★(星5 満点)
「ヴァネッサズ・ダンプリング・ハウス」は、昔は「1ドル餃子」で有名でした。日本のものと比べて皮が厚くもっちりとした餃子は、当時はなんと1ドルで8個入りでした。現在は5.5ドル(2022年10月時点)となり、昔ほどのお得感はありませんが、ニューヨークで気軽に安く食べられる店として引き続き観光客に人気です。
セサミパンケーキとは、日本では聞き慣れないかもしれませんが、中国系飲食店ではポピュラーなメニュー。
パンケーキという名前ではありますが、歯触りがもっちりとしたパンに近いもので、中国では朝食で食べるそう。中華系スーパーでは冷凍のものを見かけることもあります。
餃子と並んで人気のセサミパンケーキの表面には、胡麻がたっぷり。提供時にはこんがりと焦がしてあって皮はサクサク、中には北京ダックとキュウリが詰まっています。
【在住者の本音コメント】
高級料理である北京ダックを中国人はサンドイッチで食べるのか!と初めはびっくりしていたものです。セサミパンケーキは冷めるとガクッと味が落ちるので、できたてをその場で食べることをおすすめします。個人的な感想としてはコロナ以前の方がおいしかった印象がありますが、日本ではあまり見かけないサンドイッチなので一度試してみてはいかがでしょうか?
実食評価 ★★★(星3.5)
1888年創業と130年以上の歴史を刻む「カッツ・デリカテッセン」(以下カッツと表記)。筆者がニューヨークに旅行者として来た際に友人に連れていってもらい、カッツで初めてパストラミ・サンドイッチを食べた時の感動は忘れられません。
店の独特なシステム(入口でチケットをもらい、帰りに出口で現金精算)やアメリカらしい雰囲気にも圧倒されましたし、「サンドイッチはハムやゆで卵を挟んだ冷たいもの」という概念も覆されました。日本の薄いハムサンドに比べると、びっくりするほどの厚みとボリュームがあるパストラミ・サンドイッチは、ホカホカと温かく、パストラミは口にするとホロホロと崩れるやわらかさ。
「うわー、何これ。ニューヨークって、こんなにおいしいものがあるんだ」と衝撃を受けました。日本にいても、カッツのサンドイッチを思い出しては恋しく思ったものです。
ロウアー・イースト・サイドはユダヤ系移民によって栄えたエリアであり、ユダヤ系デリのカッツを含め、ベーグル、ピクルスの専門店などユダヤの食文化が色濃く残ります。
観光地から離れたロウアー・イースト・サイドでありながら、世界中の旅行ガイドブックに「訪れるべきニューヨークの最強サンドイッチ」と載っているようで、お客の8割は観光客です。
観光客向けのニューヨークの食べ歩きツアーのコースにも含まれており、団体で入店してくるグループもよく見かけます。
支払いは基本現金なので、訪れる際は事前に準備しておきましょう。カード社会のアメリカですが、ユダヤ系や中国系の店は「支払いは現金のみ」がいまだに多いです。
数あるユダヤ系デリの中でも、群を抜いて圧倒的な認知度があります。初めてパストラミ・サンドイッチを食べる方は、ボリューム、食感、見た目のインパクトにきっと驚くはず。サンドイッチの注文を受けるたびに、大きなパストラミの塊から切り落とし、目の前で作ってくれるため毎回できたてが食べられます。
【在住者の本音コメント】
正直に言うと、遠い昔に友人(現在の配偶者)と食べたパストラミ・サンドイッチほどの感動は得られなくなったと思います。物価高の影響もあって昔に比べ価格は上がり、ボリュームは少なくなり、味付けは薄味になった印象です。(「思い出は美しい」と言いますので、多少思い出が美化されているのかもしれません。)
ただし、いちばん有名なサンドイッチというだけあって、ボリューム満点で見た目のインパクト大。その場で切り落とすパストラミを挟んだ温かいサンドイッチは肉好きにはたまらないのも事実。ニューヨーク旅行中にぜひ一度足を運んでみてください。
実食評価 ★★★★(星4)
最後に、筆者が食べ歩いたニューヨークの人気サンドイッチベスト3を選んでみました。
食べ歩き結果 勝手にベスト3
1位のバン・ミー・サイゴン・ベーカリーの「バン・ミー・サイゴン」は、今まで食べたバン・ミーのなかで抜きん出ておいしかったです。甘酸っぱいフレッシュなピクルスと、豚肉のそぼろ風のBBQポーク、サクッとしたパン(米粉が入っているかも)の相性がよく、すべてが作り置きではない新鮮な味がしました。クオリティが高く、かつほぼ二人前のボリュームがあるにもかかわらず、8ドルというのはコストパフォーマンスがよすぎです(ニューヨークではインフレで食材が高騰しているため、近々値上がりするかもしれませんが)。
同率1位は、チーキィ・サンドイッチズの「バターミルク・ビスケットのチキン・サンドイッチ」。ニューヨークにおいて、本格的なニューオーリンズ・スタイルのものが食べられるのはうれしいもの。
店は超クールで格好よさにため息が出てしまうほど。サンドイッチはおいしくて手頃な値段。特筆すべきは紫キャベツのコールスローのフレッシュさとスパイシーな味付け。スタッフの感じのよさも印象的です。
ニューヨークにいらしたら、当記事を参考にサンドイッチの食べ歩きをしてみてくださいね。お待ちしています!
TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO: Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方
掲載情報は2022年10月時点の情報です。価格や商品構成などは変更になる場合がありますので、事前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。